セレクトショップの概要から、業務内容、求められるスキルや素質、必要/有利な資格、キャリアプラン、求人情報までを紹介します。

ファッション・アパレル業界の業種を徹底解説する連載シリーズ「アパレル業界業種ガイド」。

ファッション・アパレル業界への就職・転職を検討されている方は必見です。

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セレクトショップとは?

セレクトショップ

セレクトショップとは、コンセプトに沿って複数の他社ブランドの商品を仕入れ、販売する業種のことです。以前はインポートショップとも呼ばれ、海外の製品を日本に輸入し、販売する形態が一般的でしたが、現在のセレクトショップは、国内外やブランドの知名度問わずコンセプトに沿ったハイセンスな商品をセレクトし販売しています。

セレクトショップの運営規模も、大手企業から個人経営までと様々です。

大手企業は、ファッションビルなどに入っているセレクトショップもあるため、幅広い年齢層に向けた商品・ジャンル展開がされており、多くの人にとってセレクトショップがより身近で、手に取りやすい存在となりました。

一方で個人経営のセレクトショップなどでは、まだ日本で広く浸透していないような海外のブランド商品など、よりコアな客層に向けた商品展開もされています。

運営規模に限らず、セレクトショップは他のブランドの商品を選ぶことで、それぞれのショップのコンセプトやテーマを打ち出しているのが特徴と言えます。

アパレル小売の業種に含まれるのがセレクトショップです。アパレル小売とは、ファッション・アパレル業界のアパレルメーカーや卸売業者などから仕入れた商品を消費者に販売する業種のことです。

アパレル小売産業では、リアル店舗で販売する店舗小売業とECを主力とした無店舗小売業に分けられ、店舗小売業は、さらに総合小売業と専門小売業に分けることができます。

専門小売業の区分として、カジュアル・スーツ・アイテムなどがありますが、近年では、これらに区別できない専門店小売業が増加しており、セレクトショップもその一つと言えます。

また、アパレル小売の中でも店舗ごとの違いが見られるのが、百貨店とセレクトショップに共通しています。

百貨店は、売れた時点で仕入れ扱いとなる消化仕入れが主流で、売れ残りなどのリスク回避や仕入資金の節約ができますが、独自の売り場運営ができない場合があります。

反対にセレクトショップは、商品を買い取ることで仕入れる買取仕入れの方法をとっています。そのため、百貨店とは異なり独自の品揃えや空間・サービスでショップイメージを創出しているのが特徴です。

最近では、プライベートブランド=セレオリと呼ばれる、セレクトショップが自社で企画・生産を行うオリジナルブランドを展開する業態も増えています。

買い付けで不足する商品を販売することができる他、利益率も高く、提案したいスタイリングを構成できます。そのため、大手セレクトショップの大半が、このようなオリジナル商品を手掛けており、オリジナル商品の占める比率も高まっているのが現状です。

また、トレンドを重視したオリジナル商品を展開したことによる、セレクトショップの同質化から脱却し、差別化を図るために、多くのセレクトショップではファッションアイテムだけでなく、ライフスタイルに関わる商品も取り扱っています。セレクトショップは、ファッション・アパレルという枠を超えて、成長を図っています。

セレクトショップの代表的な企業

「UNITED ARRWOS (ユナイテッドアローズ) 」

創業は、1989年。国内最大手のセレクトショップで、国内外からセレクトしたカジュアルなスタイルからフォーマルまでの幅広い商品や自社のオリジナルブランドの商品をミックスして販売しています。

「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS(ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ)」、「UNITED ARROWS green label relaxing (ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング)」、「6(ROKU)(ロク)」など人気を集めるブランドを展開しています。

「BEAMS (ビームス) 」

1976年に、アメリカンカジュアルの専門店として創業開始。「アメカジ」をベースとしたカジュアルな商品展開から、自社のオリジナルブランド・雑貨まで多様な商品展開が特徴です。

「こどもビームス」や「ビームス ゴルフ」、「Bギャラリー」、「ビームス レコーズ」など、子供服・スポーツウェアからアートやカルチャーに関するまで幅広い年齢層、ジャンルにアプローチするオリジナルブランドを展開しています。

「 BAYCREW’S(ベイクルーズ) 」

新ブランドも次々に誕生しており、ファッションだけでなく、食やインテリアなどライフスタイル全般に関わる事業を展開し、37を超えるブランドを持ちます。

上質なディテールで洗練されたスタイリングを提案する「IENA(イエナ)」やスタンダードとトレンドをミックスしたスタイルの「JOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)」は、広く人気を集める主力ブランドです。

