アパレル 24卒

株式会社READY TO FASHIONは、2024年卒業予定の学生向けオンライン合同説明会イベント「READY TO FASHION LIVE FOR 24」を開催しました。

「READY TO FASHION LIVE FOR 24」では、ファッション・アパレル業界の業種や職種、仕事内容について、人事の方が求める人物像などに関するお話を聞くことができるトークセッション・質疑応答を実施しました。

タキヒヨー株式会社、株式会社トゥモローランド、株式会社ユニオンゲートグループの3社が参加。当日の様子をレポートいたします。

参加企業概要

タキヒヨー株式会社

名古屋に本社を置く繊維商社です。1751年創業以来、ファッション流通業界において有数のリーディングカンパニーとして、お客さまに夢と感動を提供し続けております。自社でトレンド・売れ筋情報をキャッチして、素早く商品化。企画・デザイン、生産、物流まで、ファッションをスピーディーに皆さまにお届けする一貫体制を備えています。

タキヒヨー株式会社

株式会社トゥモローランド

自分たちで考えて、自分たちが作った商品を自分たちの言葉でお客さまに提案する。この考えをもとに、メンズ・ウィメンズのウェア、服飾雑貨、アクセサリーの企画(デザイン)から生産、販売を担っています。さらに、オリジナルの商品に魅力をプラスするようなセレクト商品の買い付け、世界中で活躍するデザイナーとパートナーシップを組み、ベーシックで洗練されたファッションを日本へ発信しています。「ファッション=ライフスタイル」と考えているので、洋服以外にも暮らしに不可欠な食の提案(飲食店の経営)も行っています。

株式会社トゥモローランド

株式会社ユニオンゲートグループ

『QUALITY』『CREATIVITY』『CRAFTSMANSHIP』をコアバリューに、自社ブランド<BRIEFING>と、<FARO>、イタリア発祥<Felisi>のブランド及びショップを運営しています。

株式会社ユニオンゲートグループ

お互いの会社のイメージは

アパレル 24卒

──まずは、今回ご参加いただいた3社に、お互いの会社のイメージをお伺いしたいと思います。

タキヒヨー森:トゥモローランドさんは、取引先として関わる中でいい意味で大変な得意先さんで、「こういうことをやりたい」という気持ちがとても強いイメージですね。私自身、販売員の方がこれだけモノづくりを知っている小売店を知らないです。ものづくりへの思いが強いぶん、信頼関係を築きながら、一緒に取り組めるという印象が強くあります。

ユニオンゲートグループさんは、商品のイメージが強いです。卸売で積み重ねてきた商品力が印象として強く、「質実剛健」という言葉で表せると思います。また、弊社と同じくゴルフウェアを展開されていて、GINZA SIXでは弊社の「G/FORE(ジーフォア)」とユニオンゲートグループさんの「BRIEFING(ブリーフィング)」の店舗が近くに出店されているため、親しみも感じています。

トゥモローランド立石:ありがとうございます。タキヒヨーさんは、圧倒的な伝統と、幅広い事業展開という印象を抱いています。私たちも、ものづくりを大切にしているので、役員や商品部のメンバーだけでなく、学生からもタキヒヨーさんの名前を聞くことが多いです。なので、今回ご一緒できたのはとても貴重な機会だと思っています。

ユニオンゲートグループさんは、「BRIEFING」のお取り扱いを弊社でもさせていただいており、私自身、人事に異動してからも店頭に立つ機会が定期的にあり商品に触れることが多いため親しみがあります。個人的にも、父から譲り受けた「BRIEFING」のスーツケースを長年愛用しているので身近に感じています。

ユニオンゲートグループ中尾:トゥモローランドさんは、とにかくお洒落で、洗練された上質な商品を扱っていらっしゃる会社さんという印象です。そのような中で「BRIEFING」も長年お問合せいただけていることを大変嬉しく思っております。立石さんも使ってくださっているということで、とてもうれしいです。

