繊維商社のファッション業界への想い。学生との新しいコミュニケーションで生まれる波及効果

READY TO FASHIONが開催するファッション・アパレル業界に特化した採用イベント「READY TO FASHION OFFLINE」。
2019年9月に開催した「READY TO FASHION OFFLINE 005」では、はじめての参加ながらもそのアグレッシブな姿勢と、参加者をひきこむ展示が印象的だったタキヒヨー株式会社(以後|株式会社略)。
採用イベントをどのように位置付け/どのように活用しているのか、タキヒヨーの採用活動とあわせて採用チームの森様にお話をお伺いした。

課題
認知度不足
現状
来てもらいたい層に認知してもらうことができた
未来
ファッション業界の裾野を広げていきたい。食い合うのではなく業界全体のパイを広げることができたら

企画から生産まで手掛ける繊維商社の採用課題とは?

早速なのですが、タキヒヨー株式会社についてお伺いしてもよろしいでしょうか?

業種でいうと、繊維商社です。
1751年創業で、268年の歴史がある会社です。
「商社」というと、大量に仕入れたものをさまざまなところに売りさばくというようなイメージが強いかもしれませんが、私たちは“企画力”に強みを持っています。
素材という点では、自社でオリジナルの素材を研究・開発していますし、
アパレルの方でも自社でデザイナーを抱え、お取引先に対しては企画力といった切り口で提案をさせていただいています。
また小売ではZOYというゴルフウエアのブランドを展開しています。
まさに、川上から川下まで手がけることができる繊維商社というのがタキヒヨー株式会社です。

繊維商社のファッション業界への想い。学生との新しいコミュニケーションで生まれる波及効果 株式会社タキヒヨー 森様

企画から生産、まさに川上から川下までを手がける商社という、独自性があるにも関わらず、採用という観点ではどうしても”商社”と一括りにされてしまいますよね。
そういった中で感じる採用課題はありますか?

一番は認知度がないというのが大きな問題です。

BtoBのビジネスを行なっているということもあり、
本当はタキヒヨーの商品を手に取ったり、身につけたりしている可能性はあるはずなんですけど、皆さんの手に届く頃には違うブランドの名前となってしまっており、あまり知られていないのかなと感じます。
年間5000万着ぐらい取り扱っているのですが、全く知られていなくて、、、
ものすごく服が好き、ものづくりに携わりたいという方の間でも、知られないまま就活が終了してるということも多いです。

いざ知ってみると興味を持っていただけるということは今までも割と多かったのですが、認知してもらうということは本当に難しいですね。

来場者の層が求めている層と近いことがイベント出展の大きな要因に

認知してもらうということに対して様々なアプローチがあると思いますが、
これまではどのような施策を行ってきましたか?

今までやってきたことでいうと、今も継続しているのですが、いわゆるナビサイトに出稿したり就職支援会社が展開している合同説明会に出展し集客をするとか、インターンシップもナビサイトに出稿したり、大学に挨拶まわりし、大学を経由していただくなどマスに向けたアプローチがほとんどです。

そうなると歩留まりが悪いというか、本来の層にリーチできていないなと感じていたので、自分なりに、外部のいろいろな大学のサークル、特にファッションが好きな層を狙って回りはじめたんです。
少しづつ繋がりが広がり手応えを感じている中で「READY TO FASHION」を知りました。
総合職の採用においては基本的には四大卒以上を求めているということもあり、ターゲットと「READY TO FASHION」の抱えているユーザーとがマッチしていたので、イベントに出展させていただきました。

ありがとうございます。

世間的にはファッション業界という括りで見る学生は少なく裾野は広くありません。対象を絞らないマス向けの施策だけでは費用対効果があまり振るわないこともありますよね。
以前も大学でキャリアセミナーなどをした際、就活の先生としか認識されていないこともありました。
タキヒヨーという会社の人、こんな事をしている会社の人という認識をされなかったので、セミナー自体に人は集まるが自社への興味へは繋げることはできませんでした。
なので、合同説明会などでも、本当に興味のある層が来てくれているかどうか、やはり難しいのかな、というのは正直ありましたね。

繊維商社のファッション業界への想い。学生との新しいコミュニケーションで生まれる波及効果 株式会社タキヒヨー 森様

ファッションに特化しているのでこれまでとは違う打ち出し方が可能に

実際にOFFLINEに出展した時のお話をさせていただきたいのですが、ブースは盛況でしたか?

