アパレル業界を目指す方、また現に働いている方のために、アパレル業界の最新動向を知ることができるニュースをピックアップする月刊連載企画「編集部が気になるアパレル業界ニュース」。

今、アパレル業界ではどんなトピックがホットなのかを知ることで、企業選びや職種選び、面接対策などで役立つこと間違いなしです!ぜひご覧ください。

ユナイテッドアローズ新ブランド「ATTISESSION」ディレクターは25歳の販売員出身スタッフ

ユナイテッドアローズが2024年春から販売開始する新ブランド「ATTISESSION(アティセッション)」のディレクターとして、販売員出身で25歳の四谷奈々可さんが選ばれました。

コンセプトは、「可憐さと自立心のある現代女性のためのワードローブ」。「気張ってないけど着るとキマる服」を提案し、ファッション好きのM・Z世代をターゲットとした新規顧客の獲得を目指します。

コレクションは約20型。MDやPRなどにも社内の次世代メンバーを迎え、トレンドを取り入れながらもオールシーズン着られるデニムアイテムや、レイヤードしやすいトップスなどのアイテムを販売する予定です。

4月からECサイトと「ビューティー&ユース」の一部店舗で販売され、単独出店の予定もあるそうです。価格帯は「ビューティー&ユース」と同じく7,000円〜3万円。

インスタグラムの総フォロワー数が約1万人と、発信力のある四谷さんの影響力だけでなく、同世代のブランドやクリエイターとのコラボも進めていくようで、新たなファン層の獲得にさらなる期待が膨らみます。

大手アパレル企業から編成された若手のチームが、今後アパレル業界にどんな風を吹き込んでいくのか。トレンドだけでなくサスティナビリティにも関心を持つM・Z世代にどう響くのか、注目です。

参考:ユナイテッドアローズの新ブランド「アティセッション」 気張ってないけどキマる服

>>株式会社ユナイテッドアローズの詳細はこちら

「nugu」2023年の総取引額は50億円。1年間で100%成長

韓国のメディケアラブスが運営するファッションECモール「nugu(ヌグ)」が2023年の事業成果と2024年の事業計画を発表しました。

「nugu」は約60人のインフルエンサーと連携し、各インフルエンサーがディレクターを務める小規模のブランドを集めたECサイト。日本のZ世代をターゲットに、ファッションやコスメ、ライフスタイル商品など幅広いアイテムを販売しています。

「nugu」によると、2023年の取引総額は50億円。2022年の取引総額が25億円であるのに対して100%成長を遂げています。

また2023年12月の売上額も4億円に上っており、まだまだ成長拡大を続けています。

そんな成長を遂げられた背景には、韓国や日本だけでなくパリやニューヨークでの商品紹介撮影や、実店舗として新宿ルミネエスト店のオープン、「DISCOAT(ディスコート)」や「ADAM ET ROPÉ(アダム エ ロペ)」とのコラボイベント開催といったような、他ECサイトとの差別化を図れたことにあるようです。

2024年には、3月に大阪での実店舗2号店を予定しているだけでなく、実店舗との連携や韓国のオンライン・オフライン市場への進出も視野に入れていくそう。

韓国新世界グループの系列であるCVCから「nugu」への投資も決まっているようなので、日本ブランドの韓国への進出にも期待が高まります。

参考:韓国ファッションECサイト「nugu」、23年度の成果及び24年度事業計画を公開

>>株式会社CREATEの詳細はこちら

ケリング、マンハッタンにビルを購入。ラグジュアリー業界にニューヨークで物件を取得する動きが広がる

ラグジュアリーブランドを運営するケリングが、ニューヨーク5番街のビルを購入したことを発表しました。取得額は9億6300万米ドルで約1426億円。

ケリングはパリに本社を構え、「GUCCI(グッチ)」や「SAINT LAURENT(サンローラン)」、「BALNCIAGA(バレンシアガ)」、「Bottega Veneta(ボッテガ・ヴェネタ)」「Alexander McQueen(アレキサンダー・マックイーン)」といったブランドを展開するラグジュアリーグループです。

ビルは、複数階からなる高級小売店舗スペースで構成。ケリングは2020年、表参道に日本本社であるケリングビルを構え、2023年にはパリのモンテーニュ通りとカスティリオーネ通りの一等地にある物件を買い取っています。

今回ケリングが購入したビルの所在地、ニューヨーク5番街は高級ブランドが立ち並ぶショッピングストリートでも有名。ニューヨークの裕福さを示す街でもあります。

2023年12月には、ケリングのライバル企業である「プラダ(PRADA)」が取得額約605億7695万円でニューヨーク5番街724番地のビルを購入しており、ラグジュアリーブランドがニューヨークで物件を取得する動きが広がっています。

参考:「グッチ」擁するケリングがNY5番街のビルを購入、取得額は1426億円

2023年版ファッション業界の透明度|半数以上の企業が第一次サプライヤーのリストを開示

環境を保全・修復し、成長や利益よりも人を大切にするファッション業界の実現を目指して活動する団体、ファッションレボリューショングローバル。彼らが調査した「FASHION TRANSPARENCY INDEX 2023」の日本語訳が公開されました。

同インデックスは、事業やサプライチェーンにおける人権や環境に関する方針、公開の度合いなど5つの分野に応じて世界の大手ファッションブランドと小売業者250社をランク付け(スコアは%で表示)したもので、2014年から毎年実施されています。

2023年版では、「OVS(オヴィエッセ)」が83%、「GUCCI(グッチ)」が80%と、調査開始以来初めて80%以上のスコアを獲得したブランドが誕生。また、2022年以降のポイント上昇率が高いブランドとして、ラグジュアリーブランドが上位5位を占めました。上昇した順に「GUCCI」(+21%)、「Armani(アルマーニ)」(+19%)、「Jill Sander(ジルサンダー)」(+17%)、「miumiu(ミュウミュウ)」(+17%)、「PRADA(プラダ)」(+17%)という結果となりました。

また、自社の一次サプライヤーのリストを開示しているブランドが2017年には32%だったのに対し、2023年には52%に上昇。ただ、サプライチェーン全体におけるトレーサビリティ分野での全体平均スコアは23%で、半数近くのブランドは情報開示していないのも事実です。

その他にも、ジェンダー&人種間平等、過剰消費、廃棄と循環など、現在アパレル業界で問題となっている事象についてレポートされています。課題認識の一助となるので、気になる方はぜひ読んでみてください。

>>Fashion Transparency Index 2023

参考:2023年ファッション業界の透明度 1次サプライヤー開示が半数超

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。音楽、ドラマ、食、本などすべてにおいて韓国カルチャーが好き。