大阪中崎町に佇む古着屋「aNz」。店頭には、アメリカで買い付けられた希少なヴィンテージアイテムから、他の古着屋では見ないようなユニークなレギュラーアイテムが所狭し並ぶ。来店した人をワクワクさせるような「aNz」。オーナーである、大倉直樹さんに、お話を伺った。

【aNz】

Concept 

国内外から買い付けた商品は、トレンドを抑えつつも一癖あるレギュラーアイテムや流行に 左右されない一生物のヴィンテージアイテムを展開。 中でも得意な「和」をコンセプトに、日本の古き良き物を今の時代でジャンルレスで提供しています。 「こだわり」を追求し続け幅広い年齢層の方とリンクしていきたいと思います。 

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−開店の経緯を教えてください。

まず、18歳で美容師の専門学校に進学して、1度美容院で勤めた。その後、美容師を辞めて、古着屋JAMで約1年半アルバイト。かねてから誰かに雇われる身ではなくて、自分でやっていきたい気持ちはあって、古着屋JAMで自分で古着屋を開くための技術や知識を覚えたかな。その後は、自分で独立するための人脈作りや、資金集めを数年やって、25歳の時に「aNz」をオープンした。

−お店の商品のセレクトでこだわっているところはありますか。

買い付けのルールとして決めているのは、日本では絶対買われへんもの。価格ではなくデザインが日本にないようなもの。コレクションとかは全く意識していなくて、自分のアンテナに引っかかって、単純に自分がかっこいいと思えるかどうか。何が流行るかわからんし、何かを流行らせようとも思ってないし、かといって、流行りばっかり取ってこようとも思っていない。それは自分の感覚やな。

−スカジャンなどの希少価値の高いヴィンテージ商品も店頭には数多く並んでいますよね。

スカジャンは過程が面白い。元々は日本で作られたもので、それをアメリカ人が駐在していた時に持ち帰って、お土産として渡していたもの。60-70年経って今の時代になったときに、日本人がアメリカにそれを求めて買いに行っている。図案とか、サイズ感、ジップによって価値も変わってくる。

ディティールまでこだわってピックされた希少価値の高いヴィンテージのスカジャンが並ぶ。実際に見るだけでも価値のある商品だろう。

−営業していく中で、大切にしていることはありますか。

お店は、商品を売っているようで、結局は「人」を売っていると思っている。特に大切にしているのが価値を付ける時の基準。例えば、5000円で商品が売っていて、同じものがアメリカで買われへんなって思ったら買う。っていうことをプライベートでも大切にしている。結局、価値をつけるのは商品を売る人であったり、それを見た第三者であったりする。その価値判断がリンクし合えたらいいなっていう部分がプライベートでもあって、それを店でも実現したくて価格設定はやっているかな。

−スタッフなどに、価格の判断を聞くということですか?

スタッフにも価格はたくさん相談する。買い付けして来た商品を見して、スタッフが思う価値が自分の考える価値よりも高かったら、自分の勝ち。買い付けの時の状況は、自分にしかわからないものであって、第三者が見る価値と自分の価値が比較した時に、相手の価値の方が高い場合、勝ちやねんな。商売もこれの延長だと思っている。だから、お客さんの「高いっすね」とか「安いっすね」が直接自分の評価に繋がっている。結局は数字で評価されると思っている。

—他にもスタッフには毎日ブログを書いてもらうなど、スタッフをすごく大切にしている印象を受けます。

ブログはスタッフ全員に書いてもらっている。スタッフにはせっかくaNzにおるんやから、感性を高めてあげたいと思っています。そういう積み重ねがもちろん接客にも関わってくると思うし、ブログはその人の人間の面白味が出ると思っている。単純に面白いか面白くないかかな。

店内の内装はスタッフの意見を出し合って決めるようだ。現在は、和風メインの内装になっている。

—そこまでスタッフのことを考えて採用しているお店は、あまり見ない。

採用に関しては、恋人を選ぶポイントと似ているかもしれないかな。自分に持っていない部分を持っているスタッフが集まっているし、そう言う人に惹かれる。自分のクローン3人働かせたらそれが一番お店としてはいいと思う。でも面白味がないからそれ以上は絶対成長しないし、自分のMAXは超えられない。でもそれが他のスタッフになると、自分より下になる場合もあるけど、超えてくる場合もある。バランスとしては凄く面白いかなと思う。

—古着屋の魅力とは何だとお考えでしょうか?

服屋は人を変えることができる職業だと思っている。何色が似合うとか、その人の魅力を気付かせてあげることができる。それを気づかせてあげられた時に、その子の何かが変わるからとても楽しい。

—実際に目標であった古着屋を開業して、自分の理想値から現状はどのくらいの感覚ですか。

26歳でお店を建てたいと思っていて、25歳で開業した。でもそれはゴールではないし、現状は過程の過程の過程で、まだ自分の古着屋としてのスタイルも正直まだ見つかっていない。今は3年目で、まだ色付け中やな。

—お店の今後の目標などはありますか?

めっちゃ店舗を増やそうとは全く思ってない。自分が見られる範囲で、そこそこ大きいお店を持てたらいいかな。直近の目標は移転。aNzのためにその場所に来たと思ってくれたら自分としては嬉しいし、そういうお店にしたい。だから辺鄙なところでやっていってもいいと思っている。集客ができる場所よりも、箱の魅力を重視して移転できたら。

オーナーの大倉直樹さん。

—いまのファッション業界についてどう思われていますか。

ファッションシーンは毎日の様に変っていっている実感はある。ファストファッションがこれだけ流行している世の中。正直、古着屋は確かに時代に沿った仕事ではないとは思う。ファストファッションと競争しているとは思っていないけど、実際は数字では負けている。ただ、ほんまにそれがやりたかったことをやっているのかという基準で考えた時に、自分はいま本当にやりたいことができている。やからある意味勝っているのかも。古着屋にしても、売れる商品をとってこようと思ったら取ってこられる。売り方を変えたら売ることもできると思う。でも、自分はそれを望んでいない。今は、お金よりも自分のやりたいことに価値を感じているってことやな。

—ファッション業界を志す若者へアドバイスをお願いします。

正直、正解は俺が決めることじゃないとは思う。けど、今の年齢は本当になんでもできる。若者には自由に生きていて欲しいとは思うかな。好きなことをやっていったらいいと思う。こんな地震大国におって、いつ何が起こるか分からんし。目標がないまま生きるのは面白くないと思うから、自分のビジョンを大切に生きて欲しい。

—ありがとうございました。最後に、大倉さんご自身のビジョンなどお聞かせ頂きたいです。

とりあえず、32歳くらいでビジネス番組に取り上げられたい。セブンルールは好きやけど、女性しかあかんから、プロフェッショナルの流儀か、情熱大陸やな。

また、この記事を見た / SNSフォローをして頂けた方に対象で、特別クーポンを発行させて頂きます。

是非店頭に足をお運びの上、ご利用くださいませ。

Twitter:@aNz_osaka

Instagram:@anz0111

また「aNz」は明日行われる「OPEN CIRCLE」にも出店して頂きます。

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