セカンドラインとは

セカンドラインとは、ハイブランドなどにカテゴライズされるブランドが普及版の商品を取り扱う、メインのブランドよりも低価格帯で展開するブランド・ラインのことです。ディフュージョンブランドと呼ばれることもあります。

セカンドラインの目的

セカンドラインは、メインのブランドとは異なる消費者層への訴求を目的としています。メインブランドとは異なるコンセプトから、若年層などの新規市場開拓・顧客拡大のために設けられることが一般的です。

また、メインのブランドの認知拡大とそのブランドが持つ知名度を活用する意図で、メインのブランドに関連する名称が与えられることが多い傾向にあります。本来のブランドイメージを維持しつつ、素材の品質を抑え作業工程を簡略化するなどして低価格での販売を実現しています。

近年では、WEB領域の発展により、広告やレコメンド機能などのより直接的に消費者に訴求しえる手法が発達しているため、新規市場開拓や認知拡大を目的としていたセカンドラインを廃止するブランドが増加傾向にあります。

セカンドラインとライセンスブランドとの違い

比較的安価でありメインのブランドに関連する名称が与えられているため、ライセンスブランドがセカンドラインと混同されることもありますが、セカンドラインはメインのブランドを展開する同一企業が運営している一方、ライセンスブランドはメインのブランドを展開する企業とは別の企業が運営しているため大きく異なります。

ライセンスブランドとは、企業・ブランドが持つ商標やデザイン、製品、技術の使用・生産・販売に関する権利の使用許諾=ライセンスを取得した別企業が展開するブランドのことを指します。セカンドラインとライセンスブランドは、運営する企業によって分けられます。

セカンドラインの具体例

MIU MIU

「MIU MIU(ミュウミュウ)」は1993年に「PRADA(プラダ)」の姉妹ブランドとして創業されたブランドです。創業者マリオ・プラダ(Mario Prada)の孫であるミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)により創業されており、そのブランド名はミウッチャ・プラダの愛称からとられています。

POLO RALPH LAUREN

「POLO RALPH LAUREN(ポロ ラルフローレン)」は、「RALPH LAUREN(ラルフローレン)」のセカンドラインです。「RALPH LAUREN」よりもカジュアルなテイストのアイテムが多い傾向で、メインブランドである「RALPH LAUREN」と同程度の知名度を誇ります。

EMPORIO ARMANI

「EMPORIO ARMANI(エンポリオ・アルマーニ)」は、「GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)」のセカンドラインです。コレクションブランドである「GIORGIO ARMANI」が高価格帯のアイテムを多く揃える一方で、「EMPORIO ARMANI」は比較的安価なアイテムを取り扱っているため、若年層にも支持されています。

セカンドラインの使用例

A「アルマーニじゃん。結構高かったでしょ?」

B「これは『EMPORIO ARMANI』。セカンドラインだから比較的安かったよ」


そのほかにも知ってそうで知らないアパレル用語を解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

また、アパレル・ファッション業界に特化した「READY TO FASHION」では、2,000件以上の求人情報の中から新卒や中途、アルバイト、副業などの雇用形態のほか、多種多様な職種・業種軸で自分にあった仕事を探せます。

さらに詳しく

秋吉成紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

ライター・編集者。1994年東京都出身。2018年1月から2020年5月までファッション業界紙にて、研究者インタビューやファッション関連書籍紹介記事などを執筆。2020年5月から2023年6月まで、ファッション・アパレル業界特化型求人プラットフォーム「READY TO FASHION」のオウンドメディア「READY TO FASHION MAG」「READY TO FASHION FOR JINJI」の編集チームに参加。傍ら、様々なファッション・アパレル関連メディアを中心にフリーランスライターとして活動中。

THEME