
アパレル業界のES(エントリーシート)では、一般的な項目に加えて「好きなブランド」や「店舗を訪れた感想」、「全身写真」など、アパレルならではの項目が設けられていることがあります。他の業界と異なるため、「全身写真はどう撮るべき?」「アパレルのアルバイト経験はエピソードとしてどう盛り込む?」「本社職や専門職のESはどう書けばいいか分からない」と悩む方も少なくないはず。
そこで本記事では、アパレル企業のESで見られるポイントから、よくある質問の回答方法、ガクチカの回答例、提出前のチェックポイントまで、キャリアアドバイザーにアパレルESの書き方のコツを伺いました。
【解説者】


<目次>
ES(エントリーシート)とは
ES(エントリーシート)とは、新卒採用で提出を求められる選考資料のこと。履歴書が基本的なプロフィールや経歴を伝える資料であるのに対し、ES(エントリーシート)では、人柄や考え方、企業への志望度などをより具体的に確認する書類です。
ES(エントリーシート)では、採用担当者が「会ってみたい」と思うような内容にすることが秘訣。そのためには、「なぜこの業界なのか」「なぜこの会社なのか」といった志望理由に加え、これまでの経験やそこから得た学びを自分の言葉で具体的に伝えることが重要です。
アパレル企業がES(エントリーシート)で見ているポイント
ここからは、アパレル企業がES(エントリーシート)を通して確認しているポイントを5つ紹介。「何を書けばいいか分からない」という方は、企業が求める評価軸をもとに構成や内容を考えてみてください。
文章作成能力・論理的思考力
前提として、ES(エントリーシート)では、読み手に伝わる文章になっているかが見られています。読みやすくかつ、論理的に記述するには、最初に結論を提示し、その理由や具体的な経験を順序立てて説明する「PREP法」が大切です。限られた文字数の中で、要点を簡潔にまとめる力が問われます。
また設問に対して、採用担当者が何を知りたいのかを把握することも大切です。文章能力だけでなく、設問に対して的を得た回答になっているかも注意しましょう。
基本の伝え方は、「PREP法」
Point(結論):私は、ファッションを通じてお客様の毎日を豊かにする仕事がしたいと考え、貴社を志望しています。
↓
Reason(理由・背景):大学時代のアパレルショップでのアルバイトを通じて、お客様の好みやライフスタイルに合わせて商品を提案することにやりがいを感じるようになりました。
↓
Example(具体例):実際に、お客様との会話から普段選ばない色の商品を提案したところ、「新しい選択肢が増えた」と喜んでいただき、接客を通じて新しい価値を届けられることを実感しました。
↓
Point(学び・仕事へ接続):この経験を活かし、貴社でもお客様一人ひとりに寄り添った提案を行い、ブランドのファンを増やしていきたいと考えています。
文章作成能力はどこまで求められるのでしょうか。
社会人に求められるような、きれいに整った文章を書くことまでは求められていません。それよりも、学生なりに考え、推敲して書かれているかが重要だと思います。
文章は、一度書いただけではなかなかまとまりません。十分に練られていない文章は、「具体的なエピソードがない」「スムーズに読めない」「論理的に書かれていない」など、さまざまなところに現れます。
だからこそ、何度も読み直し、書き直しながら、自分の伝えたいことが相手に伝わる文章にしていくことが大切です。その人なりに考え、努力や工夫を重ねていることが伝わる文章が理想だと思います。
大前提として、「誤字脱字がないか」「正式名称で書いているか」も見られています。まずは基本的な部分を意識して書いてみましょう。
具体的なエピソードが書けているか
