採用担当者に聞く新卒採用

パネルディスカッション登壇企業・登壇者

和田万里花(株式会社ベイクルーズ 人材統括)

菅野寛貴(株式会社デイトナ・インターナショナル 人材総務部/新卒採用責任者)


人事担当に聞くファッション業界のイロハ

採用担当者に聞く新卒採用

──早速ですがはじめさせていただきます。
パネルディスカッション第2部のテーマは「採用担当者に聞く新卒採用」。
まずは自己紹介からお願いいたします。

和田:
皆さんこんにちは。
株式会社ベイクルーズの人事部で新卒採用のマネージャーを担当しています。
ファッションの勉強をして、ファッションの仕事がしたくて、皆様と同じように色々な事に悩みながら就職活動をしてたんですが、ファッションアドバイザーとして入社しました。

「Deuxieme Classe」というブランドに憧れ、働きたいと思い配属を希望しました。
新宿店にまず配属になり、その後は青山店、有楽町店と異動しました。
店舗にいたのは5年間で、その内3年間は販売、後半2年は副店長、店長で管理職を経験した後、自分でもう一度やりたいことやキャリアを考え、人事に異動し、3年目になります。
ですので、トータル8年間、ベイクルーズで働かせていただいてます。

──店舗と人事を経験された和田さんには後ほど、ファッション業界のイロハをお伺いできればと思います。

菅野:
株式会社デイトナ・インターナショナルの新卒採用責任者の菅野です。大学では建築工学を勉強していました。全く違う畑からファッション業界にやってきました。
入った経歴というか理由としては、株式会社デイトナ・インターナショナルはなんでもやらせてくれるなっていう印象があって、自分の中で早いうちから成長したいなという確たる想いがあったので、ピンポイントで狙って選考を受け入社しました。
入社後はフリークスストア(FREAK’S STORE)の新宿店で販売員からスタートし1年で渋谷フラッグシップに異動、メンズカテゴリー店長をさせていただき、その後もう1店舗、店長を経験し、元々は無かった新卒部署を立ち上げて今に至ります。

──立ち上げからやられたんですか?

菅野:
そうですね。
もう1名先輩はいたんですが、先輩には色々教えてもらいながら責任者としてやらせていただきました。
今でこそ人数は増えましたけど、スタート時は1人でやっていましたね。

”衣食住美を通して、人生の楽しみを提供する”を体現する4つのメイン事業

──ありがとうございます。
菅野さんには試行錯誤しながら新卒採用を経験したお話をお伺いできればと思います。
それでは各社、会社紹介をお願いいたします。

和田:
株式会社ベイクルーズには色々なブランドがあります。
皆様の知っているブランドとなると、「JOURNAL STANDARD」や「Spick & Span」「SLOVE IENA」、最近では「WISM」などではないでしょうか。
ベイクルーズというブランドはないので、会社名とブランド名が一致し辛いか思いますが、ぜひ今日はベイクルーズという名前を覚えて帰っていただきたいと思います。

会社の設立は1977年で、3年前に40周年を迎えております。
その際には、CMを作ったり広告を打ち出したり、感謝の気持ちを周りの方に伝えるために感謝祭やファッションショーなどを行いました。
43年目に入る今年は、地方活性化ということで「BAYCREW’S FESTIVAL」というフェスを行っていまして、仙台や福岡、京都、名古屋でも開催しました。
売上高は1300億円。店舗数は500店舗、従業員数は約5500名程が在籍しています。

採用担当者に聞く新卒採用

ベイクルーズの主な事業は4つございます。
まずはファッション。
皆さん、本日は会場を見ていただいているかと思うのですが、階段のところにトルソーがあったりとか、プレスルームがあったり、そのプレスルームは本日解放してますので、この辺りを見てベイクルーズのファッションの部分に触れていただきたいなと思います。
2つ目が飲食事業をやっています。皆様のお手元にあるスイーツやドリンクも弊社で開発、クリエーションをしています。
3つ目がインテリア事業です。今ブランドは2つあります。
そして最後にフィットネス。こちらもブランドは2つです。
なので、ベイクルーズはこれら4つの事業を展開している会社となります。

