アフターコロナで、どう変わる就活?

株式会社READY TO FASHIONは2020年7月16日(木)〜22日(水)の1週間、ファッション・アパレル業界のキャリア・市場の動向などを知るライブ配信イベント「READY TO FASHION LIVE WEEK」を開催しました。

本イベント内で業界を牽引する14社と共に各日で行った、EC・スタートアップ・業界動向・キャリア・繊維商社の5つのテーマについてのオンライントークセッションの様子をレポートしていきます。

今回のテーマは「アフターコロナで、どう変わる就活?」。

毎年新卒の学生から人気を集める3社の人事部からゲストを招き、コロナ禍における採用の実態についてお話を伺いました。後編では、実際に21卒の新卒採用を通して感じたことをディスカッション形式で語っていただきました。

前編はこちら↓


捧大輔(株式会社スノーピーク 人事管理本部 人事部 人事労務課)

2016年4月に新卒入社。新潟県出身。入社から3年は店舗スタッフ、新規事業を担当。4年目の2月に人事部へ異動。採用担当として新卒採用ではキャンプ検定、中途採用では会社説明会を実施。Instagramでもスノーピークの「人」についての情報を発信中!

早野彰二(株式会社ベイクルーズ 人財統括)

2005年、飲食部門のアルバイトスタッフとしてベイクルーズグループに入社。その後、大学4年時にグループの人事部門へ異動。労務、人事企画、採用と人事関連業務を経験し、現在は、主に新卒採用、採用PRを担当。

平田なつ(株式会社スマイルズ/株式会社スープストックトーキョー 人材開発部 新卒採用担当)

山梨県出身。東京学芸大学教育学部で小・中・高の教員免許を取得。2018年に新卒入社し、1年目は副店長として店舗業務を経験後、2年目より人材開発部の新卒採用担当に。表現者採用という独自プロセスや、ダンスや演劇を研修に取り入れるなど人材開発を進めている。


コロナ禍において初めての新卒採用

──コロナ禍おいて就職市場は厳しい状況になっていますが、人事の視点からこの状況下での新卒採用についてどのように感じましたか?

捧:予定していた説明会が中止になり、スケジュールの変更やオンラインへの切替に追われたことはやはり大変でした。ただ、私たちは仕事をしていく中でこのような突然の変更には慣れているので、選考を受けている学生の皆様の苦労に比べれば大したことはありませんでした。

早野:捧さんのおっしゃる通りだと思います。企業として柔軟に対応しなければならないことは多くありました。しかし、学生の皆さんは採用が休止・延期になったり、企業側も選考関連の情報をなかなか発信しなかったりと、その不安ははかり知れなかったと思います。

平田:私たちスープストックトーキョー含め、就活が盛んになっていく時期に飲食店が一斉に休業したことで、飲食業界の将来に対して学生たちも不安も感じていたようでした。

捧:誰も経験したことがない状況での新卒採用だったので、今回採用に進んだ学生たちはすごく強いのかもしれません。

不安な学生のためにできること

──そういった学生の不安を少しでも和らげるために意識したことはありますか

平田:学生の皆さんは今の店舗の状況や選考の予定についてとても心配されているようで、説明会終了後もこれらに関する質問を数多くいただきました。そんな時に今の状況を包み隠さず伝えて、学生が納得するまで対応することを意識していました。

また、オンライン面接では、皆さん画面越しでも伝わるくらい緊張されていました。なのでいかに緊張を解せるか、オンラインでもオフラインで会っているかのように感じてもらえるかというのは私たち人事の頑張りどころだと思いました。

早野:ベイクルーズではエントリーして下さった方を対象にオンライン相談室を開設しました。納得のいく就活ができるように学生の相談に乗りたいと思ったのがきっかけです。選考が止まってしまった、行きたい業界が採用縮小してしまった、などたくさんの悩みをリアルタイムで聞いているうちに、正しい情報を正しい形で迅速に伝えることの大切さを再認識しました。今後そういったコミュニケーションの場が必要になってくるのかもしれません。

企業と学生の理想のコミュニケーション

──人事として、学生とコミュニケーションをとる際に意識していることはありますか?

