【連載】「若者VOICE vol.9:青学4年オーガナイザー」”場“があらゆるカルチャーを前進させる。

ファッションをテーマに活動している若者のリアルや、同世代へのメッセージを届ける連載企画「若者VOICE」。第9回目となる今回は、青山学院大学で、カルチャーについて学びながら、音楽/クラブ(DJ)イベントを企画する、竹村洸介さんに、ファッションと音楽の関係性や、イベントを通じて伝えたいことについて聞いた。

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【連載】「若者VOICE vol.9:青学3年オーガナイザー』”場“があらゆるカルチャーを前進させる。

profile:
1995年千葉県生まれ。ハウスミュージックの同世代コレクティブ『CYK』クルーの一員であり、頭バーにて不定期で『Faucet』も主催。イベントのフライヤーデザインも多数手がけ、ZINEの製作も行なっており、17年3月にはNY旅行での思い出をまとめたZINEをリリース。NYでは「bossa nova civic club」にてDJし、その際の共演者”Netlan”とのテクノにまつわる対談が今号のSTUDIO VOICEに掲載中。
instagram:@kotsu0830

 

ー現在は、DJの活動を通じて、クリエイティブやコミュニティー作りを積極的にしていますが、元々は”服”を通じて活動していたそうですね。そもそも、”服”=ファッションに興味を持ったきっかけはなんだったのですか?

竹村:最初は、中学校3年生の時に服を買いに行こうと友達に誘われて、原宿に行くようになったのがきっかけでした。それと同時に、当時流行っていたアメーバブログで購入した服などをアップしているうちに、服を通じて友達が出来るようになり、中学校という閉ざされたコミュニティだけはなく、趣味を通じた外のコミュニティが出来たんです。

高校生になった時も、ファッションを通じて仲良くなった仲間とファッションショーなどしていたこともあり、ファッションは、社会と関わっていくことができるコミュニケーションツールになるということに魅力を感じていました。

 

ー中学生の時に、SNSであった友達と仲良くなるというのが、今っぽいコミュニケーションですよね。大学は、青山学院大学へのファッションとは一見関係ないように思える学部に進学したようにみえますが、何か考えがあったのでしょうか?

竹村:はい。高校時代に仲良くなった友人のうち、ざっと50人ほどは「文化服装学院」に進学しました。一方、自分は、進路を考えている時に、作る側には向いてないということを感じたと共に、彼らが作ったものを伝える側になりたいという考えを持つようになりました。それがきっかけで、文化/芸術産業をどうマネジメントしたりプロデュースしていくのかを学ぶことができる青山学院大学の総合文化政策学部に進学しました。

 

ー大学に入学後は、どのような活動を?

竹村:大学では、ファッションの学校に進学した彼らと、将来仕事をして行く上で必要なことはなんだろうと考えた結果、ファッション産業をどのようにクリエイティブにしていくのか、そしてクリエイターにしっかりとした対価を払うには、どのような仕組みが必要なのかを考える企画団体「FUCTORY」に所属をして、トークイベントや繊維工場のバスツアーなどを企画していました。

その団体は結局解散することになってしまったんですけど、音楽メディアの運営を少し手伝ったり、ファッションビジネスメディアでライターを経験し、その後もインターンをいくつか経験したと同時に、DJとしての活動も大学2年生くらいに本格化させました。

 

ーファッションを楽しむ側から、ファッションの作り手を支えるというポジションに変化。そして、音楽や、クラブ(DJ)活動へ、ある意味でファッションから一歩離れた立場に向かっているように感じるのですが、どんなきっかけがあったのですか?

竹村:『頭バー』という小さなDJバーで開催されていた2,3個上の先輩達が企画しているハウスやテクノのパーティーに足を運んだことがきっかけでした。毎度30人が音楽の話から他愛もない話まで、大学や所属は違えど音楽を通して面白い人達が毎月集うコミュニティになっていてとても刺激を受けました。

 

ー外の社会と関わっていくことできるコミュニケーションツールが服→音楽や空間というように変化したということですか?

竹村:一概に、全て変化したという感じではありません。『頭バー』にいた人たちは、音楽やその他のカルチャーに通じていて、そうしたカルチャーに根ざしたスタイルとしてファッションも同時に楽しんでいるように見えたんです。

例えば、「いい服を着ている→感情が上がる」「いい音楽を聴いている→感情が上がる」といった感情的な関連性や「90’sの音楽と90’sのファッション」といった時代的な関連性に、服と音楽の魅力が構造的に似ていることを感じて、そうした好きなことを通してコミュニケーションを図れることが心地よかったですね。

 

ーファッションと音楽は分断しているものではなくて、両者が関連しているということですね。

竹村:例えば今日は僕、切りっぱなしで雑な加工のデニムを履いているのですが、これってパンクっぽいイメージが表面的にもあると思います。パンクカルチャーというと、いろんなものに抗って、逆らっていくという精神性を想起するんですけど、そうしたパンクの精神性に僕が共感しているからこそ、ファッションを通してそうしたスタンスを提示しています。パンクなサウンドが組み込まれたハウスミュージックをプレイする時にこのパンツを着ることはよくありますね。

 

ー自分の内面を表現するということで一致しているんですね。少し関連する話になるのですが、同世代の若者のファッションに対して感じることはありますか?