「頑張った」「努力した」「コミュニケーション能力がある」といった抽象的な表現だけで終わらせず、「何を考え」「どのように行動し」「どんな結果になったのか」まで具体的に記載しましょう。文字数的に可能であれば、数字や周囲からの評価などもエピソードとして盛り込むと具体性が増して、内容が伝わりやすくなります。
求める人物像や要素への合致
ESから、企業が求める人物像と自分の経験や強みが合っているかも見られます。作成する際は、企業・ブランドがどんな人物を求めているのかを確認した上で、自分の経験や強みと結びつけて伝えることが大切です。企業が求める人物像と自分の強みが具体的につながっていると、入社後にどのように活躍できるのかも伝わりやすくなります。
一貫性があるか
アパレル企業の採用担当者は、エントリーシート(ES)や履歴書に書かれた内容だけでなく、書類から面接までの選考を通して、回答に一貫性があるかを見ています。
例えば、「ファッションを通して人を喜ばせたい」という思いがあるのであれば、なぜアパレル業界を志望するのか、その中でもなぜその企業・ブランドなのか、入社後に何を実現したいのかまで、理由をつなげて考えてみましょう。
また、自己PRやガクチカ、志望動機などの内容にも、それぞれの経験や価値観がつながっていることが重要です。すべての回答で同じ内容を繰り返す必要はありませんが、それぞれの回答から伝わる人物像や仕事に対する考え方に矛盾がないようにすることを意識しましょう。
さらに、エントリーシート(ES)や履歴書に書いた内容と、面接で話す内容が一致しているかも重要です。書類と面接で話している内容が大きく異なると、志望動機や自己PRに説得力がなくなってしまう可能性があります。面接前には提出した書類を見返し、書いた内容を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
《一貫性が弱い例》
書類:アルバイト経験から、周囲と協力して取り組む力をアピール。
面接:個人の売上を伸ばし、誰よりも売れる販売員になりたいと話す。
《一貫性がある例》
書類:衣装制作の経験から、相手の要望を汲み取り、形にする力をアピール。
面接:顧客の声を大切にする企業姿勢に共感していると説明し、入社後もお客様のニーズを汲み取った提案をしたいと話す。
企業研究ができているか
「入社したい」という気持ちだけでなく、入社後にどのように働きたいのか、何に挑戦したいのかも含めて具体的に説明できているかも見られています。企業研究を踏まえて、自分がその企業で実現したいことを伝えるようにしましょう。
そのため、企業サイトや採用ページを確認するだけでなく、ブランドのコンセプトや商品、顧客層、店舗、事業内容などを調べ、「その企業ならではの特徴は何か」「自分はそこにどのような魅力を感じたのか」を整理してみましょう。
また、企業研究では、その企業でなければ実現できないことを考えることも重要です。競合する企業やブランドと比較しながら、「なぜ他社ではなく、この企業なのか」を明確にしておくと、志望動機に説得力が生まれます。
「企業の特徴」→「自分が魅力を感じた理由」→「自分の経験・強み」→「入社後に実現したいこと」という流れで整理すると、企業研究を志望動機につなげやすくなります。
ES(エントリーシート)で見られるポイントを教えてください。
企業によって異なるため一概には言えませんが、まずは「書類が読みやすくまとまっているか」や「誤字脱字などのミスがないか」といった基本的なマナーがあるかは見られていると思います。
その上で見られるのが、①自己理解、②企業や職種への理解、③再現性です。
①では、自分の経験を具体的なエピソードとともに伝えられているか。②では、企業や仕事内容について調べた上でエントリーしているか。そして③では、これまでの経験や強みを、入社後の仕事でも活かして活躍する姿をイメージできるか、という点が見られています。
アパレル業界だからこそ見られている観点はありますか?