平田:コロナ禍に限らず、私が意識していることはインターンや選考に参加してくれた学生がスープストックトーキョーに入社しないとしても、参加して何か得るものがあったと感じてもらうことです。店舗を離れ人事として働いていますが、インターンや選考の場で学生のキャリアについて真剣に考え、そこでの経験が彼らの将来に役立つ、これこそが人事として”世の中の体温を上げる”ためにできることだと考えています。

捧:企業側が発信している内容が学生にとって本当に有益な情報だったのかというのは、オンラインでは特にわかりづらいです。なので、学生の皆さんには気になることはどんどん聞いて欲しいと思っています。また、私の今の仕事は自分が学生の頃は存在すら知らなかったようなものです。なので、学生の皆さんには、世の中には皆さんがまだ知らないような楽しい仕事であふれている、ということを人事として一番伝えたいですね。

早野:選考は採用・不採用が出る世界ではありますが、お互いがフェアな立場にいることが最も重要です。フェアでいるために、学生一人一人と正面から向き合う、情報を正しく伝える、これらが人事にとって必要不可欠な姿勢だと考えています。

手段は変わったが本質は変わらない

──採用のオンラインへの移行は大きな変化だったと思います。他にもコロナ禍において変わったこと、また変わらなかったことはありましたか?

早野:学生からオンラインでは自分の良さが伝わりづらいのではないかという心配の声をいくつかいただきました。特に、私たちのような接客を主としている企業に対して直接会って感じて欲しい部分があるのかもしれません。しかし、オンラインになったからといって選考基準が変わるということはありません。結局私たちが見ているのは企業のビジョンに共感してくれているかどうか、そこが本質だと思います。

捧:選考が対面からオンライン上に移行したのはあくまで手段の変化にすぎません。手段というのは企業でいう何を売るかというところで、本当に大切なのはそれを通して何をしたいか、スノーピークでいう”野遊びで人生に幸せを。”という社会的使命です。つまり、学生の皆さんもこの”何をしたいか”が明確に存在していれば、選考の手段が変わったからといって心配する必要はないと思います。

平田:オンラインへの移行は悪いことばかりではありません。オンラインだからこそ、北海道や九州から説明会に参加してくれる学生がいました。これは今までは起こり得なかった、良い変化だと思います。

オンラインへの移行が進み、企業側も学生側もより多くの情報が得られるようになりました。これは良い変化である一方、注意も必要です。学校や企業、就活サイトから情報が次々と送られてくる分、今の自分にとって必要な情報とそうでないものとの精査を慎重に行わないといけません。

早野:私もそう思います。与えられる情報に満足するだけでなく、自分で必要な情報を探しにいく姿勢が重要になっていくでしょう。また、オンラインという選択肢が増えたことは企業にとっても大きな変化です。情報の渡し方が多様化した今、私たちもオンラインで伝えるべき情報・オフラインで伝えるべき情報の差別化を行っていく必要があると考えます。

本質を見つけるために

──企業のビジョンに共感できるかが本質というお話がありましたが、それを確かめるために学生はどんなことをすべきでしょうか?

平田:自分が興味のあること、好きなことを探すことが第一歩だと思います。しかし、それだけでは漠然としていて、自分が本当にやりたいことは見えてきません。そこで、自分はなぜそれが好きなのかというように、自分の考えに対してなぜ?と繰り返し問いかけることで自分の目指すべき場所がはっきり見えてくると思います。

捧:自分が好きなことだけでなく、自分が嫌いなことにも目を向けるといいと思います。例えば、100個の選択肢があるとしてそこから自分が好きな1つを選ぶと、他の99個は捨てなければいけません。しかし、100個の中からこれだけはやりたくないというものを選べば、残った99個の選択肢をもう一度吟味することができます。これは自分の可能性を広げるために有効な手段だと思います。

早野:好きか嫌いかの価値観で企業を選ぶことは、事務職がいい、営業がいいといった条件で選ぶよりも難しいことですが、その分仕事のやりがいは何倍も大きくなります。私も好きなことから仕事を考えることは大切だと思います。また、コロナ禍で私たちのように接客を主としている業界がお客様のニーズに支えられていること改めて実感しました。自分がやりたいこと、好きなことに加えて、その先にある、誰かのためにしたいことを明確にしておく必要があると最近は強く感じています。

──皆さん共通して企業分析よりも自己分析が重要だとお考えなんですね。

捧:今しかできない様々な経験を通じて感性を鍛えておけば、おのずと良い企業に出会った時に良いと感じることができます。これこそが企業とのビジョンマッチへの近道だと思います。

平田:先ほどのコロナ禍で変わったことに関連しますが、アルバイトの学生から、授業もオンラインになり以前よりも自分の時間を自由に使えるようになったという話を聞きました。こんなご時世ですが、この状況を最大限に活用して学生のうちに様々なことを吸収して欲しいと私も思います。


全編動画はこちら↓


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Text:READY TO FASHION MAG編集部


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