デザインの意図を立体的に形にし、量産までを見据えたパターン設計を担うアパレルパタンナー。シルエットや着心地、量産効率、コストバランスなどを考慮しながら、サンプル作成や修正、グレーディングまで一貫して関わる重要なポジションです。

その一方で、業務内容が成果として言語化しづらい側面もあり、職務経歴書では「作図や修正が中心で、何を成果として書けばいいかわからない」「サンプル修正対応は評価されるの?」といった悩みも少なくありません。

本記事では、アパレルパタンナー向けに、採用担当者が評価しやすい職務経歴書の書き方を、構成のポイントや具体的なサンプルを交えながら解説します。

>>応募書類作成の際は、履歴書の書き方もあわせて参考にしてください

パタンナーの職務経歴書(見本・サンプル)

20××年××月〜現在
氏名:
連絡先:メール / 電話番号

【職務要約】
アパレルパタンナー経験6年。レディース布帛を中心に、トワル作成・パターン作図・サンプル修正・量産パターン作成まで一貫して担当。着用感の改善と修正回数削減に貢献。

【職務経歴】
株式会社ABC(アパレルメーカー / 企画生産部)
在籍期間:2019年4月〜2025年12月(正社員)
役職:パタンナー

【担当業務】
◼︎担当領域
・レディース布帛(コート/ジャケット/ワンピース)を中心に、カットソー・ニットの一部型も担当。シーズンによりメンズ布帛・キッズアイテムのサポート対応
・年間担当型数:約70〜90型
・年間生産数:約25,000〜35,000枚規模

◼︎価格帯
セレクトショップ向け価格帯(上代15,000円〜60,000円)を中心とした商品開発
・トップス(カットソー / ブラウス):¥8,000〜¥18,000
・アウター(ジャケット / コート):¥25,000〜¥60,000
・ボトムス(パンツ / スカート):¥12,000〜¥28,000

◼︎業務内容
・デザイン画をもとにしたパターン作成(東レCAD使用)
・トワル作成、立体裁断によるシルエット検証
・フィッティング対応、サンプル修正
・量産パターン作成、縫製仕様書作成
・グレーディング対応(3〜5サイズ展開)
・国内および中国工場との仕様確認
・縫製指示・量産前の工程確認および修正指示

【実績】
◼︎パターン設計
・初回トワル段階で立体裁断を活用し、肩傾斜・アームホール寸法・ウエスト位置のバランスを再設計。フィッティング前に可動域とシルエットの課題を抽出し修正を実施。
→ 量産前のサンプル修正回数を平均30%削減

◼︎フィッティング改善
・着用時の腕上げ・屈伸動作を検証し、袖山形状と股ぐり寸法を調整。見た目を崩さず可動域を確保する設計へ変更。
→ 着用ストレスに関するクレームを前年比20%改善

◼︎量産効率向上
・縫製工場と工程をすり合わせ、ダーツ処理や見返し仕様を簡素化。縫製負荷の高い工程を見直し、縫い代設計を再構築。
→ 1型あたりの縫製時間を約10%短縮

【使用ツール】
・東レCAD
・Illustrator(上級)
・Excel(中級)

【スキルキーワード】
パターン作成、立体裁断、CAD操作、グレーディング、仕様書作成、フィッティング対応、量産対応

【自己PR】
デザイン意図を的確に汲み取りながら、商品企画段階からトワル作成・パターン設計・量産パターン作成まで一貫して対応してきました。フィッティングでは単なる修正対応にとどまらず、シルエット・可動域・量産効率を総合的に検証し、初期段階で課題を抽出することを意識しています。また、市場動向やブランド特性を踏まえ、MD・デザイナーと連携しながら売れ筋につながりやすい設計バランスを意識しています。その結果、担当型の中から売上上位商品を複数創出し、量産後の修正依頼削減にも貢献しました。感覚だけに頼らず、着用感・生産背景・コスト条件を踏まえた設計判断を行うことで、再現性のあるパターン設計ができる点が強みです。

職務経歴書の基本構成

以下の項目を順に記載します。

1.基本情報(氏名 / 連絡先)
2.職務要約
3.職務経歴(会社名・部署・役職・在籍期間)
4.担当業務
5.実績・成果
6.スキル・使用ツール
7.自己PR

テンプレート

職務要約:
アパレルパタンナーとしてXX年。〇〇アイテムを中心に、パターン作成から量産対応まで担当。着心地改善と修正削減に貢献。

職務経歴:
【会社名 / 部署名】
在籍期間:
役職:

■主な担当業務

■実績
・(数字+施策)
・(数字+施策)

使用ツール:

スキル:

パタンナーが職務経歴書で評価されるポイント

「どの工程を、どのレベルまで担当していたか」「修正や改善をどう行い、どんな結果につなげたか」を具体的に示すことが、書類通過のカギになります。

ここからは、職務経歴書で評価されやすい具体的なアピールポイントを項目別に解説します。

担当アイテム・ブランド背景

・布帛 / カットソー / ニット / 雑貨
・レディース / メンズ / キッズ
・量産規模(型数、年間生産数)
・価格帯(百貨店 / セレクト / SPA など)

