「タイガタカハシ」の日本デビューとなる2021年秋冬コレクションは、「時間を感じる服」がテーマ。1910〜50年代のアメリカンヴィンテージを中心に、昔はどのように服が作られていたかという考古学的な視点で、日本の伝統技術や天然素材を使い、現代で追体験しようというアプローチで作られています。例えば、1920年代のアメリカ製サックスーツをベースとしたジャケット「DB Sack Suits」(7万3000円〜)は、ストレッチ性のある生地が流通していなかった当時、背中の可動領域を広げるために取り入れられていたアクションプリーツをバックやポケットにデザイン。生地は、1910年代の第一次世界大戦時に米軍が使用していたものを再現しています。
服の歴史への造詣が深く、ヴィンテージの服を数千着所有するほどのコレクターでもあります。「これほど素晴らしい服がすでに存在する中で、全く新しいものを生み出す必要はあるのだろうか」という疑問から、これまでに作られてきた服の数々に目を向けてきました。
2021年秋冬コレクションでは、糸からオリジナルで作ったり、伝統技術を用いるなど細部までこだわりが光る。例えば、1930年代のアメリカ製カーコートをベースとしたレザーコート「Automobile Coat」。ベジタブルタンニングを施した後、一枚ずつ手作業で奄美大島に伝わる「泥染」をした馬革を使用しています。