【アパレル業界業種ガイド】アパレルメーカーとは

アパレル業界業種ガイド アパレルメーカー

アパレルメーカーは、商品の企画・製造をしてアパレル小売にその商品を卸す業種です。

多くの人はアパレルメーカーと聞くと、製造業を思い浮かべるかと思います。
たしかに製造業であることは間違いではないのですが、その実態は製造業にとどまりません。

今回はアパレルメーカーの役割や業務内容などについてまとめました。

アパレルメーカーとはどんな業種なのか。理解を深めていただけるよう、解説していきます。

アパレルメーカーとは?

アパレルメーカーとは?

ファッション・アパレル業界では業界の流通構造を慣例的に、川の流れに例えて「川上」「川中」「川下」の3つの区分で分類しており、その中でアパレルメーカーは「川中」(アパレルを生産・流通する業種)にカテゴライズされます。

本来は自社生産の製造業のみを指す名称でしたが、国内では卸売までを行う製造卸売業である場合が多いため、それらも含めてアパレルメーカーと呼びます。

単純に「アパレル」や「アパレル企業」と呼ばれることも一部ありますが、厳格な定義はあません。

国内アパレルメーカーの自社工場の保有率は低く、委託生産である場合が多いです。そのため縫製を専門とする事業者を「縫製業」「縫製工場」「縫製メーカー」と呼び区分することもあります。

婦人服や子供服などの特定ジャンルに絞って扱う企業を「専業アパレルメーカー」、2部門以上を扱うものを「総合アパレルメーカー」と呼びます。さらに、流通ルートでわけて「百貨店メーカー」「専門店メーカー」と分類されることもあります。

近年は、企画・製造に加えて小売の機能も備えているSPA(=製造小売業)の台頭により、多くの大手アパレルメーカーはSPA部門を新設しています。直接消費者の声を聞くことで商品の企画力は高まるため、自社ブランドの直営店を出すことは企業の成長にもつながります。

【アパレル業界業種ガイド】SPAとは

業種を分ける境界は年々薄まっていますが、SPA企業は基本的に卸売業を行わないためその点が大きな違いになるのかもしれません。

近年の傾向として、百貨店を主力とする百貨店メーカーは年々その売り上げ・利益を下げています。2020年5月には名門アパレルメーカーのレナウンが経営破綻したことが話題になりました。

アパレルメーカーは市場の環境変化に大きく作用されるため、先ほども触れたSPA事業に乗り出すなどして常に市場適応をはかっています。そのぶんチャレンジングな施策を打ち出す企業も多いため、やりがいに満ちた業種と言えます。

【決定版】アパレル業界の業種まとめ

代表的な国内アパレルメーカー企業

ワールド

アパレルメーカーの中で最も早い段階でSPA業態を取り入れた国内最大手のアパレルメーカーです。
傘下のブランドには「TAKEO KIKUCHI(タケオキクチ)」などの有名ブランドが名を連ねており、ブランド事業のほかにもデジタル領域、プラットフォーム領域にも力を入れています。

オンワードホールディングス

オンワード樫山(「Paul Smith(ポールスミス)」など)やジルサンダージャパンなどを傘下に持つ総合アパレルメーカーです。
近年では、ライフスタイル関連事業の展開やオーダースーツブランド「KASHIYAMA the Smart Tailor(カシヤマ・ザ スマートテーラー)」をはじめとするマスカスタマイズ業態の拡大、デジタルシフトの推進など、大規模な構造改革が目立ちます。

ワコールホールディングス

京都に本社を置くインナーウェア関連を中核事業とする企業です。
ワコールグループは持株会社以外に子会社は58社、関連会社は7社で構成されており、インナーウェアに限らずスポーツウェアなど幅広く展開しています。

アパレルメーカーの仕事内容

仕事内容

アパレルメーカーの中でもいくつかのポジションに別れることが多いので、実際の業務内容を紹介します。

企業によって内部構造が異なるので、一般的な業務の一部を挙げていきます。

企画

社会の消費行動をふまえてどんな商品を作るのかを考え、その後の販売戦略、販促企画を検討・実行します。
製造卸売業を主たる事業とするアパレルメーカーにとって、この企画の段階が社運を握っていると言っても過言ではありません。

【主な職種】
マーチャンダイザー(MD)
・マーケッター
・セールスマネージャー
プロダクトマネージャー(生産管理)

素材の仕入れ

生産に当たって必要な素材をテキスタイルメーカーなどから仕入れます。商品生産のコストを鑑みて素材を選定します。

【主な職種】
マーチャンダイザー(MD)
プロダクトマネージャー(生産管理)

デザイン・製造

ブランドイメージやトレンドをふまえ、商品をデザインして生産します。
デザイナーが描いたデザイン画をもとに、パタンナーが型紙を作成、ソーイングスタッフ(縫製作業者)が裁断・縫製を行い商品にしていきます。

【主な職種】
・デザイナー
パタンナー
・ソーイングスタッフ(縫製作業者)

生産委託

自社工場を持たないアパレルメーカーの場合は、縫製工場の選定をして生産を委託します。
近年はコストなどの問題もあり、海外の縫製工場に委託することが多くなりました。

【主な職種】
マーチャンダイザー(MD)
プロダクトマネージャー(生産管理)

PR・販売

自社商品に関する広告をマスコミや紙媒体などに出稿などして消費を促したり、それに伴う商品の貸し出しなどを行います。
SPA事業を手掛けているアパレルメーカーでは自社店舗があるため、販売員(ショップスタッフ)が消費者に直接販売します。