タキヒヨーさんは、伝統と革新というイメージです。歴史がありながらも新しいことに挑戦出来る社風は、どのようなところに秘訣があるのかとても気になる存在でもあります。

実際のところの、会社のいい点・改善点

──続いての質問に移りたいと思います。会社の良い点や、改善の余地がある点をお伺いしたいと思います。

ユニオンゲートグループ中尾:良い点は、本社や店舗問わず仲が良く、ポジティブな空間が漂っているところですね。年に1回実施する従業員満足度評価でも、人間関係の満足度の点数が一番高いです。ただ、偶然良い環境だったというわけではなくて、日々社内の人達が努力している結果だと思っています。

改善点は、店舗運営の歴史が浅く、教育制度などの仕組みが整っていないことです。最近では、新卒向けや人事向け、エリアマネージャー向けなど、階層別の教育制度の構築を進めています。構築段階なので逆に、年齢や役職関係なく、これから一緒に働く方からの意見や提案をしやすい環境だと思います。

タキヒヨー森:「人」という点は弊社が誇れるところです。それに加えて、忙しい中でも仕事を引き受けてくれる助け合い精神や、商品に対して愛着があるところが良い点だと思います。

改善点は、それぞれの部署のいいところが、その部署内だけに留まってしまっていて、リソースを繋げられていないところです。もったいないと感じているところなので、注力していきたいです。

トゥモローランド立石:良いところは、クオリティに対して妥協しないことです。弊社では「人モノ器」と表現してるのですが、人や商品、器部分である店舗空間に対するこだわりが強くあります。いくら商品が良くても、店内が整っていなかったり、スタッフの印象や雰囲気が悪かったりすると、また来ようと思えないですよね。

逆に、この3つにこだわっているぶん、ポップアップイベントの会期やシーズンの転換期では撤収・設置作業が増えてしまうなど、大変なこともあります。人間関係においては、オンオフを分け、休憩になればフランクになれるところに人の良さが表れていると思います。

改善の余地があるのは、デジタル領域に関してです。弊社はECサイトのスタートが比較的遅かったので、今も継続して力を入れています。スタッフスタイリングをECサイトに載せているのですが、自分の好きなスタイルとお客様のニーズとの兼ね合いも難しさもありますね。ECサイトも、買いやすさや見やすさなど、今後も改善していく予定です。

──以前はPRやMDが花形でしたが、最近では、ECに興味を持つ学生も非常に増えているので、店頭に立ちながらデジタル領域に関わっていけるのは、とても良い経験になりますね。

こんな人に来てほしい!

アパレル 24卒

──ビジネスモデルや業種によって、採用基準は異なるのでしょうか?今回ご参加いただいた3社はファッション・アパレル企業と一括りに言ってもビジネスモデルが大きく異なります。その中で特徴的な採用基準の違いなどあればお聞かせください。

タキヒヨー森:当然ですが、商売が違うので、その中でやる業務も異なってくる点もあるので、そういう意味では採用基準や、求める人物像、重視するポイントは、ざっくりは変わってくるのではないでしょうか。

タキヒヨーの場合、原料を仕入れて販売するビジネスを中心に展開している繊維商社よりも、自社で商品の企画・デザインをして提案できる強みがあります。そのため、取引先にできることとできないことを明確に伝えられる力が必要になります。そういった点で大きな違いがあるかと思いますね。

トゥモローランド立石:トゥモローランドでは、「若さ溢れる大人のスタッフ」をモットーにしています。それがそのまま求める人物像に当てはまり、採用基準にもなっていると思います。

若々しさや印象の良さ、元気の良さにプラスして、お客様やお取引様への気遣いができることは大事だと思います。年齢に関係なく好奇心や向上心を持っていること、思いやりや気遣いを忘れないことは会社として大切にしていますね。

