イギリス発のブランドとして生まれ、いまや韓国ブランドとしても注目を集める「ロックフィッシュ・ウェザーウェア」。近年では、ファッション感度の高い若者から人気を得ており、ラフォーレ原宿に初の店舗をオープンすることでも大きな話題になりました。

この記事では、ブランド誕生の背景からグローバルな展開までを詳しく解説。ロックフィッシュ・ウェザーウェアに興味がある方はもちろん、ブランドでのキャリアに関心がある方もぜひご覧ください。

ロックフィッシュ・ウェザーウェアとは

「ロックフィッシュ・ウェザーウェア(Rockfish Weatherwear)」は、2004年にイギリス南西部に位置するコーンウォールで設立されたレインシューズを中心とするシューズブランドです。

カントリーサイドのライフスタイルをベースに、イギリスのクラシックな感性を融合させ、イギリス国内のみならずヨーロッパやアメリカなどの「ゴー・アウトドアーズ(Go Outdoors)」、「マウンテン・ウェアハウス(Mountain Warehouse)」といったアウトドアセレクトショップにもレインアイテムを供給してきました。

近年では、韓国での販売権を所有していたAU Brandzがイギリスの親会社であるZennar Limitedを買収し、同ブランドのグローバル商標権を取得。韓国発ブランドとしての再出発にも注目が集まっています。

現在は、バレエコアやY2Kのトレンドとイギリスのベーシックなムードをミックスしたデザインで、メリージェーン(ストラップ付きのフラットシューズ)やスニーカー、レインブーツなど幅広いアイテムを展開しています。

ロックフィッシュウェザーウェアのヒストリー

ロックフィッシュ・ウェザーウェアは、2004年、創業者ジュール・ルイス氏によってイギリスの気候や文化に根ざした実用性の高いライフスタイルブランドとして設立されました。

馬を飼っており、馬小屋の湿った環境から着想を得たジュール氏は、コーンウォールの雨やぬかるみの多い環境に適応するため、濡れにくく耐久性・保温性に優れたウェリントンブーツ(長靴)を開発。

天然ゴムを使用するなどサステナビリティを重視していたブランドは、高品質なブーツブランドとして一躍有名になりました。

2013年、韓国企業のAU Brandzが韓国国内での商標権と営業権を取得し、レインブーツブランドとしてリブランディング。レインブーツに加え、バッグやアウター、アクセサリーなど商品ラインを拡張し、「雨の日ファッションブランド」として認知を広げていきました。

さらに、BLACKPINKやNewJeansといった著名人の着用や、KファッションのトレンドでもあるバレエコアやY2Kの盛り上がりの後押しもあり、韓国を中心に人気を拡大。2023年には売上高が510億ウォン、営業利益は170億ウォンで前年の2倍の成長を遂げました。ベストセラーであるレインブーツの売り上げは、2022年の7万足から、2023年には27万8000足にまで急増しました。

その後、韓国での商標権を持っていたAU Brandzがイギリスの親会社、Zennar Limitedを約630万ドルで買収。韓国資本のイギリスブランドとして再編され、アジア全域だけでなくヨーロッパやアメリカを視野に入れた事業展開が可能となりました。

店舗展開も進んでおり、ソウルの聖水洞(ソンスドン)、漢南洞(ハンナムドン)、狎鴎亭(アックジョン)に続き、2025年4月に明洞(ミョンドン)のメインストリートにもオープン。

聖水・漢南の店舗では、月間売上高が690万ウォンを超え、約80%を海外からの購入客が占めています。

また、単なるレインブーツ専門店にとどまらず、「Rockfish House」では、毎朝スコーンを提供し、イギリスの文化を顧客体験に落とし込むことも大切にしています。イギリスの伝統を背景にしつつ、韓国市場のトレンドを組み込んだライフスタイルブランドへと進化を遂げています。

なお、イギリスのZennar Limitedは、買収後も「ロックフィッシュ・ウェザーウェア」としてブランド名を維持し、英国市場向けの製品展開を続けています。(UK公式サイト:https://rockfish-weatherwear.co.uk/

ロックフィッシュ・ウェザーウェアの代表アイテム

バレエシューズ

サテン生地を使用したバレエシューズはブランドを象徴するアイテムの一つです。軽量でクッション性にも優れているため、デザインと実用性を両立。バレエコアのムードを落とし込んだデザインで、クラシカルながらも日常に取り入れやすいスタイルが特徴です。

レインブーツ

イギリスで生み出されたレインブーツを受け継いでいるクラシックなレインブーツです。雨の日だけでなく、晴れた日でもブーツとして着用できるアイテムとしても人気を集めています。

滑りにくいソール設計と幅広く合わせやすいデザインが特徴。

ベルクロスニーカー

レザーやゴムなどの異素材を組み合わせたデザインが特徴的で、独自の存在感を放つアイテムです。

ガーリーさとトレンドのスポーティーさがミックスされたシューズ。ベルクロ仕様で着脱がしやすく、フィット感の調整も可能です。また、ボリューム感のあるソールがあるため、スタイルアップを叶えつつ、長時間歩いても疲れにくい実用性も兼ね備えています。

最近の動向

イギリスや韓国で培ったブランド力を背景に日本市場でも注目を集めています。ポップアップストアでのコラボレーションや総代理店契約の締結など、今後の展開に向けた動きが活発化しています。

渋谷パルコでのポップアップストアをオープン

2024年11月に、渋谷パルコでのポップアップストアをオープンしました。当日は、韓国のアイドルグループ「KISS OF LIFE」とのコラボレーションスニーカーを発売するなど注目を集め、店舗外まで列をなしました。

豊田貿易が日本総代理店契約を締結。ラフォーレ原宿に初店舗を9月にオープン

2025年6月に、アパレル専門商社である豊田貿易が、ロックフィッシュ・ウェザーウェアと日本総代理店契約を締結。2025年秋冬シーズンに本格展開を開始します。

それに先駆けて、ラフォーレ原宿にブランド初となる日本での常設店舗を9月12日にオープンします。


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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。