これらは設計難易度と市場レンジを示す指標です。採用担当は「自社と近いフィールドか」「即戦力か」をここで判断します。アイテム・規模・価格帯まで具体化しましょう。

フィッティング・修正改善実績

・修正回数削減
・着用感改善
・クレーム率低減

重要なのは対応したことではなく、どこをどう改善し、結果どう変わったか。前後の変化を数値で示すと、改善力・設計力として評価されます。

量産対応・工場連携経験

・仕様確認
・縫製工場との折衝
・工程効率を考慮した設計

見られているのは、サンプル止まりか、量産設計までできるか。工程・コスト・再現性まで踏まえた記載があると即戦力評価につながります。

パタンナーならではの書き方

ここからは、パタンナーの職務経歴書をより評価される内容にするために、各項目を記載する際の具体的なポイントを解説します。

【職務経歴】では、ブランド・生産体制を明確にする

パタンナー職では、「どの価格帯・規模での設計経験か」が重要です。

以下の要素を整理しましょう。
・会社名、ブランド名
・業態(メーカー / SPA / ODM など)
・担当アイテム
・年間型数
・量産体制(国内 / 海外)

▼記載例
株式会社〇〇(レディースブランド)
業態:SPA
所属:企画生産部 / パタンナー
※年間80型担当 / 中国・国内工場対応

明確に記載することで、採用担当者は「即戦力かどうか」を判断できます。

【担当業務】では、設計意図まで書く

パタンナーは「作った」だけでは評価されません。
・なぜその設計にしたのか
・どの課題を解決したのか
・結果どう改善されたのか

まで記載しましょう。

▼記載例
パターン作成(2021/04〜現在)
・デザイン画をもとにトワル作成、パターン設計
・フィッティング修正対応
→ 可動域を改善し、修正回数を30%削減

量産パターン作成
・縫製工程を考慮した設計
→ 工場からの修正依頼を半減

【実績】では感覚表現を使わない

「きれいになった」「バランスを整えた」といった主観表現だけで終わらせないことが重要です。どの部分をどう修正したのかを具体的に示し、その結果として満足度向上・修正回数削減・クレーム率改善など、数値や比較で成果を伝えましょう。

▼記載例
・ウエスト位置を2cm上げ、重心バランスを調整 → 試着評価アンケート満足度20%向上
・袖幅を1.5cm拡張し可動域を改善 →「窮屈」との返品理由を15%削減
・前後身頃の丈差を1cm修正 → フィッティング時の修正指摘を半減
・縫い代設計を見直し工程を簡素化 → 量産時の縫製時間を10%短縮

職務経歴書で避けたいNG例と注意点

ここでは、NG例とOK例を比較しながら、パタンナーの職務経歴書で評価されやすい書き方のポイントを解説します。

① 抽象的な表現
×「パターン作成を担当」
◎「レディース布帛年間60型のパターン作成を主担当」

→「何を・どの規模で・どの立場で」担当していたのかを明確にしましょう。単に「担当」と書くだけでは、アシスタントなのか主担当なのか、型数はどの程度かが伝わりません。
アイテム・型数・主担当かどうかまで書くことで、即戦力度を具体的に示すことができます。

② 修正対応をマイナスに書く
×「修正を繰り返し行った」
◎「初回トワル段階で課題を抽出し、量産前修正回数を削減」

→「修正した事実」ではなく、「どう改善したか」を書きましょう。修正回数の多さはネガティブに見られる可能性があります。大切なのは、課題をどう分析し、次回以降どう減らしたかという改善視点です。対応力ではなく設計力・改善力として伝える意識を持ちましょう。

③ CADスキルのみ強調
×「東レCADが使えます」
◎「東レCADを用い、量産パターンまで一貫対応」

→ 「どの工程でどう活用したか」まで書きましょう。ツール名だけではスキルレベルは判断できません。作図のみなのか、グレーディング・量産展開まで対応しているのかを書くことで、実務範囲が明確になります。

よくある質問とその解決方法

Q:アシスタントパタンナー経験でも評価されますか?

キャリアアドバイザーK
キャリアアドバイザーK

評価されます。重要なのは、正確性やスピード、どの業務まで担っていたかを具体的に記載することです。トワル作成、型紙トレース、縫製仕様書の作成補助など、基礎業務の対応範囲を明記しましょう。また、対応量を示すことで再現性が伝わります。
例)年間〇〇型のトワル作成を担当 / 量産仕様書を月◯型作成

Q:布帛のみの経験やメンズ・レディースどちらかのみの経験でも問題ない?

キャリアアドバイザーK
キャリアアドバイザーK

問題ありません。幅広さも、もちろん評価されますが、特定分野における専門性の高さも評価されるポイントの一つです。得意なアイテムや領域を明確にし、募集ポジションとの一致度を示すことで、即戦力として判断されやすくなります。

Q:グレーディング経験がなくても問題ないですか?

キャリアアドバイザーN
キャリアアドバイザーN

ジュニア層であれば必須ではありません。ただし、グレーディングから縫製指示書まで一貫して対応できる場合、即戦力としての評価は高まります。企業によっては専門ポジションとしてグレーダーを設けている場合もあるため、募集要件に応じた整理が重要です。

Q:企画経験がないとキャリアアップは難しいのでしょうか。

キャリアアドバイザーN
キャリアアドバイザーN

パタンナー一筋の方が多いと思いますが、企画経験があると評価は上がります。デザイナーの意図を理解し、パターンに落とし込める人材として見られるためです。一方で、大手企業ではパタンナーの専門性(経験年数・技術の蓄積)を重視するケースも多く、一貫したキャリアを積んでいること自体が評価につながります。

ファッション・アパレル業界の求人一覧

READY TO FASHIONでは、新卒や中途、アルバイト、副業などの雇用形態のほか、多種多様な職種・業種軸で自分にあった仕事をお探しいただけます。

気になる企業があれば企業とチャットで直接話せるので、業界に興味がある方は、ぜひREADY TO FASHIONをご活用ください。

求人はこちら

三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。