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お客様本位を追求しより良いサービスを。ECカンパニーゆえのシステム開発の誇り
シュッピンでは、カメラの売買価格改定をAIで自動化する「AIMD」を2021年に導入。セグメント利益135.7%を達成するなど、会社の急成長に大きく貢献しました。開発をリードしたメンバーが、プロジェクトを通じて大切にしてきた想い、新たなシステム基盤を構築して見えたECカンパニーとしてめざす姿を語ります。
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【AIプライシングシステムを導入。「AIMD」が開く中古カメラ市場の新たな扉】_シュッピンは、中古カメラの売買価格を自動設定するダイナミック プライシング システム「AIMD」を2021年3月にリリース。販売価格の改定回数が大幅に増加したことで、セグメント利益が前年同期比135.7%を達成しました。
この開発プロジェクトをリードしてきたのは、情報システム本部副本部長を務める松崎、システム開発部部長の二見。そして当時営業本部サイドから見ていた吉川(現:システム開発部)。この3名が同システムの目的と開発の背景について次のように説明します。二見:「AIMD」は、AIを活用して中古カメラの買取と販売価格を需給に応じてタイムリーに自動設定するシステムです。これまで、MD(マーチャンダイジング)担当部署がさまざまなデータや経験則に基づいて販売買取価格を設定していましたが、中古商品の買取と販売価格を、よりタイムリーかつ適正にお客様に提示すると同時に、お客様数や取扱商品数、取引量の拡大を図るためにAIによる自動化を導入しました。
吉川:中古カメラの取扱商品数は非常に多く、常時数万点に上ります。そのため、人の手で買取・販売価格をタイムリーに決めるのは難しく、機会損失が発生していました。
_また、価格の迅速な変更が行えないことによる逸失利益も生じており、売買価格を自動で設定するシステム開発へのニーズが高まっていました。
松崎:マーチャンダイジングは非常に高度なスキルが求められる業務です。効率化を進める一方で、価格設定などの責任を個人ではなく組織全体が担うべきだという代表の強い想いも背景にありました。
_もちろん、リリースに至るまでの道のりは、平らなものではありませんでした。システム開発部は2度にわたってプロジェクトの中断を経験しています。
松崎:AIが答えを導き出す過程は私たちには見えません。そのため、パラメータを増やすべきなのか、計算式とAIをどう使い分けたらよいのかなど、試行錯誤しながら進めました。
私たちの目標は、単にAI技術を極めることではなく、それをビジネスとして具現化することです。3回目の挑戦でようやく、当社のビジネスを深く理解し、システムとして構築することを重視してモデル設計に取り組むベンダー、パートナー企業と出会うことができました。二見:「AIMD」の成功を受けて、2024年4月には、高級機械式時計の販売・買取価格を支援するAIシステム「AIサポートMD」をローンチしました。高級機械式時計の取引は中古カメラと比べ取引数が少なく、販売動向をつかみにくいのが特徴です。このため、「AIサポートMD」では価格の自動決定を避け、市場の動向を分析したテクニカル指標をもとにAIが予測する価格トレンドを参考にしつつ、時計市場に精通したMDが価格を決定するアプローチを採用しました。
「AIサポートMD」の導入によって市場価格変動への迅速な対応が可能になり、利益確保と損失回避が実現しています。____________________
【収益向上とワークライフバランスを実現。営業部門との連携も強化】_「AIMD」と「AIサポートMD」のリリースにこぎ着け、大きな達成感を得たと話す3人。システム導入による社内の変化や成果を、それぞれの立場から次のように振り返ります。
松崎:システム開発部門は一般的にコストがかかる部門とみなされていますが、「AIMD」の運用開始後、代表から「システム部門も収益を上げる部門になり得る」とメッセージをもらったことが印象に残っています。
価格設定の自動化が、適正な粗利の確保に寄与し、売上に貢献していると認められたことは、非常にうれしい出来事でした。二見:「AIMD」によって販売価格の改定回数が大幅に増加し、カメラセグメントの利益が大幅に伸長しました。システムによる効果がこれほど明確に表れたのは初めてで、大きな手応えを感じています。
吉川:社内の働き方が大きく変化したことも成果の一つです。以前は残業を気にせず仕事する人もいましたが、現在は残業時間に制限が設けられています。売上と社員のワークライフバランスを両立できていることも、今回のシステム開発の大きな効果だと感じています。
_また、システム構築には現場との連携が不可欠。社内の風通しの良さが、開発プロセスを円滑にしていると言います。