そうですね。

我々は繊維商社の中でも結構色々やらせていただいています。
これまでだと、皆が興味持ちやすい、例えば◯◯(名前は伏せさせていただきます)に興味を持って集まってくださることが多かったので、業務の内容をきっちり知ることがないまま終わってしまうことも多かったんです。
認知の稼ぎやすい要素と、会社の中身に乖離みたいなのがあって、、、
◯◯だけだったらそれを打ち出せばよいのですが、そういうわけにもいかないですから。(笑)

そういった部分を一切打ち出さず、繊維商社ですと打ち出したことが、そのままちゃんと理解されるというのはすごいやりやすかった。
一旦、人を集めるためにポップなネタで攻めてということをせず、正直に自分たちのことを話して、それ自体を魅力的に思ってくれるというのはよかったです。

直近の採用だけでなくその先の採用を見据えた効果に期待

後の質問に関することまでお話いただいたので、このままお伺いさせていただきます。
その他参加した際に感じた良かった点等あればお願いします(笑)

他の会社はわからないですが、最近の弊社の採用方針的に良いと思ったのは、採用年度以外の学生が結構来てたことですね。
2回生なんかも来てOKという中で、事実2回生が多かったのは、個人的にはすごい良かったです。
通常、合同説明会だと、100人来た場合、リーチできるのはその100人だけですよね。
でも、例えば、2回生であったりとか、「READY TO FASHION」でつながりのあるサークルの方が来てくれた場合、それぞれのコミュニティに情報を広めてくれる可能性が高いはずなんです。
実際、想定以上の方に来ていただいたということもありますけど、
それ以上の広がりをもって伝わってるんだろうなというのは手応えとしてもあるのでそれは一番良かったところかなと思います。

以前のOFFLINEで、イベント参加以降、16名の方にインターンシップに参加頂けたとの共有をいただきましたが、
それにプラスしてご友人を呼んでいただく等波及効果があったということでしょうか?

そうですね。

多くの方に来ていただけましたか?

とある学生の方で5、6名連れてきてくれたこともありました。
実際その場に来てくれたのは3回生の方が多かったんですけど、連れてきてくださる前に、グループLINE等で情報として伝えてくださってると思います。
だとしたら、後輩の方の頭の中にも情報として、残っているはずなので次年度以降の採用としてもやりやすくなるかなと思います。

ファッションという入口から入ってくれているので、タキヒヨーの良さをファッションの観点からちゃんと評価してくれている方に集まっていただいている実感があるのでそれは嬉しいですね。定量的な効果以上のところはこれから楽しみです。

話をお伺いする中でファッションというワードを多く使われている印象があります。
一般的にイメージする商社の採用ターゲットとは少し異なるのでしょうか?

社内を見渡せば当然それぞれに個性があります。
商社でよく言われる体育会系の部分もないとは言えないですが、
今のところは、ファッションが好きかどうかが重要であると考えています。これは社長の方針や社風も影響しています。

求める人物像はひとつではないじゃないですか。
ファッション好きである、クリエイティビティがある、
色々な観点がありますが、どれも求める人物像に該当するので、それぞれにアプローチしていきたいですね。

繊維商社のファッション業界への想い。学生との新しいコミュニケーションで生まれる波及効果 株式会社タキヒヨー 森様

確実に高まった学生とのコミュニケーションの質

OFFLINEに出展していただいて今日まで何か社内で変化したことはありますか?

一番は、学生とのコミュニケーションの質が確実にあがったなと感じます。
会社として上から業務内容を説明して、そうなんだと学生が勉強するみたいな形ではなくて、フラットにコミュニケーションが取れるので、こちらから教えることもあれば、逆に学生から教えてもらうことも増えました。

OFFLINEで接点を持った方に展示会にも来ていただき、そこで現場の人間と今の取り組み等についてお話する機会を設けたんです。
タキヒヨー株式会社は、2019年3月からサステナブル専門の部署ができたんですけど、話をする中で、サステナブルに、より関心の高い若い方達に向けて、どんどん発信していかなければいけないと実感できたという話をいただきました。
それってすごい良いことだなと思って。
コミュニケーションの質という意味では採用にとどまらず、そういったところにも広がってきています。

サステナブルというと、ワードとしては広がっているものの、ビジネスとしては難しいという話を耳にする中で、
若い方がそれだけ興味を持っているということに気づけたのは、次のステップに進むにあたってすごく大事なことだなと思います。

コミュニケーションという点でいえば、
OFFLINE当日も学生に積極的に声をかけてくださっていたのが印象的でした

うちはアグレッシブだから。(笑)

OFFLINEは双方向のコミュニケーション、1対1のコミュニケーションを大切にしているのですが、学生の声をしっかりと拾う、その中でお互いをしっかり知ることができると思っていて。

そうそうそうそう。
色々なところで今の学生のデータを目にすることもあるんですけど、実際どうなんだと感じることも正直あるんですよ。
その点、直接のコミュニケーションによって、普段はこういうものを見てるんですよ〜とかこういう風に感じてるんですよ〜とか教えてくれるので、
その後のアウトプットに手を加えることもできるし、我々が良いんだと信じてたことがずれているなってはっきりわかりますよね。
1対1で対話できるというのは、そういう意味でもすごく大事な機会と捉えています。

