アパレル店舗開発の概要から、業務内容、求められるスキルや素質、必要/有利な資格、キャリアプラン、求人情報までを紹介します。

ファッション・アパレル業界の職種を徹底解説する連載シリーズ「アパレル業界職種ガイド」。

ファッション・アパレル業界への就職・転職を検討されている方は必見です。

アパレル店舗開発とは?

アパレル店舗開発とは、小売店舗などの出店計画を立案し、契約から開店までの出店に関する一連の作業を担当する職種です。

ファッション・アパレル業界の中でも、店舗づくりに関わる職種では、店舗デザイナーやVMDなど多くの職種が存在しますが、アパレル店舗開発は、新規出店の際に様々な情報を踏まえながら、どのような場所に出店すればブランドのコンセプトや優位性を活かせるのかを検討していくのが主な役割です。

さらには、企業のブランドが出店するファッションビルなどのディベロッパーとの交渉の窓口となり、家賃の改定などの業務にも携わります。

ブランド出店までの一連の業務を行うだけでなく、店舗開発を実行していくにあたって、マーケティング能力から不動産や内装・外装の知識を深めるだけでなく、テナントとの交渉力など様々な幅広いスキルを磨き、発揮できるのもアパレル店舗開発の醍醐味です。

アパレル店舗開発の仕事内容

アパレル店舗開発の実際の業務内容を紹介します。

企業によって内部構造が異なるので、一般的な業務の一部を挙げていきます。

市場調査

出店する候補地を探す業務です。

この業務では、競合店や客層、地域の交通量や特性などの市場調査を行うことで、どのくらいの集客や利益が見込めるのか、ブランドイメージに合った場所なのかなどの情報収集・分析をしていきます。

ここで正確に集客を望める候補地を選ばなければ、出店後の売上を思うように伸ばすことができません。

そのため、一つのショップを出店するにあたって、どこに出店するかなどの市場調査をこの段階でしっかりと行っていくことが重要です。

【関連する職種】
マーケター
デジタルマーケティング

立案・選定

市場調査で得た情報をもとに、出店形態を決定する業務です。

路面店か、ファッションビルか、などの条件によっても客層が大きく異なってきますが、複数のブランドを運営している会社などは、自社のどのブランドがエリアなどの条件に最も合致しているのかも検討していきます。

【関連する職種】
マーケター
デジタルマーケティング
アパレル営業

マーケティング

マーケティングは、候補地の店舗面積や間口を参考にして、売上高をシュミレーションするなど、具体的な数字も視野に入れ検討していく業務です。

家賃や内装・外装の工事費用、人件費、仕入れ、設備費などのコストや、想定される顧客数、そこから見込まれる売上予測などを踏まえて利益をしっかり出していけるのかを検討し、最終的な出店を決定します。

投資した資源を回収できるか、収益を返す店舗になるまでにどのくらいの年数を要するのかなど、売上予測の能力が必要です。

【関連する職種】
マーケター
デジタルマーケティング
マーチャンダイザー(MD)

契約

出店に関する調査を経た後に、ファッションビルの場合は運営会社、路面店の場合は不動産会社や管理会社との契約をそれぞれ行います。

出店するにあたって、ビル内の改装を伴う場合や、人気の土地や物件を賃貸する場合は、粘り強い交渉力が必要です。

そのため、この業務では、ただ「この物件を貸してください」と伝えるのではなく、どれだけ有利な条件で契約が結べるかや、利益だけでなく、自社のブランドイメージに沿った店舗展開ができるかまで考慮し、交渉していけるかがポイントになってきます。

【関連する職種】
アパレル営業
アパレル事務 / 総務
アパレル経理 / 財務

店舗設計

店舗コンセプトに基づき、内外装をデザインする店舗デザイナーとの図面調整や施工会社の選定などを行う業務です。

施工会社を決定したら、内外装のイメージを伝え、納期などの打ち合わせも行っていきます。

店舗が実際に完成すると、スーパーバイザー(エリアマネージャー)に引き継ぎを行うなどの最終調整をして、業務の完了となります。

また、これらの新規出店に関する業務だけでなく、既存店舗のリニューアル業務からマネキンやハンガーラックなどの細かい設備の手配まで、幅広い業務もこなしているのが特徴です。

