キャリアアドバイザーK:READY TO FASHION 人材紹介担当。ジュエリーブランドにて販売・店舗マネジメントを経験後、都内百貨店のジュエリーブランドで約9年間、販売から店舗運営・人材マネジメントまで幅広く従事。その後、現場で培った接客・育成スキルを活かし、人材紹介業界へ転身。ファッション・ラグジュアリー領域に特化したエージェントとして、RA・CAの両面を経験した後、READY TO FASHIONに参画。業界への深い理解を強みに、求職者一人ひとりに寄り添ったキャリアコンサルティングを強みとしている。

ラグジュアリーブランドの選考に挑戦するにあたり、「書類では何をどこまで書くべき?」「未経験からでも通用する?」「NGな書類は?」と不安を抱く方も多いのではないでしょうか。

応募書類の内容として具体性が欠けてしまうと、実績があっても書き方次第で正しく評価されないケースもあります。

本記事では、ラグジュアリー転職に精通したキャリアアドバイザーの知見をもとに、応募書類段階で差がつくポイントを体系的に解説します。

応募書類で「最も差がつく」3つの視点

まずは土台となる重要ポイントから。履歴書・職務経歴書では最低限、以下の3点は必ずおさえておきましょう。

第一印象が良くなる証明写真

書類の内容だけでなく、「ブランドの世界観に合う人物か」という視点でも見られるため、証明写真は第一印象を左右する要素として意識する必要があります。特にラグジュアリーブランドでは、清潔感・品のある印象・落ち着いた雰囲気が重要視される傾向があります。

ただし、ブランドによって求められる雰囲気は異なります。応募するブランドのイメージに合わせてメイクや髪型のトーンを調整することもポイントです。

キャリアアドバイザーK
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求職者の方の履歴書を見ていると、普段着のようなカジュアルな服装で撮影している方や、髪型やメイクがラフすぎる方も意外と多いです。一般的なアパレルブランドであれば、その人の感性が見えるという意味で問題ない場合もあります。ただ、ラグジュアリーブランドの選考という観点では、NGになるケースが多いですね。高単価の商材を扱うブランドなので、「店頭に立つ人として相応しいか」は、証明写真の時点でも見られています。

いわゆる就活のような、きちんとした服装・髪型を意識した方がいいということですね。

RTF編集部
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キャリアアドバイザーK
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そうですね。少しかっちりした雰囲気の方が、書類通過率は上がる傾向にあります。

おしゃれとしての髭はどうでしょうか。

RTF編集部
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キャリアアドバイザーK
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ファッション感度が求められるブランドであれば、髭自体がNGというわけではありません。ただし、手入れの行き届いていない髭や長髪は印象を下げてしまいます。髪が長い場合は、男女問わずまとめた方が清潔感が出ますね。また、前髪がある方は暗い印象になりやすいので、額が見えるようにしましょう。

身だしなみにどれだけ気を遣っているかは証明写真でも伝わってしまうんですね。スマートフォンなどで撮影した写真でも大丈夫なのでしょうか?

RTF編集部
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キャリアアドバイザーK
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自撮りでもNGではありません。ただ、影ができないようにする、無地の背景で撮るなどの工夫は必要です。多くの方は複数社に応募すると思うので、どの企業に提出してもいいようなアピアランスで撮影するのがおすすめです。「ラグジュアリーブランドの店頭に立てるか」という視点を意識していただくといいと思います。

服装はスーツが無難?

RTF編集部
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男性はスーツが無難ですね。ネクタイが曲がっていないか、襟元が整っているかなど、細かい部分までチェックするのが大切。女性の場合は、必ずしもスーツである必要はないですが、ジャケット+シンプルなインナーなどの服装でもOKです。

数値実績と再現性

ラグジュアリー業界では、実績の客観性が重要視されます。店舗の実績・予算対比・前年対比から、個人の実績・予算対比・前年対比・顧客数・客単価までしっかりと数値を記載することが大切です。

ただし、数字の羅列だけでは不十分です。可能であれば、「どのような施策で数字を伸ばしたのか」「好調・不調の要因をどう分析したか」といった再現性が伝わる内容で書けると評価は一段階上がります。

なお、接客エピソードは詳細に書きすぎる必要はありません。まずは数値ベースで自分の経験を整理することが最優先です。

キャリアアドバイザーK
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ラグジュアリーブランドが書類で見ているのは、接客スキル=数字として表れる実績です。接客スキルそのものを細かく説明する必要はありません。まずは、数字として表れる実績をしっかり記載することが大切です。ただ、例えば、ロープレ大会で入賞した経験など、客観的に評価された実績がある場合は書いても問題ありません。