セレクトショップの仕事内容

セレクトショップ

セレクトショップの実際の業務内容を紹介します。

企業によって内部構造が異なるので、一般的な業務の一部を挙げていきます。

バイイング

バイイングは、生産元から店舗に並べる商品を買い付ける業務です。

セレクトショップでのバイイングは、数あるブランドの中から、自社のコンセプトに合った商品を見つけるだけでなく、トレンド予測やショップのお客様の需要、過去のデータなども考慮し、商品を買い付けていきます。

また、各ブランドが開催する展示会に参加し、商品を買い付ける場合もあります。高いセンスだけでなく、買い付けはシーズンの約半年前から行われるので、正しい需要の予測なども必要とされます。

【関連する職種】
バイヤー
マーチャンダイザー(MD)
アパレル生産管理(プロダクトマネージャー)

マーチャンダイジング

マーチャンダイジングとは、マーケットやトレンドの分析、商品の企画・開発から予算計画、販促までを行う業務のことです。あらゆる業務に関わるのが特徴で、商品について全責任を負います。

マネージャーなどと連携して市場調査を行い、デザイナーからの提案をもとに商品を計画し商品化が決まると、細部のデザインを詰めていき、バイヤーなどと資材の仕入れや計画、生産体制などをまとめていく幅広い業務です。

【関連する職種】
マーチャンダイザー(MD)
マーケター
ファッションデザイナー

販売

販売は、店頭に立ち接客・販売などを主に行います。商品を販売する以外にも、在庫の管理や売り場作り、顧客管理など多くの業務があります。

接客に加え、一日を通しての立ち仕事や検品作業での力仕事では、ある程度の体力も必要です。

また、国内外のファッションアイテムに限らず、幅広いジャンルの商品が並ぶことも多いセレクトショップには、ニッチな商品を求めている人も少なくないです。そのため、どんな客層にも接客できる豊富な商品知識やコンセプトへの深い理解なども必要になってきます。

【関連する職種】
アパレル店員
アパレル店長
スーパーバイザー(エリアマネージャー)

商品広報・宣伝

雑誌や広告媒体、SNSなどを通して、商品のPRや販売促進を行う業務です。雑誌などメディアに商品を貸し出すだけでなく、プレス(PR・広報)の方が出ることもあり、会社の顔になる仕事です。

その反面、裏では商品サンプルの管理や雑誌に掲載される原稿のチェック、プレゼン資料の作成のような事務作業など幅広い業務も伴います。

また、基本的なPCスキルに加え、多くの人に商品をPRする仕事のため、社外の人とも人脈を作れるような社交性やコミュニケーション力も求められます。

【関連する職種】
プレス(PR・広報)
アパレル営業
アパレルEC運営

営業

販売先への納品やクレーム処理、在庫管理などの取引に関する一般業務だけでなく、優良小売店とのパイプ強化、新規取引先の開拓など、商品をスムーズに販売するために多くの業務もセレクトショップでは発生します。

大手セレクトショップの営業では、ショップの入っている百貨店やファッションビルの担当者とのコミュニケーションや交渉をする業務も行います。取引先への対応次第で売上が左右されるため、高い顧客満足度を目指すためにも的確な商品知識と情報提供力が必要とされます。

【関連する職種】
マーケター
アパレル営業
デジタルマーケティング

生産管理

生産管理とは、商品化計画を実施している企業において、生産に関する予測・計画・統制を行う業務のことです。

工場の選定から素材の調達、納期管理など生産するための全ての工程を管理する非常に重要な業務です。

計画力だけでなく、社外の多くの人とも関わる業務であるため、コミュニケーション能力や交渉力なども求められます。

【関連する職種】
アパレル生産管理(プロダクトマネージャー)
ディストリビューター(DB)

店舗設計・VMD

VMDとは、店舗の内装やレイアウト、ディスプレイの指示や管理など視覚的なマーチャンダイジングを行う業務です。

売れ筋商品の陳列方法やウィンドウディスプレイは、店舗での売上に直結します。

トレンドや市場、売り上げの分析をしながら、いかにお客様の目を引いて、魅力的に感じてもらうかも重要になってくるため、「売ること」と「見せること」を同時に考えることが求められます。

