プロフィール:山田彩絵(やまだ・さえ)2004年生まれ。日本女子大学 人間社会学部 4年生。アパレル企業特化の合同説明会、READY TO FASHION 009の東京会場に参加。2026年度新卒採用で株式会社デイトナ・インターナショナルに入社を予定している。大学生時代は、アパレルブランドにて販売を経験。現在、内定者アルバイトとして「FREAK’S STORE(フリークス ストア)」にて販売員として活躍している。

ファッション・アパレル業界に特化した求人サイト、READY TO FASHIONを通して実際に内定を獲得された方にインタビューする本企画。

今回は、2025年に開催された合同説明会「READY TO FASHION 009」の東京会場に参加し、株式会社デイトナ・インターナショナルに入社を予定している山田彩絵さんにインタビュー。

選考は「サポートしながら、お互いが納得のいく結果になればいい」と語る同社。山田彩絵さんはどんな魅力に惹かれて入社を決めたのか。内定までの道のりを振り返ってもらいました。

納得して決めてほしい。人事が見守った決断の背景

──大学では何を勉強されているんですか?

山田彩絵さん(以下、山田):もともとデザインや服作りを学べる学校を考えていたのですが、手先があまり器用ではなくて(笑)。ファッションを文化や概念として捉えることにも興味があったので、服飾の専門学校ではなく4年制大学に進学しました。現在は文化学科で、ファッションやアートを文化の観点から幅広く学んでいます。

──アパレルで販売のアルバイトもされていたそうですね。

山田:20代女性向けのレディースブランドで、販売員として働いていました。もともと洋服が好きで、学生のうちに何か挑戦したいと思っていた時に、たまたま販売員の募集を見つけたのがきっかけです。

──就職活動はどのように進めていったんですか?

山田:かなり悩みながら進めていました。アルバイトをしていたアパレルブランドでは、サイズ展開やアイテム数が少なく、「もっといろんな商品があればお客様のニーズに応えられるのに」と感じたことから、商品企画にも興味を持つようになりました。

ただ、人手が少ないお店だったので、売り上げ管理なども任されることが多く、責任の重さに戸惑いもあったんです。そんな経験から、販売以外の仕事に挑戦してみたい気持ちが強くなり、アパレルだけでなく広告や企画系の業界も視野に入れて就職活動をしていました。

──業界を絞らず幅広く見ていたんですね。

山田:直感で「ここで働きたい」と思える企業を起点に考えるタイプで。業界単位ではなく、一つひとつの企業を見ながら自分がやりたいことに挑戦できる環境かどうかを大切にしていました。

──その後は?

山田:大学では副専攻で日本語教員の資格を取っていて、ちょうど就職活動が本格化する3年の3月は、実際に台湾の大学で実習していたんです。

販売の経験しかなかったので、方向転換として日本語教員の道もいいかもしれないと思い、並行して日本語教員の就職活動も始めました。

──そうだったんですね。アパレル業界の本選考が始まる時期ですよね。

山田:そうなんです。デイトナの内定もその途中でいただきました。デイトナを魅力的に感じていたのですが、迷っていた日本語教員の就職活動の内定が出るのが遅いこともあり、少し時間をもらい決断を待っていただきました。

迷いはありましたが、最終的には「やはりアパレル業界で挑戦してみないと分からない」と思い、アパレル業界に進むことを決めました。内定をいただいた後、人事の方と電話でお話しした際に「今更迷っているなんて怒られるかも」と不安でしたが、悩みを受け入れ、相談に乗ってくださったので正直に話してよかったと安心しました(笑)。

人事担当 川上さん(以下、川上):早く決めてほしいと思う企業は多いと思いますし、私も山田さんと一緒に働きたいと思う気持ちは強かったんです。ただ、だからと言って説得するよりも、自分で決断してもらった方がきっと入社後も「自分で決めた道だから」と頑張れると思ったんです。

彼女の性格的にも、納得して決めることに意味を感じるタイプだと思いましたし、迷いを残したまま入社しても辛いと思ったので「一度、日本語教員の方の面接も受けて、納得できるまで考えてみれば」と伝えていました。

面接というより対話。納得して進路を決めるための時間

──READY TO FASHIONの合同説明会には、どんなきっかけで参加されたんですか?

山田:インスタグラムの広告で見つけて参加しました。総合媒体が主催している合同説明会に行ったり自分で企業を探したりしていたんですが、なかなか興味のある会社に出会えなくて。

会場に入ってすぐデイトナのブースの「フリークス ストア」の文字が目に入り、知っているブランドだ!と思いました。説明を聞いたのはデイトナを含めて2社だけでしたが、興味を持てる企業に出会えたので参加してよかったです。

──説明会では、デイトナにどんな印象を持ちましたか?

山田:一人ひとりの個性を大切にしている会社だと感じました。合同説明会では仕事内容を中心に説明してくださる企業が多い中、デイトナは企業理念を丁寧に説明してくださったのが印象的でした。販売の経験もあり仕事内容はある程度想像できたので、会社の考え方や雰囲気を詳しく知れたんです。

──説明会で企業理念を伝えることは、会社として大切にしているんですか?

川上:実は、価値観が合う学生と出会いたいという目的で今年から内容を一新したんです。仕事には楽しいことだけでなく、辛いことも大変なこともありますよね。楽しい側面ばかりを伝えすぎてしまうと、実際に働いた時にギャップを生んでしまうのではないかと。

だからこそ、会社として大切にしていることや成長していきたい部分を素直に伝えるようにしています。それを理解した上で入社してくれる方に来てほしい。「ここなら自分の考え方を発揮できる」と感じて入社してくれる方に出会いたいと思っています。実際にそれを感じて入社を決めてくれたので、この取り組みを始めてよかったですね。

──理念に共感する部分もあったんですね。

山田:そうですね。規律がありながらも自由度がある会社だと思ったんです。決まったキャリアルートがあるというより、一人ひとりの個性を伸ばしていくことを大切にしている印象でした。今までやってきた販売とはまた違った働き方ができそうだと思い、より一層興味を持ちました。

──キャリアアップにおける自由さとは?