ユニオンゲートグループ中尾:今現在、弊社は急成長フェーズにありますが、その中で求める人物像は、協調性があることとブランドに共感していることですね。欲を言えば、誰も経験したことがない出来事が起こる中で、積極的にアイデアを出したり、ゼロから何かを作っていける人だと、楽しんで働けるのではないかと思います。

──同じファッション・アパレル企業といっても、業務内容や会社の状況によっても変わってくるのですね。

ユニオンゲートグループ中尾:先ほど、森さんが「できることと、できないことを伝える必要がある」とおっしゃっていましたが、例えばどんな時にそういう場面が発生するのかが少し気になっています。

タキヒヨー森:例えばものづくりの現場では顕著ですが、値段や納期の要求に対して調子良く「できます」と言うと、その一瞬は嬉しく思ってもらえるかもしれないですが、実際トラブルが起こったときに、カバーすることが難しくなりますよね。「この部分はお応えできないけど、その代わり別の部分でカバーできます」というように、代替の提案をして決めていくところが、ある意味営業の腕の見せどころだと思います。「できないことは、できない」と、きちんと自信を持って言えることも大事なのだと、現場の社員にもよく言っていますね。

選考の枠にとらわれない意欲と行動力

──採用基準のお話にも繋がりますが、今年23卒内定者で評価したことの具体的なエピソードはありますか?

タキヒヨー森:弊社の内定者で印象に残っているのが、2次面接の後にもう一度フィードバックをもらいに来てくれた学生ですね。のちに弊社の内定が決まった方なのですが、面接で自分が伝えたかったことをうまく伝えられなかったとのことで、どこを評価されたのかを聞きたいと連絡をくれました。会社を信頼してもらっているからこそ、お願いしてきてくださったかと思うので、アドバイスも含めて丁寧にお伝えさせていただきました。表面上の評価よりも、この行動からその人らしさが伝わったのがよかったですね。

ユニオンゲートグループ中尾:弊社の23卒採用では、最終面接の前に、ある店舗の店長に会いたいと言ってきてくれた学生が印象に残っています。パフォーマンス的に言っているのではなく、ちゃんとした理由があってのことだったので、自分から行動を移す意欲が見えていいなと思いましたね。自分自身が学生だった時は、必要以上に人事の方の顔色を伺ってしまうところがありましたが、実際に自分が人事の立場になってみると、そんなに興味を持ってくれたのか!と、すごく嬉しかったです。

トゥモローランド立石:去年から店舗での長期インターンシップを実施しているのですが、22、23卒の学生さんたちの中で、お店のスタッフとのコミュニケーションを通して、志望度を上げてくれた方が複数いたのが印象的でした。

コロナ禍で、対面でのイベントを開催することができず、説明会など人事とのコミュニケーションだけに偏りがちだったのですが、実際の仕事風景に触れた上で内定を決めてくれたことは、嬉しかったです。

──やはり面接だけでなく、その人らしさが伝わる行動力というところも基準になってくるのですね。

資格ってホントに有利?

アパレル 24卒

──では、優秀な学生とはどんな学生だと思いますか?24卒の学生さんなど、これから実際に選考を受ける方の参考になればと思います。

タキヒヨー森:個人的に、資格などはあまり重要ではないと思っています。小売での新卒採用は、ブランドへの共感などポテンシャル採用になるため、資格を持っているというような表面的な優秀さなどにはとらわれなくてもいいのかなと思います。

トゥモローランド立石:森さんのおっしゃる通りだと思いますね。もちろん資格は努力の結果なので興味を惹かれますが、最終的に資格の有無だけで合否が決まることは正直ないかなと。

ユニオンゲートグループ中尾:弊社も同じですね。書類上だけで判断できるようなところは、見てないかなと思います。特に新卒だとポテンシャル採用で、自社らしさを持ってくれてる方がいいなっていうのがすごくあります。

「好きなこと」に打ち込んで見えてくるもの

──次の質問は「就活本番前に、人事目線でやったほうがいいこと」です。24卒の10月時点ですが、今やっておくべきことはありますか?

