新進気鋭のクリエーターと共に制作しているファッションフリーマガジン「Uni-Share」が2017年10月22日(日)にUni-Share Vol.15「身震い」をリリース。本紙でしか見ることができない内容を、READY TO FASHION MAG内にて特別に公開。

インタビュー企画テーマ:「胎動」chelmico

ラップユニットchelmico:MC RACHELとMC MAMIKOの女性2人組ラップユニット。2014年のイベントをきっかけに結成し、2016年10月に1st album「chelmico」をリリース。HIP HOPという枠に捉われないPOPセンスと本人達のキャラクターによりクリエイターから注目を集め、様々な方面に飛び火して話題となる存在に。企業のCM、WEB CMを多数経験しながら満を持して約1年振りの新作「EP」を2017年9月にリリース。

『Timeless』『Highlight』などの楽曲から代表される独特なラップとメロウなサウンドで多くの若者たちを魅了してきたchelmco。2017年8⽉にはSummer Sonicにも出演した。今、注⽬を集め続ける彼⼥たちの⽣き様から彼⼥たちの原点とは何かを探る。

ー身震いした経験について教えて下さい。

RACHEL:まあ寒い時とかは…。

一同:爆笑

RACHEL:マジレスするとなんですかね。んー、あ、リップスライムを初めて聞いた時だ!!その時かな、身震いした経験っていうのは。

MAMIKO:お互いリップスライムが好きで始めたんですけど、同世代にリップスライム好きな人がいなくて、お互い好きって知った時は驚きましたね。

ー2人の出会いは何だったのですか。

RACHEL:共通の知り合いがいたんですよ。その人がカメラをやっている人なんですけど、撮影の時にお互い別の子もいるって言われてて、写真を撮る時に初めて会ったって感じです。

MAMIKO:初めの頃は、カラオケで一緒に歌って楽しいみたいな感じだったんです。RACHELが2014年のミスIDという大会で受賞して、シブカル祭っていう渋谷で開催されるサブカルのお祭りで出し物をやらないかと誘われたらしくて。もともとギャグでラッパーになりたいって言ってて、RACHELが1人じゃいやだって言って私が誘われて、一緒にその出し物に出たんですよ。そこからラップを始めましたね。

RACHEL:本当に最初はギャグだったんですよ笑

ー作詞、作曲は全部自分たちでやっているのですか。

RACHEL:トラックの方は基本もらうのですが、メロディとか詞とかは自分たちで考えます。特にサビとメロディは二人で考えて、自分のラップの部分は全部自分で考えてっていう風な感じです。

ーどのようなものにインスピレーションを受けますか。

MAMIKO:私たちの歌詞って、ほぼほぼ日記みたいなものなんですよ。だから、インスピレーションは日常の中から毎日受けてますね。

RACHEL:例えば、なんだよこのボロい看板!みたいなことを全部メモして後で見返したりしますね。そういうのが気になっちゃいます。

MAMIKO:思ったこととか、生活感とかね。『Timeless』って曲では私はサクッと入れてますね。日常のこととかをちょっとずつちりばめてたりします。

ー歌詞の中に幼少期や学生時代の影響はありますか。

RACHEL:うーん、私、幼少期は落ち着きがなかったんですけど、学生時代はあまり友達がいない感じで、ずっと本を読むとかしてました。特に辞書が好きだったんで、辞書で知らない言葉を『あ』から全部書いていって、かっこいいなって思った言葉とか覚えてた言葉とかを歌詞に入れたりはします。そういう意味では影響はあるかもしれないですね。

MAMIKO:あからさまには出てないけど、好きなものを歌詞に入れたりするからそういう面では影響がありますね。ちなみに私の学生時代はどこのカーストにも属してないみたいな感じでした。笑