山田:3次面接で「入社後、どんなキャリアがありますか?」と聞いた時に「人それぞれ」とおっしゃっていて。店長を経てキャリアアップしていくのが一般的だと思っていたので意外でした。

川上:実際、決まったルートはありません。店長経験があるとデイトナのビジネス構造やお客様層を深く理解できるので、たしかに活躍の幅は広がりますが、店長を経験していなくとも活躍している人もいます。そういう自由さがデイトナらしさだと思いますね。

山田:フリークス ストアの雰囲気や接客が好きでよく行っていたのですが、ある時、古着のポップアップをやっていて。その企画をしたのが1年目の社員だと知ったんです。もちろんやるべきことをやっての上だと思いますが、1年目から裁量権を持って仕事ができるんだと驚きました。販売だけでなく、企画にも挑戦できるところに魅力を感じましたね。

──社員の挑戦を後押しする風土があるんですね。

川上:もちろんなんでもOKではありませんが、お客様のニーズがあってビジネスとして成立しており、デイトナで開催することに意味があるものと判断できれば、企画を提案できます。

──選考はどんな流れでしたか?

山田:面接は全部で4回ありました。意外とあっという間で、面接というより会話を楽しんでいる感覚でした。

──面接が楽しいとは珍しい(笑)。

山田:そうなんです(笑)。気さくな雰囲気作りと会話ベースでの話の深掘りで、自然と話せました。面接を通してより企業への志望度が高まった気がします。他の企業では緊張して思うように話せないこともあったのでありがたかったです。

──面接ではどんな話をするんですか?

川上:何度か面接がありますが、まずは皆さんの経験を深掘りして、その人が大切にしている価値観や、困難をどう乗り越えてきたかを聞いています。そうすることで、仕事に向き合う姿勢が見えてくるんです。そういった根幹にある部分を知りたいと思って会話をしています。

山田:面接では、選考中の企業に自分の就活軸を照らし合わせて、項目ごとに点数をつけることもしました。視覚的に整理しながら話せたので、面接中でしたが自己分析にもつながりました。

川上:そのためにやっているんだよね。きちんと納得してキャリアを選んでもらいたい。なので選考では、学生をジャッジするというよりも「会社としてサポートするので、一緒に頑張っていこう」という姿勢が強いかもしれません。

山田:まさにそんな感覚でした。悩みを相談するような安心感があって。ここまで深く話を聞いてもらえる場はなかなかないので、本当にありがたかったです。

川上:学生一人ひとりが何を大切にしているのかを理解した上で、入社後の配属まで考えています。なので、全員にそれぞれの入社ストーリーがあるんです。

自分を深く掘り下げた年表型自己分析

──内定者アルバイトを始めて1週間。以前のアパレルアルバイトと比べて、違いを感じる部分はありますか?

山田:まず扱う商品のバリエーションが豊かだなと感じています。セレクトアイテムに加えてコラボ商品も多く、それぞれに語れるポイントがあるんです。お客様にお伝えできる切り口がたくさんあるので、店頭に立っていてもとても楽しいですね。純粋に伝えることを楽しみながら接客できています。

──就職活動を振り返って、やっておけばよかったと思うことはありますか?

山田:最初から業界や企業を絞り込みすぎてしまったことですね。結果的に志望していた企業に内定をいただけましたが、もっといろんな企業を見ておけば比較の視点も増えて最終的な判断がしやすかったのかなと思います。

──逆にやっておいてよかったと思うことは?

山田:自己分析です。もともと「自分ってどんな人間だろう」と考えるのが好きな性格なので、楽しみながら取り組めました。実際に、幼稚園や小学校の頃からさかのぼって自分の年表を作り、心が動いた出来事や印象に残った瞬間を書き出していったんです。そこから自分の価値観や強みを見つめ直せました。

他にも企業が提供している性格診断やMBTI診断なども活用しながら、遊び感覚で続けられたのもよかったと思います。

──入社を控える今の心境は?

山田:とにかくさまざまなことに挑戦してみたいです。販売員の経験はありますが、改めていちから学ぶ姿勢を大切にしたいと思っています。

内定式後の内定者研修で教えていただいた、「まず一歩行動する人と、様子を見ている人では成長のスピードが違う」という言葉が心に残っていて。私はこれまでどちらかというと「様子を見ている側」だったので、これからは「まずやってみる人」になりたいと思っています。

──入社後に挑戦したいことはありますか?

山田:将来的には、もともと興味があった商品企画にも挑戦してみたいです。そのためにもまずは販売の現場でお客様の声をしっかり聞き、ニーズを体感的に理解することが大切だと思っています。

そのために今は、購入に至らなかったお客様や、うまく答えられなかったご質問はノートにメモをして振り返るようにしています。小さな気づきを積み重ねて、いつか商品作りに活かせるようになりたいです。

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デイトナ・インターナショナルは、アパレルやライフスタイル雑貨の企画・製造・販売を手がけるアパレル企業。1986年に創業し、「FREAK’S STORE」をはじめとするセレクトショップを全国に展開しています。アメリカンカルチャーをベースに、ファッションだけでなく音楽やアート、アウトドアなどのライフスタイル全体を提案しています。

同社では、新卒採用のほか全国各地での販売員を募集しています。ぜひ一度求人をご覧ください。

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。