「ファッションへの関心」と「ブランドとの親和性」ですね。ESの内容だけでなく、全身写真やアピアランスの部分なども含めて、ファッションへの関心を伝えることを意識することで、ブランドで働くイメージを持ってもらいやすくなるのではないでしょうか。
ES(エントリーシート)でよく聞かれる項目
ここからは、アパレル企業のES(エントリーシート)でよく聞かれる質問を紹介します。質問ごとにパターン別の例文も紹介するので、回答を考える際の参考にしてみてください。

【重要度★★★】志望動機
志望動機では、「なぜこの業界か」と「なぜこの企業・職種・ブランドか」「どう貢献するか」をセットにして伝えているかが大切です。まずは、「アパレルで働きたい理由」と「その企業・ブランドを志望する理由」を分けて整理し、企業研究を踏まえて、自分の経験や価値観と企業の特徴を結びつけましょう。
「なぜこの業界か」:なぜファッションに携わりたいと考えたのか、自分の原体験を入れる
「なぜこの企業・職種・ブランドか」:「理念」「ブランド」「顧客」「接客」「商品」「職種」のどこに惹かれたか
「どう貢献するか」:自分の強みや経験を今後の仕事にどうつなげるか
例文(販売職向け)
【志望動機】
私は、ファッションを通して、お客様の日常を前向きに変えられる仕事がしたいと考え、アパレル業界を志望しています。学生時代、服装を変えたことで自分に自信を持てた経験があり、ファッションには見た目を変えるだけでなく、人の気持ちや行動を後押しする力があると感じました。
中でも貴社は、お客様一人ひとりのライフスタイルに寄り添った商品提案を大切にしている点に魅力を感じています。店舗を訪れた際にも、スタッフの方が一方的に商品を勧めるのではなく、お客様の好みや悩みを聞きながら提案している姿が印象に残りました。
私はアルバイトで、お客様の要望を聞き取り、一人ひとりに合わせた提案をすることを大切にしてきました。この経験を活かし、入社後はお客様の言葉になっていないニーズまでくみ取り、その人に合った提案ができる販売員として貢献したいと考えています。
(365文字)
例文(専門職向け)
【志望動機】
私は、自分が考えたデザインを通して、人の気持ちや日常を豊かにできる仕事がしたいと考え、アパレル業界を志望しています。服を選ぶことで気分が前向きになった経験から、ファッションには人の気持ちを変える力があると感じ、デザインを通してその価値を届けたいと思うようになりました。
中でも貴社は、トレンドを取り入れながらも、長く愛されるデザインを大切にしている点に魅力を感じています。商品を実際に手に取った際にも、デザインだけでなく素材やシルエットまで細かく考えられていることが伝わり、ものづくりへのこだわりを感じました。
私は服飾学校で培ったデザインの知識や制作経験を活かし、ブランドの世界観を大切にしながら、お客様に選ばれる商品を生み出せるデザイナーとして貢献したいと考えています。
(335文字)
【重要度★★★】自己PR
結論として自分の強みを最初に伝え、その強みが発揮された具体的な経験を紹介します。最後に、入社後どのように活かせるかまでつなげ、説得力のある自己PRを作成しましょう。強みとその根拠となるエピソードを記載し、採用担当者に「この学生と会ってみたい」と思わせる内容にするのがコツ。
例文(販売職向け)
【自己PR】
私の強みは、相手の立場に立って考え、行動できることです。アルバイトではアパレルショップの販売員を経験し、お客様一人ひとりの好みや悩みを聞いたうえで、商品を提案することを心がけてきました。
例えば、商品を探しているお客様に対して、すぐに商品を勧めるのではなく、普段の服装や着用する場面を伺うことで、希望に合う商品を提案するようにしました。その結果、「自分では選ばない商品だけど、提案してもらってよかった」と言っていただいた経験があります。
入社後も、お客様との会話を大切にし、一人ひとりのニーズをくみ取りながら、商品だけでなく新しいファッションの楽しみ方まで提案できる販売員を目指したいと考えています。
(298文字)
Point(結論):私の強みは、相手の立場に立って考え、行動できること
Reason(理由・背景):お客様一人ひとりに合った提案をしたい。相手のニーズを聞いた上で商品を提案することを心がけた
Example(具体例):アルバイトで、すぐに商品を勧めるのではなく、普段の服装や着用する場面を伺ってから提案。その結果、「自分では選ばない商品だけど、提案してもらってよかった」と言っていただいた
