ライセンスブランドとは?

そもそもライセンス(英:licensee)とは「免許、認可、特許」の意で、アパレル業界においては、他企業・ブランドが持つ商標やデザイン、製品、技術の使用・生産・販売に関する権利の使用許諾を指します。

ライセンスを提供する企業・ブランドをライセンサー(英:licensor)、ライセンスを取得した企業・ブランドをライセンシー(英:licensee)と言い、ライセンシーがライセンスを用いて展開するブランドをライセンスブランドと呼びます。ライセンシーは、ライセンサーに対してロイヤリティ(使用料)を支払うことで国内でのライセンスブランドの生産・販売を行い、業界内では、海外有名ブランドとライセンス契約を締結する企業が多数存在します。

ちなみに、いわゆるライセンス商品はライセンスブランドが展開する商品のこと。商品本体には本家ブランドと同様のブランドロゴが配されます。

ライセンスブランドと混同されがちなインポートブランドについても解説しているので合わせてご覧ください。

ライセンスブランドのメリット

消費者目線では、有名ブランドのアイテムを比較的安価に購入できる点がライセンスブランドのメリットです。

ライセンサー側としても、ロイヤリティ収入はもちろん、各地域でのブランドの認知拡大や市場ごとの特性にあわせた商品開発が可能となります。ライセンシー側も影響力があるブランドであるほど、自社の利益を効率的にあげることができるため、国内でもライセンスビジネスが普及しました。

一方でデメリットもあり、ライセンサー側は本来の意図と異なる商品展開によるブランドイメージの低下につながることも少なくありません。また、ライセンシー側にも突然の契約打ち切りによる業績低下を招く可能性もあります。

ライセンスブランドの具体例

「BURBERRY(バーバリー)」と株式会社三陽商会

国内で最も認知されていたライセンスブランドは、株式会社三陽商会の「BURBERRY(バーバリー)」です。三陽商会は1970年にイギリスの老舗ブランド「BURBERRY(バーバリー)」とライセンス契約を結び、1980年からは三井物産株式会社と共同ライセンシーとして、「BURBERRY BLUE LABEL(バーバリーブルーレーベル)」や「BURBERRY BLUCK LABEL(バーバリーブラックレーベル)」などのライセンスブランドを展開してきました。

2015年6月にライセンス契約は解消されましたが、国内の知名度向上と普及に最も成功した事例と言えるでしょう。2015年7月以降は、英国バーバリー本社の100%出資によるバーバリーの日本法人バーバリー・ジャパン株式会社が国内で「BURBERRY」を展開しています。一方、三陽商会は「MACKINTOSH(マッキントッシュ)」とライセンス契約を結びライセンスビジネスを継続しています。

「Paul Smith(ポールスミス)」と伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事株式会社は1984年よりイギリスブランド「Paul Smith(ポールスミス)」とライセンス契約をかわしています。伊藤忠商事は「Paul Smith」のほか、「CONVERSE(コンバース)」や「EDDIE BAUER(エディ バウアー)」「L.L.BEAN(LLビーン)」「FOREVER 21(フォーエバー21)」などの国内ライセンスを取得しており、ライセンスビジネスを積極的に行っております。2005年には、ポール・スミスグループホールディングスの株式を40%を取得して経営にも参画。より密なライセンスビジネスを展開する状況に至っています。

ライセンスブランドの使用例

A「海外ブランドのアイテムはサイズがあわないんだよね」

B「ライセンスブランドの商品だったらローカライズされてるからサイズ合うのもあるかもよ」


そのほかにも知ってそうで知らないアパレル用語を解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

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秋吉成紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

ライター・編集者。1994年東京都出身。2018年1月から2020年5月までファッション業界紙にて、研究者インタビューやファッション関連書籍紹介記事などを執筆。2020年5月から2023年6月まで、ファッション・アパレル業界特化型求人プラットフォーム「READY TO FASHION」のオウンドメディア「READY TO FASHION MAG」「READY TO FASHION FOR JINJI」の編集チームに参加。傍ら、様々なファッション・アパレル関連メディアを中心にフリーランスライターとして活動中。

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