国際ファッション産学推進機構

若手ファッションデザイナーのサポート事業なども展開する「文化学園国際ファッション産学推進機構」が、ファッション・アパレル業界内外で活躍するクリエイターなどへのインタビューを掲載するnoteの連載を開始した。

note開始の背景

国際ファッション産学推進機構が投稿した記事によると、noteを開始した理由は、毎月配信していたメルマガ「産学ニュース」に新たに掲載が始まったインタビュー記事をより多くの人のもとに届けるためとのこと。

現在進行形でデザインの世界に身を置く人々が発する言葉は、デザインの道に進みたいと考えている人を勇気づけ、まだ見ぬ未来を予感させる力を持っていると思います。また同時に、デザインの世界という枠を超えて、人として強く生きていくための知恵やアイデア、その方法が示唆されているとも感じます。

このインタビューを読むことで、自分らしさについて考察するきっかけとなったり、誰もがイマジネーションを現実化することは可能なのだと、強く思うことができたなら、こんなに嬉しいことはありません。

創造の源泉に触れるために

インタビューは、業界で活躍するファッションデザイナーが登場する「DESIGNER INTERVIEW」、ファッション・アパレル業界外のデザイン領域や建築領域などで活躍するトップランナーが登場する「TOP INTERVIEW」の2種類。

各初回として、森川拓野「TAAKK (ターク)」デザイナーと建築家・青木淳のインタビューを掲載している。

今後も定期的に更新される予定。業界内外のクリエイションに対する知見を深めるためにもぜひフォローしてみてほしい。

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DESIGNER INTERVIEW: TAAKK 森川拓野

国際ファッション産学推進機構

「DESIGNER INTERVIEW」初回ゲストは、「LVMH PRIZE 2021」セミファイナリストに選出された「TAAKK」デザイナー・森川拓野。

イッセイミヤケ独立後ブランドを立ち上げるまでの経緯やTokyo新人デザイナーファッション大賞(プロ部門)受賞以降のブランド展開についてなど、そこでの悲喜交々の経験を赤裸々に語っている。

― ブランド立ち上げ初期は、とにかく人に見てもらう必要があるから、展示会が命ですよね。森川さんは人間関係にも恵まれていますね。他の媒体でのインタビュー記事を読むと、「チーム」という言葉が出てきます。

結局最後に助けてくれるのは、人間関係だと思う。デザイナーなんて何も出来ないから。だって自分で縫うわけじゃないし、パターンを引くわけでもない。指示はもちろん自分でするけど、一人でできることの限界ってやっぱりある。今は妻もいるし、アシスタントもいるし、いろんな人が支えてくれている。はたから見たら「ターク」って森川のことだけど、僕からすると森川じゃない。それこそショーをやるってなったら演出の人がいるし。音楽作ってくれる人には、次のシーズン(22SS)に向けてコンセプトだけ伝えて、アトリエで流す音楽まで作ってもらったりしています。そういった大きな支えがあって、初めてお洋服になるけど、今そういうことが言える環境になって良かったなって思ってます。最初は僕しかいなかったし。全部一人でやってた。

DESIGNER INTERVIEW: TAAKK 森川拓野

森川拓野(もりかわたくや)・・・

1982年神奈川県出身。 文化服装学院卒業後、株式会社イッセイミヤケに入社。 「ISSEY MIYAKE(イッセイミヤケ)」「ISSEY MIYAKE MEN(イッセイミヤケメン)」パリ・コレクションの企画デザイン担当などを経て 2012年独立。森川デザイン事務所を設立し、自身のブランド「TAAKK(ターク)」を立ち上げた。13年にTokyo新人デザイナーファッション大賞(プロ部門)受賞。LVMH PRIZE 2021セミファイナリスト選出。

