【レポート】「登壇:シップス/ベイクルーズ」スター販売員の真髄とは?

2018年2月10日(土)に開催された19卒向け就活イベント『READY TO FASHION OFF LINE 002』。本イベント内で行われた、業界で活躍する様々な職種の登壇者によるパネルディスカッションの様子をレポートしていく。

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ファッション業界に足を踏み入れる時、まず基本となるのが「販売員」の仕事と言っても過言ではない。パネルディスカッション パート1では、社内外で認められた「スター販売員」として活躍する、株式会社ベイクルーズの對馬智子さん、株式会社シップスの平野範子さんをお招きし、知っているようで知らない販売員の仕事内容や、現役販売員だからこそ語れる仕事の魅力を伝えていただいた。

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販売員の一日の仕事内容とは?

「株式会社ベイクルーズの對馬智子さんの場合」

 

ほぼ毎日新作が入荷するので、検品作業や店頭に出すことも影の体力仕事。フレッシュな商品をより素敵に見せるため、ディスプレイを考える担当のスタッフもいる。いかにお客様の直感を刺激するコーディネートを見せられるかが、接客作業をスムーズにする決め手にもなる。販売業務と並行しながら毎日更新するブログの撮影、執筆もスタッフが行う。

 

「株式会社シップスの平野範子さんの場合」

店頭での接客はもちろん、一日の作業にはその他細かな業務も。お客様にDMを書いたり、他店舗のスタッフに売れ筋を聞きに行ったりも。ひたすら店頭に立つイメージが強い販売の仕事だが、より良い接客をするために必要な「材料」を仕入れるため、様々な場所へ足を運ぶ。

 

 

勤務スケジュールは夕方過ぎの来店ピークに合わせ日々変動。出勤時にはスタッフの共有ノートを確認し、前日の動きを把握。夕方以降の客入りのピークに備え、それまでに2度目の休憩が取れるようスタッフのスケジュール管理をし、最善の状態でお客様を迎える環境を作る。

また、店長としては新人スタッフとの週一回のミーティングも大切な業務。新人でもロールプレイングが上手い子はいるが、そこに技術を加えるためのサポートをする。やればやるほど身につくことしかないので、販売員にとってはとても大切なスキルだ。

 

社内外で認められる「スター販売員」って?

「株式会社ベイクルーズの對馬智子さんの場合」

四年制大学の文学部を卒業し、ベイクルーズの新卒採用第1期生として2007年度に入社。ドゥーズィエムクラス各店で販売員を勤め、2016年から現在の六本木ヒルズ店へ。

 

最前線での経験で磨き上げた「接客スキル」を最大限に活かせるものは何かと考えていた時、ベイクルーズが2016年に開始した販売員のスキルアップをサポートする社内制度「BAY☆FA制度」に応募。2000人以上いる販売員の中でも24名しかいないトップファッションアドバイザー(販売員)の一人に選ばれる。

 

「BAY☆FA制度」は販売に特化したスペシャリストを育成するための制度。筆記試験、実技試験、役員面談の3つの試験を乗り越えた者のみが手にすることができる、まさに「スター販売員」の称号。社内外における販売の価値向上も目的としている。

 

「売上を取るだけではなく、お客様への思いやりの気持ちを含めた接客ができるスペシャリストを目指す。」と對馬さん。店長やバイヤー、PRなど「販売員から何かにならなきゃいけない」といったプレッシャーから進むキャリアが限られてくる中、販売のスペシャリストのロールモデルとして活躍している。

 

「株式会社シップスの平野範子さんの場合」

 

外資系秘書の専門学校を卒業後、2001年シップスに入社。首都圏の各店を担当し、2008年にルミネスト(ルミネが主催する接客のロールプレイング大会)でゴールドを受賞。 社外でも評価される接客のプロフェッショナルに認定されたことから、店長と兼任し販売教育課 課長を務める。主に店頭のスタッフ目線での研修項目の提案や、社内で開催しているロールプレイング大会のサポート、スタッフの選出をしている。

 

