キャリアアドバイザーK:READY TO FASHION 人材紹介担当。ジュエリーブランドにて販売・店舗マネジメントを経験後、都内百貨店のジュエリーブランドで約9年間、販売から店舗運営・人材マネジメントまで幅広く従事。その後、現場で培った接客・育成スキルを活かし、人材紹介業界へ転身。ファッション・ラグジュアリー領域に特化したエージェントとして、RA・CAの両面を経験した後、READY TO FASHIONに参画。業界への深い理解を強みに、求職者一人ひとりに寄り添ったキャリアコンサルティングを強みとしている。

ラグジュアリーブランドへの転職を考える上で、「インセンティブってどのくらいもらえるの?」「ノルマは厳しい?」といった給与面の不安を感じる方も少ないはず。

本記事では、ラグジュアリー転職に精通したキャリアアドバイザーに、ラグジュアリーブランドの給与体系の基本から年収アップの考え方、交渉時のポイントまで詳しく伺いました。

ブランドによって変わるインセンティブ制度の実態

──ラグジュアリーブランドの給与体系は、どのような形が一般的ですか?

基本的には年俸制で、そこにインセンティブが上乗せされるケースが多いです。年俸の分割回数は企業によって異なりますね。

──インセンティブ制度について、仕組みや年収への影響を教えてください。

前提としてインセンティブの内容は企業やブランドによってさまざまで、上層部の交代などによって内容が定期的に変わることも少なくありません。「インセンティブが高い・取りやすい」という理由で転職される方もいますが、同じ条件が続くとは限らない点には注意が必要です。

その上で、制度が充実しているブランドでは、かなり細かく設計されています。例えば、毎月の店舗予算や個人予算の達成に応じたものに加え、四半期・半年・年間の達成、さらには高額商品の販売時など、複数のタイミングでインセンティブが発生します。そのため、結果次第では年収が大きく上がるケースもあります。

支給額の幅も大きく、比較的シンプルな制度のブランドでは、年間のインセンティブは50万〜100万円程度が目安です。制度が充実している企業では、インセンティブが固定給を上回る場合もあります。実際に、年収が350万〜400万円ほどの方でも、インセンティブだけで年間200万〜300万円ほど支給されるケースもあります。

──インセンティブの存在は、年収を考える上でかなり重要ですね。ブランドごとに違いはありますか?

特に時計や宝飾系のブランドは制度が細かく、複雑な設計になっている傾向があります。評価指標や支給タイミングが多く、成果に応じて大きく収入が伸びやすいのが特徴です。

中には、そもそもインセンティブ制度がないブランドもあります。特にインディペンデント系のブランドでは、商品の価格帯や顧客層の特性からインセンティブを設けていないケースも少なくないです。その分、ベースの年収がやや高めに設定されている傾向があります。

──その場合、どのようなKPIが想定されるのでしょうか。

そうしたブランドでは、売上だけでなく、顧客数や関係構築といったプロセス面も評価指標になることが多いです。こうした評価制度を踏まえると、報酬面では、等級制度に基づいて長期的に昇給していくケースや、ハイクラス人材を前提に、入社時から高水準の給与が設定されているブランドもあります。

ラグジュアリーブランドで年収を上げるためのキャリア戦略とは

──ラグジュアリーブランドで年収を上げていくには、どんなキャリア戦略が有効ですか?

時計・宝飾系のブランドは、アパレルと比較して単価が高く、年収の水準自体が高い傾向にあります。また、インセンティブ制度が充実しているブランドも、成果次第で年収を大きく伸ばしやすいですね。ただし、高い接客力や豊富な顧客基盤を持ち、結果にコミットできるプレイヤーであることが前提となります。

一方で、そうしたブランドでなくても、年収を上げていくことは可能です。例えば、上位ブランドかつ、1店舗で100名以上のスタッフを抱えるような大規模店舗や旗艦店など、重要度や期待値の高い店舗でマネジメント職に就くと、年収レンジは上がりやすくなります。

──店舗配属によっても差は出ますか?

配属店舗も年収に影響する重要な要素です。路面店や旗艦店、来店数の多い百貨店などは売上規模が大きく、インセンティブの獲得やVIP層の顧客形成、インバウンド需要の取り込みといった面でも有利になりやすい傾向があります。

また、比較的幅広い顧客層の形成という観点では、ハウスカード会員や外商顧客を抱える百貨店の方が強みを持つケースもあります。

面接時に希望の配属を伝えていただいても問題ありませんが、「なぜその店舗で働きたいのか」をロジカルに説明できることが前提です。その際は、あくまでもこれまでの接客経験を踏まえ、「どの環境であれば自身が即戦力として価値を発揮できるか」という視点で伝えるのがベストです。

──以前お話にあった「ラグジュアリーブランドのピラミッド構造」を踏まえることも重要ですね。

そうですね。シビアではありますが、ピラミッドの下位に位置するブランドでトップセールスの実績があっても、いきなり上位ブランドに転職する、いわゆる飛び級は難しいのが現状です。そのため、基本的にはブランドの立ち位置に応じて、段階的にキャリアアップしていくことが現実的です。

また、上位ブランドに行くほど、単純な売上実績だけでなく、顧客との関係構築力やブランド理解、立ち振る舞いといった総合的なスキルが重視される傾向があります。

自分が今いるブランドの立ち位置と、次に目指すべきポジションを把握したうえで、無理のないステップを設計していくことが、結果的に年収アップにもつながりやすいと言えます。

──年収を上げるための転職において、交渉や進め方の面で意識すべきことはありますか?

基本的には、内定が出た後にエージェントを通して交渉するのがベストです。まずは内定を取ることを優先して、その上で進めるのが現実的です。

個人で交渉する場合は、源泉徴収票や直近の給与明細、賞与の実績など、客観的なエビデンスをもとに相談することが重要です。

──年収アップの幅としては、どの程度が現実的なのでしょうか。

一般的には年収の10%アップが一つの目安です。ブランドによっては100万円近く上がることもありますが、もともとの年収が高くなるほど上げ幅は小さくなっていきます。

また、現在の年収より低い提示の場合は交渉の余地がありますが、すでに大きく上がった条件で内定が出ている場合は、追加交渉が難しいです。現実的なラインを見極めながら進めることが大切です。

基本的には前職からの年収アップが前提となるケースが多いものの、企業ごとの給与レンジやブランド、ポジションによっては年収が下がる可能性もあります。年収アップが必ず実現するという前提で捉えない方がよいでしょう。最終的には、これまでのご経験と面接での評価が、内定獲得や年収アップを左右します。

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。