繊維商社のファッション業界への想い。学生との新しいコミュニケーションで生まれる波及効果 株式会社タキヒヨー 森様

ファッション業界全体を魅力的に感じてもらうために。

話が前後してしまい申し訳ありません。
先程お話いただいたように、展示会に呼んで現場の方とお話いただくといった活用をしてくださることは、正直想定していなかったので、私どもとしても嬉しい限りです。

採用チームでも言ってるんですが、ファッション業界は正直不人気で、BtoBなんかは特にそうで、その中で食い合いをしても仕方ないんですよ。
取り合いをしても仕方なくて、まずそのパイをひろげるために、
ファッションが面白いとか、ファッションという切り口で見るのもありなんだなと思ってもらうことの方が大事だと思っています。

そういう意味では、例えば、
「タキヒヨーって会社を見て思ったけど、ファッション業界って面白いんだな、繊維業界って面白いんだな」という1人の感想が、後輩や友人達に伝わり、また、それが繰り返されたら、どの会社もプラスになるじゃないですか。ファッション業界にとっても。夢見がちかもしれないけど、そういう風になっていくべきだと思います。

私もそう思います。
とはいえ、どうしても自社優先、自分優先で考えてしまいがちじゃないですか?

何度も言うように、取り合いしてもしょうがなくて、そういう意味で「READY TO FASHION」には期待しています。
「READY TO FASHION」がもっと大きくなっていけば、もっとファッションに興味を持つ学生が増えて…
そうするとみんなwin-winじゃないですか。そういうのはすごい感じるんですよね。

最近スクラム採用ってあるじゃないですか。会社内の。
もっと業界でスクラム採用した方が良いというか…
合同でインターンシップをやるのも面白いですよね。
1日目はA社、二日目はB社でといった形でのインターンとか、サプライチェーンや小売りなども含んでやるというのも良いかもしれないですよね。他を貶めるではなくてね。
皆良い会社だねって思ってもらえると良いなぁと思います。

私も3社程度で集まりインターンシップを開催しているという同様の事例を聞いたことがあります。
そういうのが業界で広がるのも面白いですよね。

そういう意味ではこの前のイベントみたいに、イッセイミヤケさんとかベイクルーズさんに話を聞きたくて参加する中で、意外と商社良いじゃんて思ってくれた方もいるだろうし、もうちょっと「OFFLINE」が大きくなって繊維商社がいくつか参加した時に、商社という括りで見ていた人たちが、ファッションの他の業態もいいじゃんてなるかもしれないですよね。

全部言っていただきましたね。(笑)

めっちゃ喋るんで、ちょっと喋りすぎだよね。(笑)

私たちも実際にそういうところを目指していますし取り組んでるところで、やっぱり新しい業種の企業も増やしていきたいですし、とある業種に興味があって参加したものの、実際に話を聞いてみたら、こっちもいいじゃんみたいな世界観になればと思います。参加企業が増えると、意外とこんな仕事してるんだとか、業界全体を知ることができますから。

例えばですけど有名な素材メーカーさんとか出たら面白いですよね。
もっと大きくなればなるほど、あらゆる業種の企業が出展してシナジーがうまれてくると思うので楽しみにしてます。

でも面白くないですか。
化学系の素材メーカーさんとか…おそらくファッションではない括りで見てる方も多いから、そういう方たちがイベントに来てアパレルブランドも良いじゃんってなってくれるかもしれないだろうし。

そうですね。違う属性の学生を呼ぶことができるので良いですね。

繊維商社のファッション業界への想い。学生との新しいコミュニケーションで生まれる波及効果 株式会社タキヒヨー 森様

OFFLINEの成果は…?

内容が重複してしまい申し訳ございません。イベント経由でのインターンシップ参加が16名とお伺いしましたがいかがでしたか?

うちはあんまり大規模なインターンシップを毎回行っていないので、変な話この会議室に入る規模でしかやらないんですよ。
どれだけマックスでも15人ぐらいでしかやらないんです。

1度参加者が20人になった時は、たまたま土曜日だったので隣の会議室を使って、2部屋にわけて説明するなんてことがありました。(笑)

でも基本は最大15人程度でしかやらないので、
そのような規模でやってる中、これだけの人数来てくれたっていうのは結構嬉しいですね。

今年、東京地区では1DAYを3種類やってるんです。素材の方から実際に商品を企画するところまで。
サプライチェーンの順番を追っていくつかできるようにしてて、そこに複数回来てくださってる方とか、次の段階の申し込みをしてくれている方も数人いる状況なので、それこそ「READY TO FASHION」をきっかけに会社理解を深めてくれた準備段階の方っていうのが結構いるように思います。

ありがとうございます。
ちなみに本選考の方は…?