視覚情報が重視される昨今において、重要度は年々高まっています。

【関連する職種】
VMD
マーケター
デジタルマーケティング

EC運営

ECサイト・ECモールでの運営業務を行います。

一般的には、サイト上で商品を販売するための撮影や、お客様対応を行うことを主な業務としている企業・ブランドが大半です。

サイトの管理や商品管理、販促、アフターサポートなども行うため、情報分析能力や顧客対応能力、WEBサイト運営の知識などが必要になってきます。

【関連する職種】
アパレルEC運営
SNS担当
デジタルマーケティング

商品企画・デザイン・製造

ファッションデザインは、服のデザイン・アイディアを出す業務です。

セレクトショップでは、オリジナルブランドを展開しているショップも非常に多いため、デザインなどに関する業務も行っている場合が多いです。

また、素材メーカーやアパレルメーカーでは、テキスタイルのデザインをメインに行う業務もあります。多種多様な繊維を素材とし、織りや編み、刺繍などの技術と生地の染め、仕上げ加工などの技術を用いて行います。

【関連する職種】
ファッションデザイナー
テキスタイルデザイナー
パタンナー

セレクトショップのやりがい

セレクトショップ

セレクトショップで働く上でのやりがいを紹介します。

お客様からの嬉しい反応

まず最初に挙げられるのが、「お客様に満足してお買い物をしていただいた時」のやりがいです。

多くの場合、セレクトショップに就職すると店頭での接客・販売の業務を経験します。

自分がおすすめした商品をお客様が購入してくださるだけでなく、「あなたに選んでもらえてよかった」と言われたときや、実際に再来店してくださったときなども、一つ一つの喜びがやりがいに繋がります。

店舗でのお客様とのコミュニケーションが、さらにモチベーションをアップさせ、日々の原動力になるでしょう。

売上などの目標達成

アパレル店員に限らず、マーチャンダイザー(MD)やプレス(PR・広報)、バイヤーなどセレクトショップに関わる全てのポジションで、売上など数値で表れる結果も大切になってきます。

努力した結果が、日々の数値に表れることで、さらなる活力が生まれます。

個性を活かせる

それぞれのコンセプトやスタイルを突き詰めているセレクトショップだからこそ、自分の個性を活かしたスタイルや提案をすることができます。

単一ブランドを扱うアパレル小売などとは違い、様々な国内外の商品を扱うことによって、自分自身の表現の幅や、お客様に提案できるスタイルの幅もぐんと広がるのが、セレクトショップで働く醍醐味です。

セレクトショップで働くために求められるスキル・素質

アパレル 業種

セレクトショップへの就職・転職する上で、求められるスキル・素質を紹介していきます。

センス/ファッションに関する知識

セレクトショップの販売をする中で大切なことは、商品に対する知識の豊富さと理解の深さです。

インポートの商品やライフスタイルグッズを扱うセレクトショップでは、ある程度、商品知識のあるお客様が多いため、表面的な知識だけではアパレル店員としての役割を果たすことができません。

そのため、日々のトレンドやカルチャーに敏感になりセンスを磨き、商品に対する理解を深めることが必要になってきます。

また、ファッション・アパレル企業での選考時には、その時のスタイリングや、一次面接から最終面接までのスタイリングの変化も見られていることがあります。

その人らしさが分かるか、店頭に立つイメージができるか、などを人事が考慮していることもあるため、普段から自分自身のスタイリング研究などをしておくと良いかもしれません。

コミュニケーション能力

どんな仕事でもコミュニケーション能力は大切ですが、セレクトショップでの業務では特にこのスキルが重要になってくるのではないでしょうか。

アパレル店員はもちろん、マーチャンダイザー(MD)やプレス(PR・広報)、バイヤーなどでは、他部署や取引先の企業などでのやりとりも多く、コミュニケーション能力の高さが必要になってきます。

また、自身のスキルアップのためにも日々社内の人とコミュニケーションをとり、意志を言語化できることも強みになってくるのではないでしょうか。

PCスキル

マーチャンダイザー(MD)などの職種では分析業務などがあり、エクセルなどのPCスキルが必要になってきます。

またプレス(PR)でも、商品サンプルの管理や掲載される雑誌の原稿チェックなどの事務作業も多いため、基本的なPCスキルや知識が必要とされます。

英語スキル

バイヤーは、海外での商品の買い付け業務など行うため、英語のスキルもあると最大限に能力を活かすことができます。

また、海外にも店舗を持つセレクトショップや、海外企業とのやり取りがあるセレクトショップだと、さらに英語スキルを活かせます。

アパレル店員の経験

現場でお客様と直接関わることによって、ニーズやお客様の反応などに直接触れることができ、また店舗で商品がどのように管理販売されているのか、詳細な流れも知ることができます。