竹村:もちろん強いることではないですが、個人的な思いとして、表面的な部分だけでなく、自分の服装にスタイルを持っている人はかっこいいと思います。「ある時代のカルチャーや人物/精神性に影響を受けて、それらのマインドに共感している」みたいな考えが無意識的であれあったとすれば、逆説的に見た目にも滲み出てくるものだと思ってます。

僕が、基本的に表面的でしかないということことが好きじゃないからかもしれませんが、一つ一つの物事に、自分の意見があることというか、考えが組み込まれていている方が説得力もありますし、面白いじゃないですか。服を通して1日1日を楽しんでる人はやっぱり好きなので。

 

ーそうですね。READY TO FASHIONの連載記事でも、どうしてそのアイテムを身に付けているの?と質問する企画をやっています。物事の背景まで知ることは小難しいようで、面白いことかもしれませんね。また、少し話を戻しますが、音楽/クラブ(DJ)イベントを開催していて、大切にしていることはありますか?

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竹村:いろんな常識や、固定概念から解き放たれて、本来何が好きなのか、何をしているときに感情が上がるのかについて、気軽にディスカッションできる”場”を作ることを大切にしています。

一つ危惧していることがあって、今の時代、一つ一つ考えることだったりとか、自分のスタンスを提示する人が少ないと思っています。正しいと思われていることや、大多数の意見に飲み込まれやすい雰囲気といいますか。世の中の動きに対して、おかしいと思った時におかしいと思い、それにアクションしていかないといけないんじゃないかって思っています。

 

ー確かに最近の風潮としては、外さないことや、頑張っていることが恥ずかしいということがありますよね。

竹村:なので、ファッションや音楽の力を使って、それをできる環境を作れればいいなと思っています。イメージは”しゃべり場”のような感じで、僕はサロンカルチャーと呼んでいるのですが、実現したいことを話し合い、若い世代で盛り上げていこうという雰囲気を作りたいです。実際にいくつかそうした流れでプロジェクトが始動していくこともありますし。READY TO FASHIONさんが主催している「OPEN PARTY」はいつも協力させてもらっているのですが、実際に参加者からも、「このような雰囲気で、人と話せる場は初めてで、来てよかった」という声が聞こえて、とてもよかったと思います。

ネットや居酒屋ではなく、多様な人間が集まる”場”で、声を発することで若くても掴み取れるチャンスが沢山あると思っています。現に、雑誌の表紙で見ていた、一番憧れているブルックリンのシルクスクリーンプリントクルー”LQQK STUDIO”のメンバーとNYで仲良くなれたのも、いろんな行動あってこそだったので。

 

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ー約2年前に、READY TO FASHIONのイベントで、JUNの佐々木社長や、現ナノユニバースの藤田社長を前に、ファッション業界について討論イベントを行いましたね。その後、ファッション業界に対しての考えに変化はありましたか?

竹村:懐かしいですね。笑 あの頃から随分と状況が変わって、ファッション業界一本というこだわりから解放されました。ファッションって先ほども音楽との関連について話したように、飲食やインターネットだったりといろんなものと繋がっているじゃないですか。以前よりもっと広い視野でファッションを捉えるようになりました。おそらく10年,20年後には、服=ファッションだけの仕事というものは少なくなって、ファッション業界の中に収まらない活動が活発になってくると思っています。そうなってくると、ファッションも含め、クリエイティブな産業が一体となり、横の連携を大事に前進していくことで、最終的に個々の業界に恩恵がもたらされると思っています。お互いの業界をリスペクトした上でどう手を結ぶのかを考えることが必要なのかなと考えています。

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若者がファッション業界に進まなくなったと言われるのも、次第に横への広がりがあるからではないかと思っています。僕も、あえて、みんなと違う業界に進むことによって、将来新しい取り組みを提案(援護射撃)できる可能性があると思っていてそう言った意味では、将来、投資家になるかもしれないし、蕎麦屋の店主になるかもしれないです。笑 

 

ー最後に、今後予定しているイベントがあれば教えてください。

竹村:8/4(金)に僕の仲間とやっている『CYK』というパーティーをCIRCUS TOKYOで開催します。ドイツはケルンから”HODINI”というハウスのプロデューサーを招聘します。僕がハウスやテクノミュージックに行き着いたのも思えばファッションからでした。ロシアのユースカルチャーや、ウクライナやオーストラリア、イギリスなどの国においては、ストリートカルチャーやファッションと、ハウスやテクノミュージックとが密接に進行しています。商業施設が年々増加する渋谷ではありますが、カッコいい大人達のサポートによって僕らの遊び場を提供してもらってるので、ぜひ遊びに来てください。

 

【開催概要】

DATE:2017年8月4日(金)

OPEN:22:00-

VENUE:CIRCUS Tokyo

more info:http://www.clubberia.com/ja/events/269455-CYK-feat-Hodini/

 

Text::S.Takano(READY TO FASHION inc.)
Photo: S.Kamegai (READY TO FASHION MAG編集部)
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