ファッションを媒体として”哲学する”をコンセプトにした学生団体、国際基督教大学(ICU)の「装飾造形会so-zo」が2018年2月7日(水)・8日(木)に国際基督教大学内にてファッションショーを開催した。

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装飾造形会so-zoとは?

2015年に設立された、国際基督教大学(ICU)公認サークルであり、ファッションを媒体として作る側も見る側も新たな気づきを得られるような『場』をファッションショーやインスタレーションを通して想像・創造する。

哲学する

私たちは何故、服を着るのか

寒さをしのぐため、

モラルのため、

そして

自らの表現のため

本記事では、本ファッションショーの様子をピックアップし紹介する。

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装飾造形会 so-zo 18卒業 fashion show のテーマは『深淵』

心の海に潜り深淵に辿り着く
人の心を海とするならば、
あなたはその奥底の全てを知っているだろうか

水面(みなも)を漂う光
海底を蠢く(うごめく)影

わたしたちの
”底”から引きずりだした感情、
それを身体に纏う時、
空間と人々が深淵にのみこまれる
そこであなたはなにをみるだろうか

ファッションショー『深淵』の様子

深淵漂う暗い会場から突如あらわれたのは躰に電球を巻いた3体のルック。これを幕開けにショーが開始された。

ショーは3章からなり、『深淵』から付随するテーマが各章に設定され、それぞれの概念を落とし込んだルックが展開された。それぞれの章でテーマが顕著に出ていた3ルックをピックアップし紹介する。

第1章〜ドロップアウト〜

小さい頃からドロップアウトにある種の憧れを抱いていたという設定を背景に、リーガルとイリーガルが混ざり合った90年代のレイヴをイメージしたルック。レザーとスポーティというミックスの怪しさを表現している。1980年代後半イギリスで生まれたレイブが近年、東京でも盛り上がりをみせている。そういった意味では”今”らしいルックとも言えるだろう。

第2章〜素材〜

第2章では、素材を重視し、テーマに沿ったルックが多く見られた。写真右のルックでは深海魚をイメージしてつくられ、写真左のルックでは、モデルを心、纏っている布を自分の飾りと表現している。また、嘘も本当も口から出ることから唇を大きくし、衣服の破れや布で縛ることで、飾るために嘘をつけば、心が傷つくことを表している。

第3章〜アイデンティティ〜

このルックを作製したデザイナーが就活を控えており、就活先の仕事とやりたいこととの違いや揺れている気持ち、違和感から”ちぐはぐ”さが表現されている。オフィスシャツをリメイクし、就活用シューズ・ベルトを着用している。

代表 日向梨子から

今回のテーマは『深淵』。デザイナーそれぞれが思う心の奥底のコアな部分を服という媒体を通して表現しました。私は、演出も担当したんですが、服のみで『深淵』を表現するのではなく、演出も含めての『深淵』というところにこだわりました。来場くださった方々にショー全体としての『深淵』を感じていただければ幸いです。

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誰しも普段周りに見せるモノとは違う、心の奥底『深淵』があるだろう。今回のショーではデザイナー1人1人の『深淵』であるコアな部分が垣間見えた。今後の彼らの活躍に期待したい。

Text:Riku MatsuzawaREADY TO FASHION MAG 編集部)

READY TO FASHION MAG 編集部

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