実績は、抜け漏れなく記載する必要があります。

RTF編集部
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はい。もちろん冗長になりすぎるのはよくありませんが、まずは省略せずに書き出してみることをおすすめします。もし、文章量が多くなってしまった場合は、フォントを少し調整する、それでも収まらない場合は重複している部分を整理するなどして、読みやすさとのバランスを取るといいですね。

採用担当者目線のレイアウト設計

ラグジュアリー業界に限らずですが、どれだけ内容が優れていても、読みにくい書類は評価されづらいのが現実です。フォントやレイアウトが統一されているかなどを意識して作成しましょう。

また、前述した通り証明写真も大切な要素です。清潔感があり、ブランドの世界観と大きく乖離しない印象を心がけましょう。

押さえておくべき書き方の具体的なポイントは、後述のチェックリストを参照ください。

キャリアアドバイザーK
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書類は、まずパッと見た時に「読んでみよう」と思えるかどうかが重要です。例えば、
・フォントや体裁に統一性がない
・適切な位置で改行されていない
・タイトルと内容が離れているなど、読みにくいレイアウト
といった書類は、採用担当者に余計な「読むエネルギー」を使わせてしまいます。見やすく読みやすい構成を意識しましょう。

構造的に情報が整理されているのが大切ということですね。

RTF編集部
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キャリアアドバイザーK
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はい。あと最近では、AIを活用して履歴書や職務経歴書を自動スクリーニングする企業も増えています。そうした採用システムの中で見落とされないためにも、求人票に書かれているキーワードを意識的に書類に反映させるといった工夫も一つの方法です。

当たり前ですが、ラグジュアリー業界では特に誤字脱字にも注意が必要。

RTF編集部
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そうですね。細かい部分まで見ている担当者はいるので、「誤字脱字がある=書類作成能力が低い」と判断されてしまうケースもあります。まずは、どの企業に提出しても問題ないレベルの書類を作成するのが大前提です。

PCで作成するのがほとんどなので、誤字脱字のチェックにもAIは活用できそうですね。

RTF編集部
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書類通過しづらい人

では、実際に差がつくポイントはどこにあるのでしょうか。ここからは、書類選考で通過しづらい人の特徴や見落としやすいポイントを解説します。

選考書類において、「実績を書いていない」「実績の羅列のみ」「抽象ワードしかない」場合はもちろんNG。まずは数値をベースにした書類を作成しましょう。

また、短期離職やブランクがある場合は、その期間の説明がないとマイナス評価につながる可能性があります。3ヶ月以上の空白期間がある場合は、その間に取り組んでいたことを簡潔に記載しましょう。

キャリアアドバイザーK
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同じ期間で5社を転々としているより、1社で長く続けている方が評価されやすい傾向にあります。長期就業していると、それなりの顧客数がいることが想定できますし、職場に順応して働き続けてきた粘り強さも伝わります。そのため、プラスに働くことが多いですね。

採用担当者に突っ込まれる箇所を減らすのも大切です。

RTF編集部
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キャリアアドバイザーK
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短期就業であっても、「環境面でどうしても難しい事情があったが、自分なりに努力していた。ただ、長期的な就業は難しかった」など、伝え方を工夫することがカギ。また、アパレル→他業界→アパレルといったように、キャリアに一貫性がない場合は、書類の段階で見送られてしまうことも少なくありません。

他にマイナス要因になり得る注意ポイントはありますか?

RTF編集部
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キャリアアドバイザーK
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有名ブランドであっても、派遣社員としての就業経験は、評価のされ方に違いが出ることがあります。例えば、長期で働いていても正社員と比べて業務範囲が異なることが多く、経験値に差があると判断されることがあります。また、「派遣で3年以上ブランドに在籍しているのに、なぜ正社員にならないのだろう」とネガティブに受け取られてしまう場合もあります。

やむを得ない事情でブランクが空いてしまった場合は、書類ではどう伝えればいいですか?