続いて、私たちが考えていることについてお伝えしたいなと思うんですけど、
私達の企業理念は「衣食住美を通して、人生の楽しみを提供する」。これが、ベイクルーズのやりたいことです。

先ほど、4つメインの事業がありますとお伝えしたんですけど、
私たちがやりたい、「人生の楽しみを提供する」って考えたときにファッションだけ良ければ、人生楽しいかというとそれは違うのかなと、ファッション以外に何をどこに食べに行く、ということもきっと考えるでしょうし、お部屋にもお気に入りの家具を置きたいなと思ったり、フィットネスとかも、こういう体型でこの服を着たいって思うでしょうし、こういう自分でいたいっていう意識を持ったりすると思うんです。
私たちがやりたい「人生の楽しみを提供する」って考えたときに、もちろんファッションが軸になるファッションカンパニーなんですけど、それだけじゃ足りないと考え、ライフスタイルに関わる全ての事業を展開し、衣食住美を通し「人生の楽しみを提供する」ということを目的に働いています。

経営理念、「人生の楽しみを提供する」っていうところに向かって、どんな考え方を大事にしているか、という話なのですが、これは「全てにおいて人ありき」です。

人を大事にするという意味ももちろんありますが、どちらかというと、徹底的にあなたたちを育成します、成長させますという意味合いを持っています。
販売もそうですし、様々なことは人が原点になっていると思っていて、会社が成長すれば、人も成長するという考え方もあると思うんですけど、ベイクルーズとしては一人一人が成長することで会社自体も成長していくと信じていて、会社だけが売り上げを作って成長していても、そこで働く人に心がなかったり、活き活きしていないと、それって意味がないと思うんです。
なので、私たちは一人一人が成長することで会社が成長し、お客様にもっと満足していただいたり、やりたい事をやる、そういったところに向けて人を育てる、人を大事にするという考えで「全てにおいて人ありき」ということを大事にしています。

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もうひとつあるんですが大丈夫ですか?(笑)

──もちろん大丈夫ですよ。

和田:
次は、行動指針ですが、2つあって、
「おしゃれにこだわり楽しもう!ついでに仕事も楽しもう」と、
「JOY FOR CREATION、JOY FOR CHALLENGE」というものがあります。

「おしゃれにこだわり楽しもう!ついでに仕事も楽しもう」というのは、仕事を楽しもうって入っているんですけど、私たちの仕事って考えると、経営理念にもある通り、人生の楽しみを提供することです。その楽しみを提供するにあたって、働いている私たちが、全然楽しんでいなかったら、ファッションにこだわっていなかったら、他者にそういう楽しさを伝えられるのかと考えたら、多分伝わらないですよね。
もしも今日、私が暗い感じで喋ったらみなさんはベイクルーズって暗いんだなと思うでしょうし、だから私たちはそこにこだわって一生懸命楽しんで働く、それによってお客様にも伝わっていく、という考え方です。

「JOY FOR CREATION、JOY FOR CHALLENGE」は、創造、チャレンジを楽しむということです。
接客もそうですし、食べ物を作ることもそうです。洋服を作ることも、ここで今私が話すこともそう、ベイクルーズの仕事全部です。
それを楽しむ境地って何だろうって日々考えるんですよ。仕事って、辛いこともあるし、うまくいかないこともありますけど、それでも楽しむ気持ちでいるって何だろうなって考えた時に、やらされるのではなくて、やりたいなっていう、自分の意思とか気持ちが乗った時、あそこに行きたいとか、これを知りたいとか、そういう気持ち。こうしたらどうかっていう疑問、こうしたいという主体性だったりとか、そういう前向きさを持って日々の仕事に向き合っていく、というのが「JOY FOR CREATION、JOY FOR CHALLENGE」です。

私たちはこの2つをすごく大切にして働いていますので、自分達のやりたいことを楽しんでやっている会社ですし、それに責任を持って成長し続ける会社っていうところは、皆様のベイクルーズに対するイメージとして今日持ち帰っていただきたいなと思います。

やりたいを形にする力とクリエーション人材の発掘が成長の秘密

常にベイクルーズは成長し続けたいんだなー、というのはご理解いただいたと思うんですけど、その秘密というのがあって、制度等の細かい話はここではしませんが、やりたいを形にする力とクリエーション人材の発掘というのが、私たちの成長の秘密かと思います。
秘密と言いながら、ここでお話してしまってますけど(笑)