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TOP INTERVIEW: 建築家 青木 淳

国際ファッション産学推進機構

「TOP INTERVIEW」初回ゲストは、有名ブランドの店舗設計を数多く手がけてきた、ファッション・アパレル業界に所縁のある建築家・青木淳。

2021年3月にオープンした「ルイ・ヴィトン 銀座並木通り店」の意匠解説にはじまり、コロナ禍以降に気づいたチームで取り組むクリエイションのあり方、サステナビリティとデザインなど広範な議題に展開。近隣領域ゆえの示唆に富んだ内容となっている。

― ファッションの世界でも、サステナビリティという考え方を無視することは出来ない状況になってきています。同時に、サステナビリティの本質についても、議論がされ始めました。

あるとき突然、価値が高まり、ピークを迎え、あっと言う間にその価値が暴落するファッションは、変な比喩かもしれないけれど、生鮮食料品のようですね。たしかに、そのサイクル自体を「デザイン」する必要があるような気がします。
建築も、サイクルのスパンはファッションと比べてずっと長いけれど、建設され、最後は朽ちるか、解体されるというサイクルのなかにあることには変わりません。日本はずっとスクラップ・アンド・ビルドでやってきました。たしかに、第二次世界大戦で焼け野原になってしまっては、白紙の上に新しい空間をつくらざるをえなかったというところはあったでしょう。でも1970年くらいには、それで国土はほぼ飽和しました。とりあえず僕たちの周りは埋まったんです。だからそこからは、何を「つくるか」ではなく、目の前の情景をどう「変えるのか」、というふうに視点が変わってくるはずでした。そこに、すでに環境がある。それをないものと捉えるのではなく、その環境の存在を前提として、さてそれをどう変異させるか、という課題の立て方ですね。既存環境を壊して建て替える、というのは、そのひとつの答えではあるけれど、今そこにあるものを改修して使うこととちゃんと天秤にかけてみた上でのことでなければなりません。機能と合わなくなったから壊すというのは答えにはなりません。だって、機能に完全に答えられた建築を新しくつくれば、それがぴったりしていればいるだけ、将来的にはより決定的に機能と合わなくなることは、明らかだからです。美術館としてつくったものが、レストランとして改修されるというようなことは、その空間自体に魅力が備わっていたときにはじめて起きること。そして、その空間がいろいろな使われ方に対して寛容である、というか、まだ見えてきていない関係性に向かって開いていなくちゃいけません。

TOP INTERVIEW: 建築家 青木 淳

青木淳(あおきあつし)・・・

1956年神奈川県出身。91年に青木淳建築計画事務所設立。 住宅や公共建築をはじめ、国内外の有名ブランド店舗を手がける。最新作に「京都市京セラ美術館」(西澤徹夫と共同設計)、「ロロ・ピアーナ銀座店」「ルイ・ヴィトン銀座並木通り店」などがある。主な著作に『原っぱと遊園地―建築にとってその場の質とは何か』(2004年、王国社)『フラジャイル・コンセプト』(2018年、NTT出版)。99年に日本建築学会作品賞、2004年に芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。

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文化学園国際ファッション産学推進機構とは

文化学園国際ファッション産学推進機構は、ファッション・アパレル業界全体の人材育成を目的として、2011年7月設立に学校法人文化学園内で設立された団体。ファッション・アパレル業界を志望する学生と業界をつなぐ産学連携事業、若手ファッションデザイナーのサポート・育成事業、インキュベーション事業などを展開。

文化学園国際ファッション産学推進機構


秋吉成紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

ライター・編集者。1994年東京都出身。2018年1月から2020年5月までファッション業界紙にて、研究者インタビューやファッション関連書籍紹介記事などを執筆。2020年5月から、ファッション・アパレル業界特化型求人プラットフォーム「READY TO FASHION」のオウンドメディア「READY TO FASHION MAG」「READY TO FASHION FOR JINJI」の編集チームに参加。傍ら、様々なファッション・アパレル関連メディアを中心にフリーランスライターとして活動中。

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