販売員という仕事のやりがい

両者ともに、一番のやりがいとして「お客様に満足してお買い物をしていただいた時」が上がった。「あなたに選んでもらって良かったわ」と言われたり、実際に再来店していただいたり、その一つ一つの喜びが癖になってしまうのだそう。「目の前にはお客様がいてその来てくれた一瞬の想いだったりを家に帰った時まで続けさせること、そこまでが販売員の仕事です。」平野さんは笑顔でこう語った。

 

 

後輩育成も大きなやりがいのひとつ。自分の指導により販売の楽しさを知ったと後輩に言われることは、長年かけて培っていたものを誇れる瞬間でもある。

大変なことは、お客様の申し出に対して100%の答え出せなかった時。 それも自分の糧にして先を読む目線を身につけたりする良い経験とプラスに捉える。

 

お客様の笑顔のために何ができるのかを追求していくことは、決して楽なことではないが、アクシデントやクレームを乗り越えた先にお客様の笑顔があり、会社の成長にもつながる。大変なことがなければ楽しいこともないというところで、日々大変だけど楽しみながら仕事をしていくのが重要。

 

 

ファッション業界を盛り上げるために若者に必要なこと

口を揃えて出た言葉は「経験に変えられるものはない」ということ。学生時代のフレッシュな感覚は、まさに何十年経っても使えるスキルの原石だ。

 

「入社当初は一年半の留学で得た英語力を発揮する機会がなかったけど、今は、外国人のお客様を相手に接客をしています。学生時代の経験が時を経て役に立っているので、本当に経験が全て。学生でしかできないタイミングはたくさんあるので、海外へ行ったり気になるところへ足を運んだり、とにかく自分の五感を使って経験を積んでほしい。」と平野さん。

 

對馬さんは「コミュニケーションをとって積極性を持って動くこと。ファッションに限らず、興味があることは自分の肌で感じて、自分の言葉や意見で表現してください。就職活動でいえば、この会社に入ったらこういうことをしたいと言葉にすること。経験は目標が明確に見えてくる第一歩になります。」と語ってくれた。

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学生当人にとっては取るに足りないような経験も含め、いずれ仕事に繋がっていく出来事が、その小さな一歩の中にあるかもしれない。座っているだけでも情報が得られる時代に、あえて自分の足で見つけにいく行動力を発揮できる人材こそ、ファッション業界が求めている若者なのだ。

 

商品をお客様に手渡す最終ラインにいるのが販売員という仕事。どうしても最初の一歩として考えられがちだが、現役の販売員としてお客様の満足度をあげるということを第一に考えるお二人を見ていると、お客様一人一人に違った答え方があり、永遠に突き詰められる仕事のように思う。

 

販売にまつわる様々なWeb サービスや人工知能が発達する中で、人同士が直接コミュニケーションをとり買い物をするという場所は減っていく未来が訪れるかもしれない。だからこそお二人のような「スター販売員」の存在はファッション業界の未来を支える鍵となっていく。

 

 

【登壇者 プロフィール】

對馬智子

株式会社ベイクルーズ DEUXIEME CLASSE六本木店 ファッションアドバイザー / パーソナルスタイリスト

成蹊大学文学部卒。 2007年度新卒採用入社。入社1年目はDEUXIEME CLASSE lallureミッドタウン店配属(今はない2eのラインの店舗)  、2年目はDEUXIEME CLASSE青山店に異動。その後青山店移転に伴いMUSE de DEUXIEME CLASSE表参道店配属 。2016年からDEUXIEME CLASSE六本木ヒルズ店に異動で現職。

 

平野範子

株式会社シップス Prefer SHIPS NEWoMan新宿店 兼 販売教育課課長

新潟県出身。2001年株式会社シップス入社。 銀座、二子玉川、横浜、新宿など関東地区店舗での経験を重ね、 2008年には株式会社ルミネが主催するロールプレイング大会にてルミネストゴールドを獲得。 2015年からは販売職に従事しながらCSを中心とした販売員育成やコーチング、接客力向上を推進する販売教育部門を担当。 現在、Prefer SHIPS NEWoMan新宿店店長 兼 販売教育課課長。 趣味は休日のジム通いと料理、座右の銘は「TODAY’S THE DAY!」

 

 

Text : READY TO FASHION MAG 編集部

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