【主な職種】
営業
・広報プレス
VMD
店長
販売員(ショップスタッフ)

アパレルメーカーで働くことのやりがい

やりがい

次にアパレルメーカーで働く上でのやりがいを紹介します。

やりがいに感じることややりたいことは人それぞれ違うかと思いますが、参考にしてみてください。

携わった商品が消費者に

アパレルメーカーの業務は職種ごとに細分化されているため、商品作りに携われる部分は少ないかもしれませんが、その商品が実際に店舗で売られているところや、雑誌やテレビなどで見かけることもあるはずです。
自社販売を行っているアパレルメーカーであれば直接現場で売れ行きを見ることもできるので、自分の仕事が誰かを喜ばせていると実感できる楽しみがあります。

作り手としてアパレル・ファッションに関われる

アパレルメーカーで働いている人の多くは、好きなブランドに関わりたい、服作りに関わりたいという人が多いので、その気持ちを叶えられる環境としては最高なのではないでしょうか。
周りにも服が好きな人がいる場合が多いので、本当に好きな人なら楽しみながら仕事できる環境といえるでしょう。

アパレルメーカーで働く上での適性

適性

ポジションによっても適性は変わりますが、働いている多くの人がやりがいに感じることが適性にも繋がってきます。

コミュニケーション能力がある/人付き合いがうまい

アパレルメーカーでは様々なポジションで、様々な人が働いています。
部署をまたいで連携することが多いので、人と対話するスキルが高い人は適性があるといえるでしょう。

好奇心が旺盛な性格

過去・現在・未来のトレンドをどれだけおさえて商品に反映できるかどうかが売り上げにも直結してきます。
周りにあるものや道端で見かけたお店など様々なモノに興味を持つくらいの感覚でアンテナを張る必要があります。
そこから深堀りし、さらには自分から発信できる性格の人は適性があります。

ファッションが好きな人

やはりこの条件は最低限必要です。
ファッションが好きではないけどアパレルメーカーに入社するという人は、多くはないかもしれません。アパレルやファッションに対して、何かしらの情熱を持っている人が集まる環境なので、自分が好きなブランドやジャンル以外もおさえておくことをオススメします。
そうすることで、トレンドをキャッチできる能力もコミュニケーション能力も自然に上がるため、アパレルメーカーで働く上でのゴールや、実現したいことの達成にも繋がります。そこまでイメージできている人は適性があるといえるでしょう。

アパレルメーカーの採用条件

採用条件

企業やポジションによって異なるので一概には言えませんが、企画職や営業マーチャンダイザー(MD)のような本社職は、学歴不問で求人を出す企業もたまにありますが、大学卒以上の経歴が求められることが多いです。

デザイナーやパタンナーなどの専門職は専門的な技術と知識が求められるため、服飾系の専門学校卒や実務経験◯年以上のような条件がつくことが多いです。

また、SPA事業を展開するアパレルメーカーでは、販売員(ショップスタッフ)からスタートすることもしばしばあります。

現場で働くことで消費者からの直のリアクションをもらえるので、トレンドやブランドイメージの把握に繋がります。本社職に就くためのトレーニング期間と捕らえられます。

アパレルメーカーの採用に必要・有利な資格

資格

アパレルメーカーに就職するために絶対に必要な資格はありませんが、有利になる資格はいくつかあるので紹介していきます。

ファッションビジネス能力検定

ファッションビジネス能力検定とはマーケティングや流通、マネジメント、基礎知識まで幅広く学べる資格です。
営業や企画職などを目指している方は取得をお勧めします。

【応募サイト】
ファッションビジネス能力検定

ファッション色彩能力検定

ファッション色彩能力検定では、色彩に関する理論を学べる資格です。
販売員(ショップスタッフ)の場合はコーディネート提案する際に役立ちますし、デザイナーの場合は、トレンドをおさえた商品作りが可能になります。

【応募サイト】
ファッション色彩能力検定

ファッション販売能力検定

名前の通り、販売をする際に必要な知識などを学ぶころができます。
初めて販売員(ショップスタッフ)を経験する人はもちろん、マネージャークラス・店長クラスでも資格を持っていることは有意義だと思います。

【応募サイト】
ファッション販売能力検定

アパレルメーカーの求人

最近では消費者のニーズや購買動向の変化が激しいため、アパレルメーカーもその企業構造を大きく変化させています。

就職・転職される際には、自分がどのポジションで何をしたいのかを明確にした上でエントリーすると良いでしょう。

もし興味があれば、READY TO FASHIONでも募集しているので、是非応募してみてください。(※下記リンクは掲載時点での募集です。)

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【参考文献】
「ファッション辞典(第4版)」(大沼淳、萩村昭典、深井晃子 監修、文化出版局、1999)
「増補新版 図解服飾用語辞典」(杉野芳子 編著、ブティック社、2003)
「新ファッションビジネス基礎用語辞典(増補改訂第7版)」(バンタンコミュニケーションズ 編、チャネラー、2001)
「1秒でわかる!アパレル業界ハンドブック」(佐山周、大枝一郎、東洋経済新報社、2011)
「ファッション業界大研究[第2版]」(ファッション&ソフトマーケティング研究会 編著、産学社、2019)
「ファッション業界大研究【改訂版】」(オフィスウーノ 編、産学社、2008)
「アパレル素材企画 プロフェッショナルガイド」(野末和志、繊研新聞社、2019)
「役に立つアパレル業界の教科書」(久保茂樹、文芸社、2016)

text: READY TO FASHION MAG 編集部

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