一応現行のルールどおりに採用しようと思っていて、
3月から説明会開始っていう、解禁の日程は守ってやるつもりです。

それまでは、インターンシップなどそれ以外の接点を持てたらという進め方ですか?

そうですね。合間でコミュニケーションをとってというのをやっていこうと思います。

インターンシップはどのぐらいの頻度で開催してますか?

そこそこやってますね。
種類を増やしたということもあり、多い時は週2回、毎週に近いぐらいやってますね。
それぐらいのペースでやっていると、忙しい方、都合の悪い場合でも月1回ぐらいは会えるので、うちとしては関係を築きやすいかなと思います。

OFFLINEでつながった方を採用していただけると我々も嬉しいです。

それができるとうちとしても嬉しいですね。
正式にこのチームでやるのも、今年からなので、それができたら僕らとしてもすごいドヤ顔なんですよね。(笑)
自分たちが考えたやり方でちゃんと繋がるっていうのが、成果になるわけですから。
今のところ自信はあるのでこのまま行ければなと思います。

繊維商社のファッション業界への想い。学生との新しいコミュニケーションで生まれる波及効果 株式会社タキヒヨー 森様

OFFLINE参加のメリット・デメリット

OFFLINEで感じたメリットがあれば改めて教えていただきたいです。

四大卒で、ファッションに興味がある方たちにきちんと会って関係を築くことができる。
割とフラットに話をしやすい環境ということもあり、良い意味で合同説明会っぽくないので、仲良く、タメ口に近い感じで話すことができましたね。
僕が割と馴れ馴れしいキャラクターなので、よりそうだったかもしれないですが。(笑)

反対にデメリットに感じる部分はありますか?

単純に、より大きくなればなるほど出展企業としては嬉しいですね。
コンセプトがぶれない範囲であればどんどん大きくなっていただきたいです。

そこでうまれるシナジーに期待してということですか?

そうですね。
変に学生を増やそうとして、コンセプトをぶらすようでなければ、増えれば増えるほど僕は良いかなと思います。

では、デメリットは規模が小さいということでしょうかね?(笑)
まだシナジーがうまれにくいと。

デメリットは裏返しだと思うんですよね。
特化してるからこそ仕方ない部分はあるはずなので、そこは許容というか当たり前のことですからね。

細かいところでいうと、オペレーションの部分でもあるかもしれないですけど、それはやっていけば、改善していくものなので。
高野さんが延長コードに足をひっかけて抜いちゃうとか。(笑)

申し訳ありませんでした。(笑)

それは別にデメリットではないですね。(笑)
オペレーションで当日不満があったとかはないですし、そもそもイベント会社ではないですから。

学生のアナウンスという面でも甘かったというご指摘をいただくこともありました。

想定通りに事が運ばないこともありますからね。

繊維商社のファッション業界への想い。学生との新しいコミュニケーションで生まれる波及効果 株式会社タキヒヨー 森様

次回のOFFLINEに向けて

次回の参加も決定していますが、期待することはありますか?

次回は2月ですよね?
選考開始前の重要な接点と捉えています。
今まで来てくれた方、すでに接点がある方が来てくれたらもっと関係を深める機会になるし、また、その頃になると、就活について本格的に考え始めた方もいるはずで、そのような方とは今後のきっかけとして新たに接点を持っていきたいですね。
前回と層が変わるのかなと思うので、どちらが良い悪いではなく期待しています。やはり楽しみですね。
直接採用につながる場合もあるし、次の世代につながるというパターンもあるかもしれないし。
単にコスパというか、その場で何人接点もって、何人つながりましたみたいな定量だけを追いかけているわけではないので、広がりがあれば良いなというのがあります。

次回のOFFLINEも有意義なものになればと思います。
本日はありがとうございました。

ありがとうございました。

ファッション・アパレル業界に特化した
READY TO FASHIONのサービス資料をダウンロード


その他の企業の声

多業務をこなす中での採用手法

多業務をこなす中での採用手法

2022.12.08
150応募→6人採用、効率的な採用を成功させたファッション企業の攻めの手法とは?

150応募→6人採用、効率的な採用を成功させたファッション企業の攻めの手法とは?

2020.01.20
ファッションECの先駆者によるインフルエンサー採用とリファラル採用

ファッションECの先駆者によるインフルエンサー採用とリファラル採用

2020.01.20
2名のデザイナー、1名の生産管理と即戦力人材の採用に成功

2名のデザイナー、1名の生産管理と即戦力人材の採用に成功

2022.04.04
動いた分だけ結果が出る。定期的に求人の更新をすることで応募数が増加

動いた分だけ結果が出る。定期的に求人の更新をすることで応募数が増加

2023.05.02
新しい風を吹き込む若手を EC即戦力を3人採用

新しい風を吹き込む若手を EC即戦力を3人採用

2021.05.17