【関連する職種】
VMD
スーパーバイザー(エリアマネージャー)
アパレル店長

アパレル店舗開発に求められるスキル・素質

アパレル 業種

アパレル店舗開発への就職・転職する上で、求められるスキル・素質を紹介していきます。

コミュニケーションスキル

様々な業務を担うアパレル店舗開発ですが、ファッションビルのディベロッパーや不動産会社、施工会社など社外の人たちとのやり取りを行う場面が多いため、コミュニケーションスキルが大切です。

また、店舗出店の際には、いかにブランドの意向を反映できるかも重要なので、アパレル店舗開発にとって、伝える能力に加え人柄なども、良い店舗を作れるかに大きく関わってきます。

マーケティングスキル

市場調査などの店舗出店の際に土台となる業務では、マーケティングスキルが求められます。

市場動向や消費者のニーズを様々な角度からリアルタイムに収集・分析し、その中で自社ブランドが持っている競争力や問題点をまとめ、店舗開発に反映させていく重要なスキルです。

また、アパレル店舗開発のマーケティングスキルで重要なのが、立地を見る目です。

そのためにも、様々な場所に出掛けて、どのようなところにビジネスチャンスがあるのかを日頃から観察してみるのもいいかもしれません。

マルチタスク管理能力

アパレル店舗開発は、既存店舗のリニューアルなど同時並行で複数店舗を動かすことも少なくありません。

また、会社ごとにスケジュールや動き方が異なってくるため、様々な企業とのやり取りを管理する能力も必要になってきます。

スケジューリング能力

取引先とのスケジュール管理だけでなく、市場調査などの初期段階から出店するまでの大まかな日程を決め、そこに向けて動いていくため、スケジューリング能力も求められます。

イレギュラーな事態も起こる中で、その都度、調節・修正しながら進めていける素質もあると、効率よく業務をこなすことができるでしょう。

アパレル店舗開発になるために必要/有利な資格

アパレル 業種

アパレル店舗開発への就職・転職する上で、必要な資格と有利になる資格を紹介していきます。

ファッションビジネス能力検定

ファッションビジネス能力検定とは、ファッション・アパレル業界で働くために必要なビジネス知識が問われる検定試験です。

この検定は、ファッション商品の企画・生産・流通に関する業務のスキル向上などに役立ちます。

2級・3級は、ファッション・アパレル業界の構造や流通販売管理からコーディネートなどに関する問題が問われますが、1級では、管理職や将来自分で企業したい人など、さらに専門的なファッションビジネスの知識を身につけることができます。

【応募サイト】
ファッションビジネス能力検定

簿記検定

簿記検定では、企業の経理事務に必要な会計知識などの知識を養うことができます。

自社の経営管理だけでなく、取引先の経営状況なども把握できるスキルが身に付くため、アパレル店舗開発でも活かせる機会が多い資格ではないでしょうか。

【応募サイト】
簿記検定

アパレル店舗開発になるためのキャリアプラン

アパレル 業種

アパレル店舗開発になるためには、アパレル店舗開発の求人に応募するのが最も近道な方法ですが、求人募集や未経験での募集がない場合もあります。

その場合、アパレル店員(アパレル販売・ショップスタッフ)として経験を積み、そこからキャリアアップすることでも目指せます。

また、アパレル店舗開発は、ファッションデザイナーやパタンナーなどのアパレルの専門職とは異なり、異業種での経験も活かしやすい職種です。

そのため、他社で営業職やクリエイティブ職などにおいて活躍した実績をもとに、キャリアアップも考えられます。また、不動産や施工に関する知識も役立つかもしれません。

アパレル店舗開発の求人一覧

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【参考文献】
「ファッション辞典(第4版)」(大沼淳、萩村昭典、深井晃子 監修、文化出版局、1999)
「増補新版 図解服飾用語辞典」(杉野芳子 編著、ブティック社、2003)
「1秒でわかる!アパレル業界ハンドブック」(佐山周、大枝一郎、東洋経済新報社、2011)
「ファッション業界大研究[第2版]」(ファッション&ソフトマーケティング研究会 編著、産学社、2019)
「ファッション業界大研究【改訂版】」(オフィスウーノ 編、産学社、2008)
「アパレル素材企画 プロフェッショナルガイド」(野末和志、繊研新聞社、2019)
「役に立つアパレル業界の教科書」(久保茂樹、文芸社、2016)

三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年生まれ。READY TO FASHION MAG でインターンとして活動中。学生時代は、学生団体 「Uni-Share」 にてフリーマガジンの刊行、青山学院大学服飾サークル 「AOYAMA FASHION ASSOCIATION」 にてPR として活動していた。

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