インスタグラム(Instagram)のいいね数やフォロワー数がステータスともなり、それらをより多く獲得するためのサービス等も増えてきている中、より手軽にいいね&フォロワーを増やすことができる自動販売機がロシアの首都モスクワで誕生した。この自動販売機で買うことのできる商品とその値段は、以下の通り。

・100いいねが50ルーブル(約100円)
・100フォロワーが200ルーブル(約200円)

個人的には値段にだけ絞って言うと、比較的安いように思える。しかし、実際にこの自動販売機があったら世の若者はどう捉えるのだろうか。自動販売機でいいねやフォロワーを買う?買わない?というアンケートを実施してみた。

アンケート結果から読む世論の見解

READY TO FASHIONではこの自動販売機があったらいいねやフォロワーを買う?買わない?というアンケートをtwitterにて実施した。

するとどうだろう、意外にも絶対に払わないという人が86%と9割近くを占める結果となった。いいね数やフォロワー数が若者のステータスともなりうる中、READY TO FASHIONのアンケート回答者の方はフォロワーの数よりも、それをしてくれる友人や知り合いといった繋がりに注目する傾向にあるのかもしれない。単にそこまでして、と思って人もいるだろうが、アンケート調査の対象層を変えてみるとまた違った反応も見られそうだ。

インスタグラムの現状から見る自動販売機の可能性

同SNSは、2010年に開始されてから今年で7年、5億人という圧倒的なユーザーを全世界で獲得、他のモバイル写真共有アプリと一線を画している。芸能人やモデル、一般人まで幅広い層が使用し、2015年からのアプリ内における広告掲載やインスタグラマーといった新たな職業の誕生と、その勢いは留まることを知らないかのように感じる。

インスタグラムでは一般人でも数千、数万のフォロワー数を誇る人がいる。所謂インスタグラマーやインフルエンサーと呼ばれる芸能人顔負けの情報発信能力を持つ一般人がインスタグラムにおいて台頭する中、誰もがたくさんの人に気軽に自分を知ってもらえるチャンスがあることから、いいね数やフォロワー数は、特に若者にとってひとつのステータスになっていると言える。

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また学生など資金がなくともいいね数やフォロワー数を増やすことで世間、業界に向けて自分のファッション、スタイリング、作品を発信できるという点で、業界を目指す若者に対して大きな可能性を提供している。実際にインスタグラムでの投稿を見て新たなファンや顧客の獲得や、企業や媒体、ブランドに目を向けてもらえる可能性もあることから、特にファッション業界を目指す若者にとって欠かせない存在となりつつある。

そんな世の流れに合わせ、これまでにもフォロワーを増やすことのできるWebサービスなどは既に作られてきたが、この自動販売機のように手軽に購入できる存在はこれが初めてではないだろうか?どこか手を出しにくいWebサービスと比べ、この自動販売機は一般人にとってより気軽にフォロワーを増やそうとするアクションを起こしやすい手段である気がする。

インスタグラマーやインフルエンサー、自分をより幅広く発信したい若者にとってフォロワー数は単なる数字ではなく、その発信能力の高さと浸透性を意味する。それを考慮すると、この自動販売機の誕生は、現状への皮肉とともに、この業界に一石を投じるものになったのかもしれない。


text:S.Kamegai (READY TO FASHION MAG編集部)

illustration : Akari.K(READY TO FASHION MAG 編集部)


READY TO FASHION MAG 編集部

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