• 【プロジェクトストーリー#1】未来を切り開く、フロンティア精神あふれる開拓物語

    失われた7億円の売上。それは、終わりではなく「始まり」の合図だった。
    毎年、約7億円。それは、私たちが何もしなければ、既存の取引の中から
    静かに消えていく売上の額です。変化の激しいアパレル業界において、
    これは避けることのできない現実かもしれません。

    しかし私たちは、この数字を単なる「危機」とは捉えませんでした。
    これは、守りの姿勢を脱ぎ捨て、未知の市場へと自ら漕ぎ出すための
    「号砲」なのだと。

    これは、逆境から、新たな成長軌道を描き出した、私たち丸久の挑戦の物語です。

    ■ 突如、大黒柱は折れた。
    2010年頃、丸久は創業以来の大きな岐路に立たされていました。
    当時のビジネスの根幹を支えていた大手GMS(総合スーパー)が資本吸収され、
    長年かけて築き上げた大阪の主要な仕入れ窓口が、その機能を事実上
    ストップしたのです。

    子供服の「企画力」を最大の武器としていた当時の私たちにとって、
    GMSとの取引はまさに大黒柱。それを突然失うことは、
    会社の未来を根底から揺るがす一大事でした。
    社内には静かな動揺が走り、追い打ちをかけるように、
    少子化という抗いようのない時代の波もすぐそこまで迫っていました。

    ■ 絶望の淵で、一人の男が見た光。
    この物語の中心には、当時、大阪の最前線にいた一人の社員がいます。
    彼は、会社の危機を前にしながらも、GMS中心のビジネスモデルに対して、
    冷静な視線を向けていました。
    「多大な工数をかけても、得られる利益は決して大きくない」。
    この構造的な課題を、肌で感じていたのです。

    だからこそ、彼の胸に宿ったのは絶望ではなく、
    「会社は、今こそ変わらなければならない」という強い使命感でした。
    現状維持は、緩やかな死を意味する。
    彼は、これまでの成功体験という名の“鎧”を脱ぎ捨て、
    新たな活路を求め、たった一人で未知の市場の扉を叩き始めます。

    彼が目指したのは、当時まだ小規模ながら、確かな熱量で勢いを増していた
    「専門店」。売上の柱を失った閉塞感の中、会社の未来をその両肩に背負い、
    営業の軸足を180度転換するという、大胆な決断を下したのです。

    ■ 新たな心臓部。バングラデシュ工場が、会社のDNAを変えた。
    彼の孤独な挑戦を、全社的な躍進へと変える大きな転機が訪れます。
    バングラデシュにおける自社工場の設立です。

    これは、単に生産拠点を海外に移したという話ではありません。
    会社の強みそのものが、「企画力」という一点突破の矛から、
    「品質とコストを両立する、盤石な生産背景」という強固な盾を
    兼ね備えたものへと、大きく進化した瞬間でした。

    専門店が求める、より独自性の高いデザイン。小ロットへの柔軟な対応。
    そして、シビアなコスト感覚。
    そのすべてに、自社工場という新たな心臓部が力強く応えました。
    彼が最前線で掴み取ってきた専門店の細やかな要望に、
    自社の生産背景が完璧に応える。この理想的な連携が生まれた時、
    丸久の反撃の狼煙が上がりました。

    この経験を通じて、私たちのDNAは大きく変わりました。
    「市場が縮小するなら、新たな市場を自分たちで創ればいい」。
    そんな開拓者精神が、全社員の心に深く、深く刻み込まれたのです。

    ■ ヒーローはいない。いるのは、部門を超えた「仲間」だけだ。
    丸久の挑戦の歴史は、決して一人のヒーローによって作られたものでは
    ありません。
    その根底には、部門や役職の垣根を軽々と飛び越える、
    驚くほどの「団結力」があります。

    かつて部門間にあった見えない壁は、情報共有ツールなどを
    きっかけに取り払われました。
    今では、それぞれの専門知識や情報をオープンに共有し、
    全員で一つの目標に向かうのが当たり前の光景です。
    もし不良品が発生すれば、担当部署だけでなく、
    手の空いている社員が自然と集まり、全社で検品や修正作業にあたる。
    そんな光景が、私たちの日常です。

    「誰かが困っていたら、みんなで助ける」。
    このカルチャーこそが、一人ひとりの社員が失敗を恐れずに挑戦できる、
    何よりのセーフティネットとなっています。

    ■ この物語に、終わりはない。次のフロンティアを、共に拓こう。
    開拓者精神と団結力。
    この2つのDNAは、今もなお、次なる挑戦へと私たちを突き動かしています。
    ECという新たな販路の開拓、スポーツやアウトドアといった高機能性が
    求められる新領域への進出、そしてヨーロッパをはじめとする海外市場への挑戦。さらには、糸一本から開発する機能性素材の追求まで、
    私たちの歩みは止まりません。

    アパレル業界に「安定」という言葉はないのかもしれません。
    しかし、変化が激しいからこそ、自らの手で市場を創り出し、
    会社の未来を切り拓いていく、何物にも代えがたい面白さがここにはあります。

    私たちが今、心から求めているのは、現状に満足せず、自らの頭で考え、
    失敗を恐れずに行動できる仲間です。自分自身に健全なプレッシャーをかけながら、周りを巻き込み、挑戦そのものを楽しめる人。
    私たちが持つ生産背景という強力なエンジンと、
    幾多の困難を乗り越えて培ってきた開拓のノウハウは、
    あなたの「やってみたい」を全力で後押しすることを約束します。

    この物語の、次の1ページを共に創る。
    そんな、新たなフロンティアの登場を、私たちは心から待ち望んでいます。

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