二見:営業部門がこちらからの問い合わせに快く応じ、提案の検討にも協力的なのは、オンラインビジネスに特化したECカンパニーだからこそだと思います。
営業本部出身の吉川がシステム開発部に着任したことで現場の業務への理解が深まり、現場との要件調整やシステム改修のプロセスが非常にスムーズに進むようになったことで、さらに連携が強化され、強い信頼関係を築くことができました。
コロナ禍の時期に入社し、これまで他部門とのコミュニケーション機会が少なかった私にとっても大きな収穫でした。____________________
【より安心、安全な中古品取引の実現に向けてお客様本位の理念を貫く】_大きな壁を乗り越え、業界内で注目を集める画期的な技術の開発に携わった3人。今回のプロジェクト特有の難しさについて、それぞれの立場からこう振り返ります。
二見:「AIMD」や「AIサポートMD」は、市場動向や過去の販売データなどに基づいて価格設定しています。ただし、カメラにはJANコードと呼ばれる識別コードが付与されていますが、高級機械式時計にはそれがありません。どうやって商品を識別するかが大きな課題でした。
松崎:とくに高級機械式時計は高価でレアなものも多く、私たち自身も商品や業界に関する知識が十分とは言えません。また、相場の変動やテクニカル指標など、システムの根幹をなす考え方についても理解する必要がありました。
吉川:高級機械式時計には、世界に数個しかない希少価値の高いモデルも少なくありません。数が少なくなればなるほど、商品がひとつ売れることの影響力が大きくなります。価格設定にはさまざまなトレンドを考慮する必要があるため、継続的なブラッシュアップが必要だと感じています。
_一方、シュッピンが創業以来めざしてきたのは、お客様本位の安心、安全な中古品取引。今回のシステム開発でも、その理念が貫かれていました。
松崎:システム開発の現場では、業務効率化が優先されがちです。価格設定のプロセスを合理化することがシステム化の主たる目的であることを忘れないよう心がけていました。
今後、システムの精度を高めたり、サービスの拡充に注力したりする際も、ベンダー・パートナー企業様を含むチーム全員が同じ目標を共有しながらプロジェクトを進めることが大切だと考えています。
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【システム部門が牽引するシュッピンの未来。お客様中心のイノベーションをめざして】_ダイナミック プライシング システムの開発に成功し、社内でますます存在感を高めるシステム部門。現在は一連のサービスの機能強化に取り組んでいます。
松崎:「AIサポートMD」のパフォーマンス改善に向けて動き始めているところです。価格設定の精度を向上させることが直近の目標です。「AIMD」では、対象となる製品を増やすことが目下の課題です。
_一方、未来に向けたこんな構想も。
松崎:ECカンパニーとして、主軸であるECをさらに強化していきたいと思っています。
これまでにもお客様一人ひとりにカスタマイズされたOne to Oneマーケティングを実施してきましたが、セグメントごとの情報発信やサービス提供がより容易に行える仕組みづくりを進め、サービスの拡充を図っていきたいです。_現在、シュッピンでは「EC小売企業から変革し、最先端テクノロジーを駆使し続ける『EIC(Electronic Intelligent Commerce)』企業となること」を宣言しています。それを実現するために必要なのが、志を同じくする仲間です。求める人物像について、それぞれ次のように話します。
松崎:画期的なシステムを構築する鍵となるのは、お客様のため、会社のためといった深い思いやりの心です。ホスピタリティ精神があり、挑戦意欲のある方を歓迎します。
二見:最新技術を駆使し、お客様により良い安心、安全のサービスをお届けすることが当社のシステム部門の責務です。そして、社内でもテクノロジーを積極的に活用し、社員一人ひとりの業務効率を上げることで、お客様に楽しんでいただけるコンテンツを企画する時間を創出し、お客様に還元できます。われわれシステム部門の活躍や発展はすべてお客様のためになっているんです。同じマインドやミッションを共有して仕事に取り組める方に来ていただけたらうれしいです。
吉川:当社では、「お客様本位」をモットーに事業を展開してきました。システム部門に所属していると、直接お客様と触れ合う機会は限られますが、「価値ある新品と中古品」を安心、安全にお取り引きいただくための仕組みを構築することが、私たちの役割です。
たとえば、生成AIを活用して24時間いつでもお客様からの問い合わせに的確に対応できるようになれば、業務の効率化だけでなく、お客様の満足度向上にも寄与します。そうしたカスタマーファーストの視点で、新しいサービスや機能を発想できる方と共に働けることを楽しみにしています。※ 記載内容は2024年5月時点のものです
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