RTF編集部
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キャリアアドバイザーK
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3ヶ月以上のブランクがある場合は、必ず簡単な理由を記載しましょう。例えば、家族の介護や出産などです。面接官が疑問に思いそうな点は、書類の段階で先回りして説明しておくことで「一度会ってみようかな」と思ってもらえる可能性が高まります。

書類の客観性をチェックするにはどうすればいいでしょうか。

RTF編集部
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キャリアアドバイザーK
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正直なところ、自分自身ではキャリアの引っかかりに気づきにくいものです。エージェントを利用しない場合は、可能であればご友人やご家族など第三者に見てもらい、フィードバックをもらうのも一つの方法です。客観的な視点を取り入れることが、書類の完成度を高める上で重要ですね。

他業界からエントリーする際の注意点

ラグジュアリー未経験でも、ハイレベルな接客経験が求められる「航空業界」「輸入車ディーラー」「高級ホテル」での接客経験がある場合は、評価対象になります。数値として結果の出るディーラーの経験者を例に挙げるなら、エントリーの際には「どんな顧客層を担当していたのか」「数値実績はあるか」「再現性はあるか」を明確に記載しましょう。

キャリアアドバイザーK
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国内アパレルで働いている方がラグジュアリーブランドへエントリーする場合でも、「なぜラグジュアリー業界なのか」という理由はロジカルに説明できるようにしておきましょう。

ホテルや航空業界など、売上や顧客数などの明確な数字が出しにくい場合、どのようにアピールすればいいのでしょうか。

RTF編集部
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キャリアアドバイザーK
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大きく2つあります。まずは、とにかくホスピタリティに長けていることをアピールすること。「なぜラグジュアリー業界を目指すのか」「どんな思いでお客様に対応しているのか」など、接客に対する姿勢や価値観を言語化することが大切。
もう一つは、現在の仕事からなぜ販売にチャレンジしたいのかという理由を明確に伝えること。この2点をしっかり説明できると、好印象につながると思います。

提出前チェックリスト

最後に、提出前に必ず確認したい項目です。

《基本確認》

◻︎経歴の年月日に間違いがない(提出前に要確認)
◻︎誤字脱字がない
◻︎正式名称を使用している
◻︎敬語に誤りがない

キャリアアドバイザーK
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ラグジュアリー業界の場合、第三者機関によるバックグラウンドチェックが行われることがあります。意図的ではなくても、提出した書類の内容と、そのチェックの結果にズレがあると、不信感につながってしまいます。最悪の場合、経歴詐称とみなされてしまう可能性があるため、特に入社・退職の年月日は必ずチェックしてください。

キャリアアドバイザーK
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細かい部分ですが、履歴書と職務経歴書で記載している日付が違うといったミスも意外と多いです。また、資格の名称も正式名称で書くのが基本。例えば、運転免許なら、「普通自動車第一種運転免許」といった形ですね。当たり前の部分ですが、こうしたところも見られているので、提出前にしっかり確認してください。

《証明写真》

◻︎清潔感ある服装・ヘアメイクになっている
◻︎背景が適切か(無地・明るい色)
◻︎過度な加工をしていない
◻︎ブランドの世界観と大きく乖離していない

《レイアウト》

◻︎時系列系で整理されている
◻︎見出し・箇条書きを活用している
◻︎1文が長文になっていない
◻︎フォントが統一されている

《内容》

◻︎「なぜラグジュアリー業界か」を明確に書いている
◻︎「なぜそのブランドか」を具体的に書いている
◻︎志望動機が他ブランドにも使いまわせる内容になっていない
◻︎数値実績を記載している
◻︎再現性が伝わる内容になっている
◻︎「どう貢献できるか」が具体的に書かれている
◻︎抽象ワードが多くなっていない(「貢献・共感・魅力」などの抽象語を具体例で補足できているか)

キャリアアドバイザーK
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注意したいパターンは大きく2つあります。①簡潔すぎて内容が浅く、業務内容や実績がイメージできない②伝えたいことが多すぎて、語りが入ってしまっている
①については、最低限、業務内容だけでなく「どのくらい売っていたのか」といった数字の実績まで記載しておきたいですね。②については、思いや背景まで書きすぎてしまうケース。読み手によっては、プライドの強さのように受け取られてしまうこともあるので注意が必要です。

例えば、自分のアピールポイントが5つあった場合、3つくらいに絞るイメージでしょうか。

RTF編集部
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キャリアアドバイザーK
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いえ、簡潔にまとめられるのであれば5つ書いていただいた方がベストです。大切なのは、「思い」を書くことではなく、業務内容や実績を具体的に伝えること。自分の考えや背景については、面接で深掘りされるポイントなので、書類ではあくまで簡潔で具体性のある内容を意識していただくといいですね。

ラグジュアリーブランドで働く

アパレル・ファッション業界に特化した「READY TO FASHION」では、ラグジュアリー企業や外資系企業の求人を多数を公開しています。新卒や中途、アルバイト、副業などの雇用形態のほか、多種多様な職種・業種軸で自分にあった仕事を探せますので、ラグジュアリーブランドに関連した仕事に興味のある方はぜひご覧ください。

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。