ファッション・アパレルのどんな職種でも、「お客様が必要としている商品を届ける」ことは共通して根幹にあります。

そのため、販売職以外の仕事に就きたい場合でも店舗で培ったスキルが大切になってくるので、アパレル店員のアルバイトなどをしておくと、より業界のことを知ることができます。

マーチャンダイザー(MD)やプレス(PR・広報)などのアシスタントとしての経験や本社での他業務

マーチャンダイザー(MD)やプレス(PR・広報)、バイヤーなどの職種に就きたい場合、高度な専門スキルや能力を必要とすることが多く、未経験でこれらの職種に就けることはほとんどありません。

それらの職種に就きたい場合、アパレルの販売職やマーチャンダイザー(MD)やプレス(PR・広報)などのアシスタントとしての経験が必要になってきますが、アパレル店員を経てから本社勤務となり、マーチャンダイザー(MD)やプレス(PR・広報)の職種につく場合もあります。

セレクトショップで働くために必要/有利な資格

アパレル 業種

セレクトショップへの就職・転職する上で、必要な資格と有利になる資格を紹介していきます。

パーソナルカラーリスト検定

今、注目を集める「パーソナルカラー」ですが、自分に似合う色のアイテムを求めて来店されるお客様も少なくありません。

色彩検定とは異なり、パーソナルカラーリスト検定では、その人に合う色彩に特化した内容であると言えます。

「似合う色が分からない」と悩むお客様に対しても、専門的な側面からアドバイスすることができるようになります。

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パーソナルカラーリスト検定

色彩検定

色に関する基礎的な知識や、配色の技法について学ぶことができる検定です。色彩の観点から、アパレルに活かせる論理的なスキルや知識を習得できます。

この検定は、照明やインテリアに関わる色彩も扱われるため、ライフスタイル商品も扱うセレクトショップでは、より役立つスキルになるのではないでしょうか。

簿記などの公的な資格と同じなので、履歴書に書いてアピールすることもできます。

色彩系の検定では他にも「ファッション色彩能力検定」などがあります。

【応募サイト】
色彩検定

ビジネス実務マナー検定

ビジネスシーンで求められる常識やマナーが問われる検定です。

ビジネスパーソンとして求められる適切な判断・行動・マナーなどが身につけられるため、ファッションの現場でも活かすことができます。

選考時にアピールできるだけでなく、現場でのコミュニケーションで自信も持てるようになります。

【応募サイト】
ビジネス実務マナー検定

セレクトショップで働くためのキャリアプラン

アパレル 業種

新卒募集しているセレクトショップもあるため、それらの企業の選考を受け、入社することがセレクトショップで働くための一般的なキャリアプランです。

そうは言っても、就職してすぐに自分のしたい職種に就くことは難しいのが現状です。

マーチャンダイザー(MD)やプレス(PR・広報)などアシスタントについて経験を積める場合もありますが、経験者採用でない場合には、まず店頭に立ち、販売職からスタートすることがほとんどです。

アパレル店員として経験を積むことで、お客様と関わり合っていく中でファッション・アパレルの現場を知ることができます。

現場を知るということは、決して回り道ではなく、大切なスキルです。与えられた仕事を全うし、結果を出すことがキャリアアップへの近道になります。

ただ、面接や内定後など「自分はこの職種に就きたい!」という意志や熱意を人事担当の人や店長などに伝え、意思表示をしておくと自分の気持ちが伝わりやすいかもしれません。

販売のスキルだけでなく、コミュニケーション能力やファッションへの熱量なども大切になってきます。目標の職種に就けるように、できることからコツコツと経験を積んでいきましょう。

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【参考文献】
「ファッション辞典(第4版)」(大沼淳、萩村昭典、深井晃子 監修、文化出版局、1999)
「増補新版 図解服飾用語辞典」(杉野芳子 編著、ブティック社、2003)
「1秒でわかる!アパレル業界ハンドブック」(佐山周、大枝一郎、東洋経済新報社、2011)
「ファッション業界大研究[第2版]」(ファッション&ソフトマーケティング研究会 編著、産学社、2019)
「ファッション業界大研究【改訂版】」(オフィスウーノ 編、産学社、2008)
「アパレル素材企画 プロフェッショナルガイド」(野末和志、繊研新聞社、2019)
「役に立つアパレル業界の教科書」(久保茂樹、文芸社、2016)


三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年生まれ。READY TO FASHION MAG でインターンとして活動中。学生時代は、学生団体 「Uni-Share」 にてフリーマガジンの刊行、青山学院大学服飾サークル 「AOYAMA FASHION ASSOCIATION」 にてPR として活動していた。

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