Point(学び・仕事へ接続):入社後もお客様との会話を大切にし、一人ひとりのニーズをくみ取りながら提案できる販売員を目指す
【自己PRのテーマ例】
・相手の様子を見て動く観察力
・会話から要望を引き出す傾聴力
・提案力
・チームで働く協調性
・お客様に合わせる柔軟性
・商品やその背景にある知識量
例文(専門職向け)
【自己PR】
私の強みは、納得するまで改善を続ける粘り強さです。なぜなら、より良いものをつくるために、課題に向き合い、修正を重ねることを大切にしてきたからです。
制作課題でジャケットを製作した際、最初の仮縫いではシルエットがイメージ通りになりませんでした。そこで、パターン修正と仮縫いを3回繰り返し、先生やクラスメイトからも意見をもらいました。
その結果、デザイン性と着やすさを両立した作品を完成させることができました。入社後も、細部まで妥協せず、貴社の強みである〇〇を活かした商品づくりに取り組みます。
(243文字)
Point(結論):私の強みは、納得するまで改善を続ける粘り強さ
Reason(理由・背景):より良いものを作りたい。課題に向き合い修正を重ねた
Example(具体例):課題制作でのジャケット制作の修正と仮縫い。結果、デザイン性と着やすさを両立
Point(学び・仕事へ接続):細部まで妥協せず、貴社の強みである〇〇を活かした商品づくりに取り組む
【自己PRのテーマ例】
・改善を繰り返す粘り強さ
・素材やシルエットへの観察力
・相手の要望を形にする力
・制作スケジュールを守る計画性
・細部までこだわる丁寧さ
・徹底的にリサーチする力
・ビジネス視点ともの作りをつなげる思考
【重要度★★★】学生生活で力を入れたこと
「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」は、具体的なエピソードをもとに課題への向き合い方や考え方、行動の特徴を伝える項目です。
「アパレルのアルバイトの経験がないからアピールできない」と考える方もいるかもしれませんが、アパレルの販売経験や特別な実績があることが重要なのではありません。大切なのは、「なぜ取り組んだのか」「どう考え・どう行動したか」「何を学び・仕事にどう活かせるか」を具体的に伝えることです。
文章を作成する際は、PREP法を意識しながら、具体的なエピソードを交えて書きましょう。
例文(アパレルアルバイト経験あり)
【学生生活で力を入れたこと】
学生時代に力を入れたことは、アパレルショップでのアルバイトです。接客を通してお客様に合った商品を提案する力を身につけたいと考え、特にお客様一人ひとりに合わせた接客を意識して取り組みました。
最初は商品の説明に集中してしまい、お客様の好みや悩みを十分に聞き出せないことが課題でした。そこで、商品を提案する前に普段の服装や着用する場面について質問し、会話の中からニーズを把握することを心がけました。
その結果、お客様から「自分では選ばない商品だけど、提案してもらってよかった」と言っていただける機会が増えました。この経験から、相手の立場に立って考え、ニーズをくみ取ることの大切さを学びました。入社後もお客様との会話を大切にし、一人ひとりに合った提案ができる販売員を目指したいです。
(336文字)
例文(アパレルアルバイト経験なし)
【学生生活で力を入れたこと】
学生時代に最も力を入れたことは、学園祭のファッションショー運営です。メンバー全員で一つの作品を完成させる経験を通じて、協力して物事を進める力を身につけたいと考えたためです。準備を進める中で、メンバーによって作業の進み具合に差があり、全体のスケジュールが遅れていることが課題でした。
そこで私は進行表を作成し、必要な作業を洗い出したうえで、メンバーごとの役割と締切を明確にしました。また、定期的に進捗を確認し、遅れている作業があればメンバー同士で協力できるよう調整しました。
その結果、全員が予定を共有しながら準備を進めることができ、当日は無事にショーを成功させることができました。この経験から、周囲と協力しながら課題を整理し、計画的に行動することの大切さを学びました。入社後もこの調整力と責任感を活かし、チームで協力して仕事に取り組みたいです。(370文字)
Point(結論):学生時代に最も力を入れたことは、学園祭のファッションショー運営です。
Reason(理由・背景):メンバー全員で一つの作品を完成させる経験を通じて、協力して進める力を身につけたいと考えたためです。
Example(具体例):準備が遅れていた際、私は進行表を作成し、役割分担と締切を明確にしました。その結果、全員が予定を共有でき、当日は無事にショーを成功させることができました。
