左下:山本 奨(やまもと・しょう)2003年生まれ。京都産業大学 外国語学部 4年生。アパレル企業特化の合同説明会、READY TO FASHION 009の大阪会場に参加。2026年度新卒採用で株式会社トリートに入社を予定している。大学生時代は、リユースブランドにて買い取りを経験した。
右下:藤原 舞美(ふじわら・まみ) 株式会社トリート 人事部 採用担当。2018年に株式会社トリートに入社。神戸店、名古屋店にてドレスコーディネーターの経験を経て、2023年より現職。

ファッション・アパレル業界に特化した求人サイト、READY TO FASHIONを通して実際に内定を獲得された方にインタビューする本企画。

今回は、2025年に開催された合同説明会「READY TO FASHION 009」の大阪会場に参加し、株式会社トリートに入社を予定している山本奨さんにインタビュー。

アパレル業界に絞らず就活をしていた山本さん。どのようにウェディング企業と出会い、どんな魅力に惹かれて入社を決めたのか。内定獲得までの歩みについてお話を伺いました。

就活は30社受けないといけない?就活の思い込みにとらわれない選択

──まず始めに、自己紹介をお願いします。

山本さん(以下、山本):四年制大学で外国語を専攻しながら、アパレルリユースショップでアルバイトをしています。

アルバイトでは買い取りを担当していて、いわゆる古着以外にも、ワンシーズン前のコレクションブランドや、自分ではあまり選ばないジャンルの服にも触れられるんです。トレンドを知る勉強にもなり、楽しみながら働いています。

──アパレル業界でアルバイトをされているんですね。最初からアパレル業界を見据えて就職活動をしていたんですか?

山本:最初はアパレル業界に限らず幅広く見ていました。アパレル業界に就職すると決めてからは、セレクトショップ1社とラグジュアリー企業2社、そしてトリートの選考を受けました。

──幅広く業界を見ていたのには、何か意図があったんですか?

山本:先輩から「就職活動では30〜40社受けた」とよく聞いていたので、それが当たり前だと思い込んでいました。アパレル業界といえばセレクトショップやラグジュアリーしか新卒採用を行っていないと思っていたので、それだと数十社も受けられないのではと感じていたんです。

でも実際に動き始めると、多くの企業を受けるよりは一社一社に向き合った方が自分には合っていると気づきました。それからは好きな道に進もうと、自分の中で踏ん切りがつきましたね。

──それでアパレル一本に絞ったと。どんな職種を目指していたんですか?

山本:服を好きになるきっかけは、人からの影響が大きいと思い、販売職を希望していました。実体験として、友人からの薦めでファッションの幅が広がることが多く、自分も人に薦める側になりたいと思っていたんです。

接客を通じてお客様自身のことを知り、その方に合った提案をするのが理想だったので、企業選びの際にも「どれだけお客様に寄り添えるか」を軸に見ていましたね。

──そうだったんですね。READY TO FASHIONの合同説明会に参加した経緯は何だったんですか?

山本:外国語学部ということもあり、身近にアパレル志望の友人がいなかったため、情報収集に苦労していました。

大学で開催されていた説明会ではアパレル企業がほとんど参加していませんし、ネットの情報だけでは限界がある。そんな時に、インスタグラムの広告をきっかけにREADY TO FASHIONの合同説明会を知りました。

他社が開催していた、アパレル特化のオンライン説明会に参加したことがありましたが、有名企業が多く、目新しい情報をあまり得られなかったこともあり、実際に企業の方と会話をして視野を広げられるのではと思い、参加しました。

──実際に参加してみて視野は広がりましたか?

山本:結果的にトリートに入社を決めたこと自体が、視野が広がった証拠だと思っています。また、説明会では個別に説明してくださる企業が多く、企業の方と会話がしやすかったですね。

人事担当 藤原さん(以下、藤原):企業側にとっても、学生さんとじっくりコミュニケーションを取れるのは大きなメリットでした。ブライダルは特殊な接客業なので、感覚的な部分もありますが、会話の中で感じる心地よさを重視しています。対面イベントだったからこそ、オンラインでは伝わりきらない学生さんの人柄や雰囲気まで見れたと感じています。

──双方にとって距離の近さが生まれる場になり、うれしいです。トリートはどのような経緯で知ったんですか?

山本:参加前は「ブライダル系の企業も来てるんだ」くらいの認識で、正直トリートの志望度はそこまで高くなかったんです。でも、ブースの前を通りかかった時、人事の方から声をかけてくださって。

藤原:人事担当、数人で参加していたんですが、山本さんがキラッと目に留まって、声をかけたんです(笑)。

山本:ありがたかったです。トリートは、オープンな感じがとても好印象でした。社員の方の話し方が柔らかく、何でも聞いてくださる雰囲気だったので質問もしやすかったのを覚えています。

何度ものフィードバックが導いた、自分の就活軸

──トリートへの入社の決め手は?

