アパレル業界を目指す方、また現に働いている方のために、アパレル業界の最新動向を知ることができるニュースをピックアップする月刊連載企画「編集部が気になるアパレル業界ニュース」。

今、アパレル業界ではどんなトピックがホットなのかを知ることで、企業選びや職種選び、面接対策などで役立つこと間違いなしです!ぜひご覧ください。

TOKYO BASEが初任給を一律40万円に引き上げ

「STUDIOUS(ストゥディオス)」や「UNITED TOKYO(ユナイテッド トウキョウ)」などのブランドを運営するTOKYO BASEは、2024年4月入社以降の社員から初任給を一律で30万円から40万円に引き上げることを発表しました。これにより全社員が40万円以上の給与額となり、3月15日支給分から全従業員を対象としたベースアップも実施されます。

今回の給与引き上げは、これまでファッション業界に参入していなかった優秀な人材の確保や離職率低下につなげることが狙い。2023年春には、ファーストリテイリングが新入社員の給料を25万5000円から30万円に引き上げましたが、それを超える業界最高水準のベースアップとして大きな話題となりました。

ただ、この40万円のうち17万2000円は80時間分の固定残業代として支給されることからSNSを中心に批判も集め、賛否両論が沸き上がっています。

一方、本発表を受け、2週間足らずで新卒のエントリー数は2倍に、中途は6〜7倍に増えたそう。

これを機に低賃金が問題視されていたファッション業界の給与水準にどう影響していくのか注目です。

参考:TOKYO BASEが大幅賃上げ、月給を40万円に 国内のファッション業界の最高水準

フランスでファストファッションを規制する法律が通過

フランスの国民議会(下院)は、消費をあおる低価格を強調したファストファッション広告の禁止や、低価格の輸入品に対して罰金を科す法案を全会一致で可決しました。

法案が上院で通過すれば25年1月に施行が開始され、世界に先駆けてファストファッションを規制する国となります。

施行されれば、低価格の衣料品1点につき5ユーロ(約813円)の罰金が科され、30年までに10ユーロ(約1630円)まで段階的に引き上げられる予定。罰金は持続可能な衣料品ブランドの支援などに使われます。

また本法案はEC事業者に焦点を当てたもの。「ZARA(ザラ)」や「H&M(エイチエンドエム)」のような国内に実店舗を持つブランドは除外され、フランス国内で問題視されている「SHEIN(シーイン)」などが規制の対象となるようです。

過剰な低価格で販売されるファストファッションが世界的に浸透している中で、フランスが初めてファストファッションを規制するのか注目が集まります。

参考:フランス ファストファッション規制法案が国民議会を通過

ドリス・ヴァン・ノッテンが退任を発表

「DRIES VAN VOTTEN(ドリス・ヴァン・ノッテン)」の創業者でありデザイナーである、ドリス・ヴァン・ノッテンが6月末に発表する25年春夏メンズコレクションショーを最後に退任することがわかりました。

1986年にデビューして以来、伝統的な刺繍などを用いてアフリカやアジアのエスニックな民族調スタイルや花をベースとしたデザイン、鮮やかな色使いなどを取り入れたファッションを生み出し続けてきました。

また広告やセレブリティの起用、レザーグッズやバッグビジネスの拡大を避け、服を主軸とする数少ないデザイナーとしてファッション好きから支持されてきました。

退任にあたってドリスは「私はこの瞬間のためにしばらく準備をしてきた。新しい世代の才能がブランドにビジョンをもたらすために、彼らに余地を残すべき時だと感じている」とコメント。

後任デザイナーは今後発表され、ドリス自身は今後もメゾンに引き続き関わっていく予定です。

参考:ドリス・ヴァン・ノッテンが退任 6月の2025年春夏メンズを最後に

H&MとウィメンズブランドROKHがコラボ

「H&M」が韓国出身の「Rok Hwang(ロク・ファン)」による「ROKH(ロク)」とのコラボレーションを発表しました。

「ROKH」は2016年に設立され、ロンドンをベースにパリでコレクションを発表しているブランド。シグネチャーデザインであるダブルレイヤーのトレンチコートをはじめ、一着でさまざまなスタイリングが楽しめるアイテムを展開しており、2018年度の「LVMHプライズ」では特別賞を受賞しました。

今回のコラボではウィメンズだけでなく、メンズアイテムも展開。日韓限定アイテムを含む全60型がラインナップされ、4月18日から限定店舗と公式オンラインストアで販売されます。

これまでカール・ラガーフェルドや川久保玲をはじめとするさまざまなデザイナーやアーティストとコラボアイテムを制作してきた「H&M」。新星ブランドとコラボをすることでどんな化学反応が起こるのか4月以降も引き続き注目したいです。

参考:H&Mが「ROKH」とコラボ、日韓限定アイテムを含めた全60型を販売へ

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。音楽、ドラマ、食、本などすべてにおいて韓国カルチャーが好き。