Point(学び・仕事へ接続):この経験で身につけた調整力と責任感を、入社後もチームで仕事を進める際に活かしたいです。
【重要度★★】全身写真
アパレル業界のES(エントリーシート)では、全身写真を求められることも多いです。コーディネートの全身写真だけでなく、「なぜその服を選んだのか」や「自分のファッションの好みや考え方」などが伝わるように説明を求められることがあるケースもあります。
全身写真の項目において企業の採用担当者が見ているポイントは、大きく分けて「ブランドとの親和性」「ファッション感度」「TPO」の3つです。服装はもちろんのこと、撮影場所や明るさ、ポーズ、構図などのポイントもおさえて撮影するようにしましょう。
ブランドとの親和性:応募ブランドの世界観・顧客層・店舗の雰囲気に合っているか
ファッション感度:色・素材・サイズ感・バランスを考えて組めているか。コーディネート提案できるか
TPO:選考資料として清潔感と常識があるか
>>実際のアパレル企業の選考で使用した全身写真の例はこちらから
全身写真のポイント
【服装】
・シワ
・汚れ
・毛玉なし
・ブランドイメージを体現(応募企業スタッフスナップを参考)
・靴まで整える
・大きすぎる他社ロゴは避ける
【撮影】
・全身が切れない
・生活感を避ける
・明るい場所
・日中に撮影
・背景シンプル (白壁がベスト)
・標準カメラ、加工控えめ
・他者が撮影する
・自分で撮影する場合、 地面と平行にカメラを設置。頭上余白を多くするため、被写体中央が画面中央の少し下にする
【ポーズ】
・顔を隠さない
・背筋を伸す
・自然に立つ
・ピースや腕組み避ける
・表情ブランドに合わせる
長所と短所
長所や短所についても、具体的なエピソードを交えて説明することが大切です。長所は、仕事でどのように活かせるのかも含めて伝えると、自分の強みを具体的にイメージしてもらいやすくなります。
短所については、短所を伝えるだけで終わらせず、「どのような場面で短所が出やすいのか」「現在どのように改善しようとしているのか」も説明しましょう。自分の課題を理解し、改善に向けて行動していることを伝えることで、前向きな印象につながります。
今まで大変だったと思う体験とそれを乗り越えたエピソード
これまでに経験した困難や大変だったことについて、「何が大変だったのか」や「なぜ大変だと感じたのか」、「どのように乗り越えたのか」を具体的に伝えましょう。
単に「大変だったけれど頑張った」とするのではなく、自分なりに考えて取った行動や、その結果どうなったのかも説明することがポイントです。最後に、その経験を通して得た学びや、その後の行動にどう活かしているのかも伝えると、自分の考え方や成長を伝えやすくなります。
入社後にやってみたいこと
入社後に挑戦したい仕事や、実現したいことを具体的に記載しましょう。「やってみたい」という希望だけでなく、なぜその仕事をしたいのか、これまでの経験をどう活かせるのかも伝えることが大切です。
また、企業が実際に行っている事業や職種と結びつけて書くことで、企業について理解した上で、自分がどのように働きたいのかを具体的に伝えられます。
最近のニュースで気になったこと
ファッション・アパレル業界のニュースなど、自分が関心を持ったテーマを選び、「なぜ気になったのか」「そのニュースを知ってどう感じたのか」「そこから何を考えたのか」を説明することが大切です。
ニュースの内容を紹介するだけでは、自分の考えや関心が伝わりにくくなります。たとえば、ブランドの新しい取り組みやEC・SNS、サステナビリティなど、自分が興味を持ったニュースを選び、「ニュースの概要→気になった理由→自分の考え」の順番で整理すると、伝わりやすくなります。
「最近気になったニュース」については、面接官から掘り下げられても自分の考えを答えられるニュースや、アパレル業界に関するニュースを選ぶことが大切です。
好きなブランド
ブランド名だけで終わらせず、「なぜ好きなのか」や「どの商品やスタイルに魅力を感じるのか」、「ブランドのどのような考え方に共感しているのか」を具体的に説明しましょう。
また、好きなブランドについて聞かれた際は、単に「服が好き」「デザインが好み」と答えるのではなく、実際の商品や店舗、ブランドの発信など、具体的な要素を挙げることがポイントです。自分がそのブランドのどこに魅力を感じているのかを整理することで、ファッションへの興味や価値観も伝えやすくなります。