山本:自分の就活の軸に照らした時、新郎新婦にとって一生に一度の特別なイベントで、その装いを提案できることに魅力を感じたんです。責任も伴いますが、その分やりがいも大きい。この業界ならではの接客ができるのではないかと期待を持てました。

──「どれだけお客様に寄り添えるか」という就活の軸とつながったんですね。

山本:販売職というと、服が好きな人に接客をする意識が強かったのですが、結婚式でタキシードを着られる方は、必ずしも全員がファッション好きとは限りません。そんな方にも、服の魅力を感じていただける機会だと思ったんです。

──企業として、山本さんに魅力を感じたポイントはどこだったんですか?

藤原:相手の話をきちんと聞きながら会話できるコミュニケーション力と、商材を理解しようとする姿勢ですね。私たちが扱うのは、人生に一度の特別なものです。コストを抑えてそろえることもできる中で、あえて価値あるものとして扱えることに共感してくださった点の評価が高かったです。

──説明会や面接を経て、「ここは他社と違う」と感じた部分はありましたか?

山本:一番は、選考ごとにいただけるフィードバックです。面接後に、よかった点や改善点などを的確に伝えてくださるので、トリートに限らず他社の選考にも役立ちましたし、企業選びの軸も深められました。

藤原:実は弊社では、合否に関わらず選考を受けてくださった皆さんに、考えを整理するお手伝いとして面談を行っているんです。新卒採用は人生を左右する大事なタイミング。結果がトリートであればもちろんうれしいですが、学生の方にとって「いい道」に導くことも採用の上で大切にしています。

──内定までにコミュニケーションを取る機会が多かったんですね。

山本:オンライン面接が2回、店舗で対面が3回。加えて、店舗見学の機会もあり、説明会も含めると計8回ほどお会いする機会がありました。

藤原:一般的なアパレルブランドに比べ、ドレスショップに足を運ぶ機会は限られています。そのため、会社やブランドの世界観を知ってもらう場として、店舗見学を積極的に実施しています。

山本:店舗見学では、お客様やスタッフの方が輝いている姿を目にし、率直に「素敵だな」と感じました。同時に、ドレスの歴史や知識への探究心も、より一層深まったと思います。

──面接後にフィードバックをもらうことで、選考では具体的にどう活かされましたか?

山本:最初は「なぜアパレル業界なのか」は考えていたものの、「なぜブライダルか」「なぜトリートか」が曖昧でした。ただ、面接やフィードバックを重ねるうちに、その答えに向き合えたんです。結果として、どんな接客をしているのかなどを口コミで調べたり他社と比較したりしながら、「トリートにしかない良さ」を確立していきました。

──考える中でたどり着いた、「トリートにしかない良さ」とは?

山本:多くのドレスショップでは新婦様が主役で、新郎様は引き立て役になることが多いんですが、トリートは、お互いが引き立て合うということを大切にされています。新郎様のタキシードを提案する立場としても、その考え方にやりがいを感じられると思いました。

就活で大切なのは、視野の広さ

──就職活動を通して、壁に感じたことはありましたか?

山本:キャリアビジョンです。数年先の自分をイメージして長期的な目標を立てることに苦手意識がありました。なので、まずは企業理解を深めて、将来的に何ができるのかを把握し、自分がそこにどうアプローチできるかを考えながら進めていきました。

──やっておいてよかったことはありましたか?

山本:自分の長所と短所を把握していたことですね。アルバイト先では、半年に一度フィードバックがあり、社員の方から客観的に評価をいただけるので、自分を冷静に捉えられるようになりました。

もちろん短所も努力次第で改善できますが、あえて短所を避けて長所を伸ばす視点ができるのは、業界選びにも役立ったと思います。

──アパレルでのアルバイト経験が活きた部分はありますか?

山本:買い取り担当だったので、接客の経験は少なかったのですが、商材に詳しい方や中古相場を知っている方が来店されることも多かったんです。そういった方に納得いただくための折衝力は身についたと思います。

──入社を控えた今の気持ちは?

山本:楽しみ半分、不安半分です。お客様に寄り添える接客ができるのは楽しみですが、フォーマルは未経験なので知識面には不安もあります。ただ、10月から内定者アルバイトで店舗のシステムやフォーマルの知識を学べるので、少しずつ不安を解消していきたいです。

──⼊社後の目標はありますか?

山本:人に教えることが好きなので、将来的には教育に関わるポジションにつけたら理想です。自分が育てたスタッフがお客様を笑顔にしている姿を見れたらうれしいですね。

──最後に、アパレル業界を⽬指す学⽣にメッセージをお願いします。

山本:就職活動では、視野を広く持つことが大切です。アパレル業界といっても、セレクトショップだけではありませんし、新卒採用をしている企業も多くはありません。そうなった時に、オフラインイベントなども活用して業界の幅広さを知ってもらえたらと思います。

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。