RACHEL:1匹狼タイプね。笑

ー過去の経験を歌にするアーティストが多い中で、なぜ“今”を歌にしようと考えたのですか。

MAMIKO:確かに、ラップ始めて以降のことしか書いてないかも。

RACHEL:過去の経験って、リレー前日に尻餅ついて走れなくなったとか、骨折したとか、舌をめちゃくちゃ噛んでボコボコになったとか、そういういうことしか覚えてないです。笑

ー自分たちのルールみたいなものはありますか。

RACHEL:言語化できないんですけど、『なにか』を大事にしてます。例えば『なにか』いいとか『なにか』よくないとかです。多分二人ともそれがめちゃくちゃ合ってて。

MAMIKO:音楽もその感覚をベースに作ってるよね。

RACHEL:最終的にはそうなるね。色々考えて作ってはいるのですが、最後に出す出さないはその『なにか』の感覚で決めてますね。

ー最近ラップの音楽シーンが盛り上がっていますが、そのことについてどう思いますか。

RACHEL:聴く人が増えたのは嬉しいです。聴く人が増えたから私たちのように新しいアーティストも出てくるし、同じラップでもYOYOだけじゃないんだよっていうことが広がったので、やってる方もすごいやりやすいですね。

ー洋服と音楽の関係性についてどう考えますか。

RACHEL:自分が思うのは、私自身あまり服に興味がないからあれですけど、音楽って時間を支配するものだから、最低でも2秒くらいは聞かないとわからないじゃないですか。でも、服って0.2秒くらいで全部わかるんですよ。それが音楽とは少し違うかなと思いますね。

ーどこかオススメのショップはありますか。

MAMIKO:オススメのショップ?Newsstand。渋谷にある土日しかやっていないストリート寄りのお店なんですよ。

RACHEL:お店をやってる方の周りの仲間たちが作った服とかを置いていて、結構面白いです。

ー音楽を始める前と始めた後で心境の変化はありましたか。

RACHEL:始めてみてこれしかないんだなってわかりました。

MAMIKO:もう音楽で生きていくって腹を括った感じですね。

ーこれからさらに売れたら今後どのようなことがしたいですか。

RACHEL:ブラピをMVに出したいです。

MAMIKO:私はラジオ…メガネびいきに出たいですね。

ー最後の質問です。chelmicoさんにとっての原点とは何ですか。

RACHEL:なんだろ、2人が友達になれたことでしょうね。

MAMIKO:そうですね、運とタイミングに恵まれましたね。

彼女たちはインタビューの間もお互いに楽しそうに思い出を語り合った。彼女たちにとっての身震いとはリップスライムを聞いたこと。その身震い的感動の影響が彼女たちの原点である「友達」へと導いた。彼女たちはこれからさらなる身震いを経験し、新たな道を切り開いていくのだろう。

【※注釈】
リップスライム:4MC+1DJで構成される⽇本のヒップホップグループ。
シブカル祭:2011年より渋⾕パルコをメイン会場に開催されてきたカルチャーイベント。
ミスID:シブカル祭で⾏われる“新しいタイプの⼥の⼦”を発掘するオーディション。
『Timeless』:アルバム『EP』の中でリリースされた曲。
メガネびいき:お笑いコンビおぎやはぎがパーソナリティを務めるTBSラジオ他で放送されているラジオ

Uni-Shareとは

首都圏の大学生で構成されたファッションフリーペーパーを発行している学生団体。

10月22日に最新号vol.15をリリースし、同日に開催された写真展『残響』も多くの動員数を誇り成功に収めた。今号ではVETEMENTSのランウェイにアジア人で初めて抜擢された木下マナミをメインビジュアルに起用、モトーラ世理奈が主演を務める映画『少女邂逅』とのタイアップも果たした。

webサイト:http://www.uni-share7.com

instagram:https://www.instagram.com/uni_share/

twitter:https://twitter.com/uni_share

最新号vol.15の購入はこちら:https://unishare15.thebase.in


READY TO FASHION MAG 編集部

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