好きなブランドを聞かれた場合、必ずしも選考中のブランドを挙げる必要はありません。ただし、なるべく選考中のブランドとテイストや価値観などに親和性のあるブランドを選ぶと良いでしょう。
アパレルES(エントリーシート)の作成フロー
ESを書く前の準備から提出前の見直しまで、具体的な作成手順を紹介します。いきなり文章を書き始めるのではなく、「情報収集→構成検討→執筆→推敲」の順番で進めることで、自分の経験や考えを整理しながら、企業に伝わりやすいESを作成できます。

【STEP.1】情報収集
まずは自己分析、業界研究、企業研究を行い、ESに使える経験や企業の特徴を整理しましょう。また、ESを書き始める前に設問の意図と文字数を確認することも重要です。「何を書けばいいか」だけでなく、「企業はこの質問を通して何を知りたいのか」を考えながら、必要な情報を集めましょう。
自己分析
これまでの経験を振り返り、強み・弱み・価値観・興味のあることなどを整理しましょう。自己PRやガクチカ、志望動機などに使えそうな経験は、できるだけ具体的に洗い出しておくことがポイントです。
「何をしたか」だけでなく、「なぜ行動したのか」「どのような工夫をしたのか」「その経験から何を学んだのか」まで整理しておくと、ESを書く際に活用しやすくなります。
業界研究
アパレル業界の仕事内容や職種、業界の動向などを調べ、「なぜアパレル業界なのか」を説明できるようにしましょう。販売、MD、バイヤー、企画、生産、ECなど、職種によって仕事内容や求められる役割も異なります。自分が興味を持っている仕事について調べ、どのような点に魅力を感じているのかを整理しておくことが大切です。
企業研究
応募する企業・ブランドについて、「どんな企業なのか」「どんな商品・サービスを展開しているのか」「自分はどこに魅力を感じたのか」を具体的に整理しましょう。企業・ブランドの公式サイトや採用情報、SNSなどを確認し、以下のような情報を調べておくと、志望動機などに活用できます。
また販売職や本社職に関わらず、選考を受けるブランドの店舗見学は可能であれば行くようにしましょう。
【STEP.2】構成検討
情報を集めたら、いきなり文章を書き始めず、まずは設問に対する回答の材料を整理しましょう。「結論 → 理由 → 具体的なエピソード → 学び・入社後への接続」など、設問に合わせて文章の構成を考えます。
例えば志望動機なら、「なぜこの業界なのか」「なぜこの企業・ブランドなのか」「入社後に何をしたいのか」を整理してから文章化すると、内容に一貫性を持たせやすくなります。
【STEP.3】執筆
構成が決まったら、実際に文章を書いていきます。限られた文字数の中で内容を伝えるため、PREP法などを活用し、最初に結論を示したうえで、理由や具体的なエピソードを簡潔に説明することを意識しましょう。書きたいことをすべて盛り込むのではなく、設問に対する回答として必要な情報を優先することがポイントです。
【STEP.4】推敲
文章を書き終えたら、誤字脱字だけでなく、「設問にきちんと答えられているか」「結論が分かるか」「具体的な経験が書かれているか」「企業への志望理由が伝わるか」などを確認しましょう。
また、文章全体で主張が一貫しているか、同じ内容を繰り返していないかも確認します。文字数や指定されたファイル形式など、提出条件も最後にチェックしましょう。
可能であれば、家族や友人、キャリアアドバイザーなど、第三者に読んでもらうのもおすすめです。自分では気づかなかった分かりにくい表現や、説明が不足している部分を見つけやすくなります。
文字数に合わせて内容を調整する
※同じ内容でも、文字数によって入れる情報を調整しましょう
※文字数に合わせて内容を削ったり増やしたりする場合でも、結論や自分が最も伝えたいことがぼやけないようにすることが大切です
・200字:結論と代表的なエピソードに絞る。背景説明は最小限にする。
・400字:課題・行動・結果・学びまで入れる。具体性と読みやすさのバランスを意識する。
・800字:背景や工夫、変化、仕事への接続まで詳しく書く。ただし、同じ内容の繰り返しには注意する。
アパレルES(エントリーシート)に関するQ&A
ESを書く際に、「文章の書き方はこれでいい?」「趣味・特技は何を書けばいい?」「生成AIを使っても大丈夫?」など、細かな疑問が出てくることもあるのではないでしょうか。
ここからは、アパレル企業のES作成・提出に関してよくある質問を取り上げ、書き方から生成AIの活用、提出字の注意点まで解説します。

Q:ESの文章は、「です・ます調」と「だ・である調」のどちらが好ましいですか?