トゥモローランド立石:自分の言葉で話す練習です。面接で、自己PRや志望動機を一生懸命覚えてきてくださる方がいらっしゃるのですが、定型文でお話されるより、言葉に詰まってしまったり、緊張して少しうまく話せなかったとしても、自分の言葉で話してくださる方が、熱意が伝わると思います。

エントリーシートもしっかり読ませていただいているので、同じ内容をそのまま話すよりは、違うことも見えた方がコミュニケーションがしっかり取れると思います。あとは、実際にお店やウェブサイト、SNSなどをぜひ見て頂きたいですね。

ユニオンゲートグループ中尾:部活やサークル、アルバイト、趣味など、好きなことに向き合うということですね。

私自身、学生時代にやりたいことが具体的に思い浮かばなく、とても不安を抱えた就活をしていました。そのような中で、古着屋のアルバイトに力を入れて取り組んでいるうちに、得意かもしれないということに気づけた結果、やりたいことが見つかり内定にもつながりました。

自己分析も、もちろん必要ですが、何かにガッツリと打ち込んでみるというのもいいかもしれないです。好きなことが、別の場面で活かされたりすることもあると思うので。

タキヒヨー森:本当にお2人のおっしゃる通りで、「就活だから」とかではなく、頑張ることや面白がることは、すごく大事だと思っていて。弊社はインターンシップや、体験型のイベントも沢山行っているのですが、「何個ぐらい出れば早期選考に参加できますか?」というような質問をよくされます。最短の経路のためにイベントに参加して評価を高めるというよりも、いかに知的好奇心を持っているか、そこから目標を設定していかに価値を引き出せるかが、最終的な評価にもつながっていくと思います。

「本当」を知るためのインターンシップ

アパレル 24卒

────最後の質問になりますが、「インターンのこともっと教えて!」というテーマで、インターンシップについての詳細を教えていただきたいです。

タキヒヨー森:実際に各事業拠点のマーケットリサーチをするような業務体験型イベントなど、複数の対面型インターンを実施しています。

オンラインでは、テキスタイルのものづくりの難しさを知ってもらうイベントや、SNSやWEBメディアを通して、どのようにマーケティングに役立つ情報が得られるのかを学ぶイベントなどを行っています。オンラインのインターンシップでは、自由課題とそれに対するフィードバックも行っています。

明文化したかたちで評価の優遇などはしていませんが、きちんと取り組んで頂いた方は、選考でも印象に残っていることが多いですね。相互理解を目的としてるので、ご要望があれば、それに応じてイベントを企画したりもします。

ユニオンゲートグループ中尾:弊社は、現在販売職体験のプログラムを作成中です。年末年始頃からスタートできるように、関係部署と協力し合って内容を決めています。同じ販売職でも、会社やブランドごとに接客の仕方は異なるので、弊社の接客の特徴や魅力を知っていただけるような内容で検討しております。

トゥモローランド立石:基本的に、夏からOne dayインターンシップを行っており、その他、オンラインでの会社説明会や内定者インタビュー、1年目の社員へのインタビュー会など人事以外にも関われる機会をつくれるよう、様々なイベントに取り組んでいます。

また、長期インターンシップでは、全国の直営店舗と本社でのバイヤーやプレスの職種を体験していただきます。バイヤーとプレス共に、キラキラしたイメージをお持ちだと思うので、逆に少し裏方の事務的な部分を知っていただけるような内容にしています。例えば、プレスも貸し出しをする時に、どれだけの方に関わりながらやっているのかなど、細かい作業を体験いただきます。

長期短期関わらず、インターンシップへの参加は、特に新卒の選考に優遇というわけではなく、まずはこの機会に会社を知ってもらいたいと思っています。

────様々な形態のインターンプログラムがあるようなので、本日ご参加いただいた皆様もぜひ興味があれば各社のインターンに参加してみてください。本日はありがとうございました。

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。音楽、ドラマ、食、本などすべてにおいて韓国カルチャーが好き。