アパレル業界を目指す方、また現に働いている方のために、アパレル業界の最新動向を知ることができるニュースをピックアップする月刊連載企画「編集部が気になるアパレル業界ニュース」。

今、アパレル業界ではどんなトピックがホットなのかを知ることで、企業選びや職種選び、面接対策などで役立つこと間違いなしです!ぜひご覧ください。

大手セレクトショップ3社が入社式を実施

大手セレクトショップである株式会社ユナイテッドアローズ、株式会社ベイクルーズ、株式会社ビームスの入社式が4月1日に行われました。

ユナイテッドアローズは原宿の商業施設、「WITH HARAJUKU」で行い、昨年より50人多い128人が入社。

ベイクルーズは渋谷の「TRUNK HOTEL」に、前年の4倍で過去最高人数となる241人(アパレル事業216人、フード事業25人)の新入社員が集結。会場にランウェイを設置し、ファッションショー形式で入社式が行われました。

また、新入社員がインスタグラムに投稿したスタイリング投稿で全社員の中から最もいいねを獲得した人を表彰する「スタイリングアワード企画」が行われるなど、アパレル企業らしいコンテンツでも盛り上がりを見せたようです。

ビームスは93人の新入社員が出席し、設楽洋社長から一人ひとりに辞令書が手渡されました。

今年は、大手3社とも昨年より多い採用数となりました。ユナイテッドアローズでは22年卒から2年間の複数業態を経験した後に、3年目から本配属を決定したり、ベイクルーズでは数ヶ月に及ぶ長期インターンシップを実施したりするなど、各社で採用数増加に向けた取り組みがされています。

現在25年卒の就職活動真っ只中ですが、ユナイテッドアローズではさらなる採用数増加を目指しているそう。来年度の採用状況にも期待が高まります。

参考:セレクト大手3社が入社式 ベイクルーズは過去最多の241人が入社

未来ガ驚喜研究所が2024年6月から賃上げを発表

アパレルリユース企業、株式会社未来ガ驚喜研究所が2024年6月から賃上げを実施します。

同社はこれまで、通常の有給休暇とは別に3日間の休暇と旅費代として3万円の助成金を社員全員に付与する「バカンス休暇」制度や、勤務地から5km圏内に住む社員へ3万円の助成金を付与する取り組みなどを実施。また月平均残業時間は4.2時間、平均有給休暇取得日数は14.3日とアパレル業界では異例の数字を示すなど、アパレル業界での労働環境改善に取り組んできました。

2023年度に過去最高の営業利益を達成した同社は物価高騰に伴う賃上げではなく、ウェルビーイング経営の実践に伴い、長年計画していたという給与のベースアップに踏み切りました。

これに伴い、賞与の予算も前年比185%に増加。全社的な平均年収が512万円から612万円にアップし、アパレル業界最高水準に達しました。

また、2025年度より年間休日日数を114日から120日にする計画を発表。今後もアパレル業界随一のウェルビーイング経営を目指していく方針です。

参考:アパレル業界随一のウェルビーイング経営に向けてRINKAN運営会社・未来ガ驚喜研究所が賃上げ

高島屋が1月1日・2日を休業にする方針

高島屋は1月1日・2日の2日間を原則として休業日に設定し、初売りを3日から開始させる方針を発表しました。

初売りセールなどで繁忙期である年始は、2日から営業を開始する百貨店がほとんど。同社でも1月2日からの営業でしたが、今回の取り組みで人手不足にアプローチし、従業員のモチベーションにつなげる考えです。

2024年には松屋銀座本店が24年ぶりに1日・2日の休業を復活。丸井では2023年から大半の店舗を三ヶ日休業としています。

一方で、1月1日のみを休業とするルミネやパルコなどの商業施設も多くあります。百貨店だけでなく商業施設の働き方の改革も進んでいくのか今後も注目したいです。

参考:高島屋が正月の1日・2日を休業日に 就労環境を改善

インフルエンサーが出品者となるフリマサービス「Pickyou」が1.4億円の資金調達を実施

フリーマケットサービスの「Pickyou(ピックユー)」(公式サイト:https://pickyou.co.jp/)が1億4000万円の資金調達を実施しました。

「Pickyou」はインスタグラムで1万人以上のフォロワーをもつインフルエンサーが出品者となって私物を販売するマーケットプレイスとして、2022年に開設されました。

憧れのインフルエンサーから古着を購入できるだけでなく、出品から購入までの全てのやり取りに「Pickyou」が関わることでトラブルやインフルエンサー側の負担を減らすことできるのが特徴です。

同社のインスタグラムでは街中のおしゃれな人にコーデを紹介してもらう「今日なに着てますか?」のコンテンツでも人気を博しており、10.7万人(2024年4月現在)のフォロワーを獲得しています。

資金調達とは優れたアイデアや商品などでこれから成長する可能性が高い会社に資金を融資・出資すること。資金調達にあたり、人材採用や機能拡張、オペレーション体制の強化などに投資していくそう。今後の「Pickyou」にも注目です。

参考:あの人のスタイルを、私のスタイルに。『Pickyou(ピックユー)』を提供する株式会社ピックユーがプレシリーズAラウンドで1.4億円の資金調達を実施。

EUがグリーンウォッシング禁止の指令案を採択

2024年2月、法律の成立や政策の調整などを行うEU理事会がグリーンウォッシングを禁止する指令案を採択しました。

グリーンウォッシングとは、エコなイメージを連想させる「グリーン」とごまかしという意味の「ホワイトウォッシュ」を組み合わせた造語で、環境に配慮しているように見せかけて消費者に誤解を与えること。

近年、SDGsの影響などで、企業がブランディングやマーケティングにサステナビリティを使うことが増えてきている一方で、明確な根拠やデータのない商品を「サステナブル」と宣伝し販売することも増加。こういったグリーンウォッシングの現状を欧米を中心に法で規制しようとする動きが出てきています。

本法案の採択により、EU加盟国に店舗がある場合やEU加盟国からも購入可能なECを展開している場合などは影響を受ける可能性があるとのことです。

なお、日本では法的拘束力を持たないガイドラインのみで、グリーンウォッシングを直接規制する法律は存在しません。サステナブル素材をうたっていう商品は日本国内にも溢れていますが、今後この法案がどう影響してくるのか注目していきたいです。

参考:EUが「グリーンウォッシング禁止指令案」を採択、日本のファッション業界への影響は?

ファッション・アパレルの求人一覧

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。音楽、ドラマ、食、本などすべてにおいて韓国カルチャーが好き。