どちらでも問題ないですが、迷った場合は、丁寧さが表れる「です・ます調」で書いた方が企業担当者の好みに左右されないのでおすすめです。
Q:趣味・特技は、どんな内容を書くのが好ましいですか?
可能であれば、ファッションに関連する内容を記載するのが望ましいです。趣味・特技は、その人自身を知るための設問の一つですが、採用担当者が知りたいのは「なぜファッション業界なのか」「なぜこの企業・ブランドなのか」という部分でもあります。そのため、応募する企業やブランドと何らかの接点がある趣味を選ぶといいのではないでしょうか。
例えば、アウトドア系のブランドを受けるのであれば、「山登り」などを趣味として記載すると、ブランドとの関連性が伝わりやすいです。一方で、「カフェ巡り」など応募する企業やブランドとの接点がまったくない内容だと、「なぜこの趣味を書いたのだろう」と採用担当者に疑問を持たれる可能性もあります。できるだけ、応募先との関連性を意識して選べるといいですね。
企業やブランドとの関連性があることで、それ自体が一つのアピールポイントにもなりますよね。また、書いた内容について具体的に話せるかどうかも意識するといいでしょう。単に関連性があるだけでなく、自分自身が興味を持っていて、実体験を交えて話せるものを選ぶことが大切です。
Q:生成AIを使ってESを添削や文章作成をしても問題ないですか?使用する場合の注意点があれば教えてください。
誤字脱字のチェックや、文章の組み立て方を添削してもらうなど、適切な範囲で使用するのは問題ないと思います。
ただし、AIが作った文章をそのまま使うのではなく、面接で内容について聞かれた際に、自分の言葉で説明できるかどうかは意識した方がいいでしょう。自分の経験や考えと相違がない範囲で、文章を整えるために活用するイメージです。
AIを使う場合も、最終的には自分の言葉で話せる内容になっていることが大切です。あまりにも自分では使わない表現や、自分の言葉で説明できない内容になってしまうのは避けた方がいいでしょう。
Q:ESはいつ提出するのが望ましいですか?web提出の場合、深夜の提出は避けた方がいいですか?
締切直前の提出など、採用担当者に懸念を持たれる可能性があることは、できるだけ避けた方がいいでしょう。
web提出の場合、深夜に提出したことだけで評価が下がるとは限りませんが、できるだけ余裕を持って提出することをおすすめします。早めに提出しておけば、提出前に誤字脱字を確認したり、通信トラブルなどの不測の事態にも対応できます。
Q:PDFのファイル名はどうすればいいですか?
「何のデータなのか」「誰のデータなのか」が分かるファイル名にしておけば問題ありません。例えば、「ES_名前」など、ファイルを開かなくても中身や提出者が一目で分かる名前にしておくといいでしょう。採用担当者が複数の書類を扱うこともあるので、分かりやすさを意識することが大切です。
日付をファイル名に入れる方もいらっしゃいますが、基本的にはそこまで必要ありません。
提出前のチェック事項
ESを提出する前に、以下の項目を最終確認しましょう。
【内容・文字数】
◻︎ 誤字・脱字や変換ミスがないか
◻︎ 指定された文字数以内になっているか
◻︎ 話し言葉やカジュアルな表現を使っていないか
【表記・記号】
◻︎ 機種依存文字を使用していないか
◻︎ 表記揺れがないか
◻︎ 企業名・ブランド名などの固有名詞を正しく表記しているか
◻︎ 手書きの場合、文字を丁寧な読みやすい字で書いているか
【写真・見た目】
◻︎ 指定された写真を使用しているか
◻︎ 写真が鮮明で、顔がきちんと確認できるか
◻︎ 文字サイズやレイアウトに偏りがないか
◻︎ 手書きの場合、読みやすく丁寧な字で書いているか
◻︎ 手書きの場合、記入スペースの8割以上を埋めているか
【提出方法】
◻︎ 日付がエントリーシートの送付日になっているか(紙の場合は投函日)
◻︎ 指定されたファイル形式になっているか
◻︎ ファイル名や保存形式に指定がある場合、指示に沿っているか
◻︎ 提出先や提出方法を間違えていないか
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