ブランド古着とは

一般的にブランド古着とは、近年発売された比較的新しいもの、かつ人気ブランドの中古品を指します。

人気ブランドの商品を割安で買えるということもあり、昨今では海外から商品を仕入れ販売する、いわゆる「古着屋」だけでなく、ブランド古着を多く取り扱う「ブランド古着店(リユースショップ)」が増えてきています。

なお、代表的なブランド古着のお店やブランド例については以下に後述します。

古着(古着屋)との違い

ブランド古着は古着のいちカテゴリーに属しますが、いわゆる「古着屋」の古着との一般的な違いは、商品の仕入先です。

古着屋は、バイヤーが海外から買い付けしてきた、あるいはインポーターから買い取ったものを仕入れることが多いです。

一方ブランド古着店(リユースショップ)は、消費者から仕入れ、販売しています。

ただし近年、古着屋も消費者から古着を買い取ったりすることもあるようです。また、馴染みのお客さんから古着を預かり、委託として販売することも多いそう。

SDGsや個人間での売買の増加などを背景とする二次流通市場の拡大により、「ブランド古着」と「古着」との境界線は曖昧になり、古着という言葉の意味も変化しつつあります。また世代によっても意味合いは異なるため、ひとくちに古着と言ってもその意味は多義的です。

なお、古着としてしばしば親しまれているヴィンテージやデッドストックについては下記の記事で解説しています。ヴィンテージとの違いも解説しているので興味のある方はご覧ください。

ブランド古着のメリット

手頃な価格で手に入る

ブランド古着は比較的新しく発売されたアイテムな場合が多いので、新しい型のものを割安な値段で購入することができます。

きちんと管理されているものが多い

ブランド古着の専門店で服を買い取ってもらう人には、ドメスティックブランドやインポートブランドなどで服を購入するようなファッション好きが多い傾向にあります。

また、将来的にアイテムをリユースショップで売ることを視野に入れている人もいるため、丁寧に取り扱っている可能性が高く、状態のいいものが多い傾向にあります。

人気で購入できなかったアイテムにも出会える

人気ブランドのアイテムやコラボ商品の場合、発売後すぐに売り切れてしまうことも少なくありません。

そのため、今は販売されていないアイテムに出会えるのはもちろんのこと、即完売してしまったような商品にも巡り会える場合があります。

再度中古市場に戻してもある程度の値が付く

中古品となっているものでも、生産数が限られていることや現時点において生産・販売されていないことなどから、ブランドの服には一定の需要があります。

そのため、ファストファッションブランドとは異なり、再度中古市場に戻してもある程度の値段が保証されています。

また、ドメスティックブランドやインポートブランドではコアなファンもいるので、そういった層に刺さる商品なども高値が付く場合があります。

代表的なブランド古着店

「RAGTAG(ラグタグ)」

株式会社ティンパンアレイが運営するブランド古着専門店「RAGTAG」。デザイナーズブランドを専門的に扱うユーズドセレクトショップです。

リユースショップ感のないセレクトショップのような佇まいの店内が特徴。またオンライン専用の在庫を保持しているほど、店舗だけでなくオンラインショップも充実しています。

そんな「RAGTAG」では、ファッション業界人とのコラボが活発。「RAGTAG」が主催するポップアップ形式のイベント「RAGTAG100 POP UP SELECTED BY…」では、同社が選んだスタイリストが30万点にも及ぶ「RAGTAG」の膨大な在庫のなかから100着をセレクトし、期間限定で販売する取り組みが行われています。過去には、スタイリストのTEPPEIやシトウレイなどが参加しています。

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「2nd STREET(セカンド ストリート)」

株式会社ゲオホールディングスが運営する「2nd STREET」。展開する店舗数は500店舗以上と業界内でもトップです。

ショップは9つの店舗タイプに分かれており、なかでも「ユーズドセレクト」のショップでは、ブランド古着を中心にバイヤーが厳選したファッションアイテムの販売買取を行っています。

原宿や自由が丘、アメリカ村などその街のスタイルに合わせたコンセプトでショップづくりを心がけているそうです。アーカイブアイテムや入手困難なレアアイテムの入荷も豊富なのが特徴です。

「RINKAN(リンカン)」

株式会社未来ガ驚喜研究所が運営する「RINKAN」。ストリートブランドやデザイナーズブランドの買取・販売を行うリユースセレクトショップです。「1.5次流通」をコンセプトとし、新品と中古のアイテムを融合させて提案する新しいスタイルで注目を集めています。

東京をはじめとして大阪や愛知など全国に店舗を展開。従来の買取店とは違い、店内がセレクトショップのような空間になっているショップです。また、セレブ層ではなく20代を中心とした層をターゲットとし、若者でも入りやすいブランド古着屋として展開しているのが、近年人気を集める理由と言えるでしょう。

ちなみに「RINKAN」は特に、シルバーアクセサリーブランドやドメスティックブランドに強みを持っています。

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ブランド古着店の違いについては、時計・バッグなどを専門に扱うお店含め以下の記事でも解説しています。気になる方はぜひご覧ください。

リユースショップの違いって、なに? 大手含む8社の特徴を解説

ブランド古着のブランド代表例

ここでは、業界大手のセカンドストリートが2022年に発表した販売数量ランキングを参照しています(参照:セカンドストリート、2022年上半期ランキングブランドランキング<ファッションブランド>)。下記ラインナップを見れば、ブランドの古着の定義としてあった「人気ブランド」ということの意味がつかめるはずです。

ファッションブランド

  • 1 THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)
  • 2 Supreme(シュプリーム)
  • 3 Levi’s(リーバイス)
  • 4 Patagonia(パタゴニア)
  • 5 DIESEL(ディーゼル)
  • 6 Columbia(コロンビア)
  • 7 STUSSY(ステューシー)
  • 8 POLO RALPH LAUREN(ポロ ラルフローレン)
  • 9.MICHAEL KORS(マイケル・コース)
  • 10 Carhartt(カーハート)

ラグジュアリーブランド

  • 1 COACH(コーチ)
  • 2 LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)
  • 3 GUCCI(グッチ)
  • 4 PRADA(プラダ)
  • 5 HERMES(エルメス)
  • 6 Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ フェラガモ)
  • 7 Christian Dior(クリスチャン・ディオール)
  • 8 CHANEL(シャネル)
  • 9 CELINE(セリーヌ)
  • 10 FENDI(フェンディ)

その他の古着に関する言葉と意味

ユーズド古着:リユースショップで取り扱う中古品のこと。同じ意味の語が連なっていますが、古着の種類や違いを分類するために作られたアパレル用語です。

インポート古着:主にアメリカやヨーロッパなど海外から輸入された古着のこと。アメカジやトラッド、ミリタリーなどジャンル豊か。

デッドストック古着:古い時代のアパレル商品が新品状態で保存されていたもの。リサイクルショップなどに並ぶデッドストック品とは異なり、何十年も前に生産されたものなので、当時を感じさせるデザインです。特にヴィンテージファッション愛好家にとってはコレクションアイテムとして人気があります。

ブランド古着の使用例

A「ヨウジのスラックスほしいんだけど、高くて買えないんだよね」

B「ブランド古着屋に行ってみれば?あるかもよ」


アパレルの求人一覧

そのほかにも知ってそうで知らないアパレル用語を解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。音楽、ドラマ、食、本などすべてにおいて韓国カルチャーが好き。