やりたいを形にするというのは、例えば、新規事業提案があって、誰でも自分のやりたいことを役員に提案し、ブランドを立ち上げたり、事業を提案できたりとか、というやりたいを形にする制度だったり、そのためにサポートしてくれる先輩や周りの人もいます。

クリエーション人材の発掘っていうのは、チャンスがものすごくあるということで、若手抜擢みたいな話も後々させていただこうと思いますけど、キャリアアップする上で、自分が手を上げなくても誰かが結構見てくれていて、もちろん頑張ってないと心は動かないですが、この人にこういうことを任せてみよう、とチャンスをたくさん与えてくれる会社です。
その辺りの制度もそうですし、人ありきのスタンスであったりとか、そういう部分が私たちの成長、会社の成長の秘密だと考えています。

──そうした制度の細かい部分は、皆様是非ブースで聞いてみてくださいね。

和田:
お待ちしております。

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茨城の古着屋からスタートし今では全国に約50店舗を展開

──続いて菅野さんお願いいたします。

菅野:
株式会社デイトナ・インターナショナルは設立が1986年、茨城県でスタートしたブランドです。
新しい価値とか、お客様をワクワクドキドキさせたいという想いからスタートしました。
やっていることはホールセール、ハウスデザイン、ホテル事業、ブランドビジネス、メディアなど幅広い事業を展開しています。
その中で1番核になるのはファッションで、おしゃれを楽しむとか、自分のこだわりを貫くっていうのを1番大切にしています。
企業理念は、まずは自分の人生を楽しむというような「LIFE TO BE FREAK 熱狂的に生きて世界中を幸せにします。」というのがあって、まずは自分の人生を楽しんで、それを周りの人に波及させていこうよっていう考え方を持って、様々な事業をやっています。

簡単にいうと「FREAK’S STORE」というブランドを展開していて、その他に「FREAK’S HOUSE」「EARTHMANS」等があり、私達も衣食住というところで、お客様を飽きさせない、どんなところに行ってもデイトナって面白いことやっているよね、という、新しい価値を提案するようなことを力を入れてやらせていただいております。

──茨城のガレージみたいなところで古着屋をやっていらっしゃったんですよね?

菅野:
そうですね。創業社長が非常に狭い古着屋を、33年ぐらい前に立ち上げまして、今では全国に約50店舗を展開するまでに成長させていただきました。

採用担当者に聞く新卒採用

私が今の会社を選んだ理由

──本題に入らせていただければなあと思うのですがその前に、なぜ今の会社を選んだのかをお伺いできればなと思います。

和田:
私は、先程お伝えした通り、ファッション業界に迷いはなかったです。
好きな服を着たら嬉しいし、例えば靴下に違和感があったら帰りたくなるぐらい嫌になったりするし、そういうファッションの持つパワーとかポジティブな感情とか、そういう良いものを伝えたいという想いがあったのでファッション業界は揺らがなかったんですけど、その中ではたくさんの会社を見ました。
結果的にベイクルーズに就職できて成功ですけど、おそらく就活自体は失敗していたような気がします。
べクルーズに決めた理由としては、自分の中ですごい志があったわけではなくて、成長できるか・チャンスがあるのかということ、今の自分よりおしゃれになれるかということ、そして、福利厚生の3つは、自分の中の譲れないポイントとして持ち、会社を見ていました。

1人暮らしだったので生活できるお金がなければいけないし、優先順位は成長>おしゃれ>収入だったので、色々な会社を見て、辿り着くまでには自分の考えもなく就活をしていたので、振り返ってみると失敗だったなと思うのですが、ベイクルーズに巡り会えて結果的にはすごくよかったです。

菅野:
私は、大学で学んでいたことは全く違うことで、父が建築士、祖父が大工と建築一家だったので、そっちの世界に進むのかなと思ったんですけど、大学行ったら二日で飽きちゃったんです。
アルバイトをずっとやってて、正解がない、カタチがない世界の方が面白いなと感じていて、大学の先輩たちがファッションに興味を持ったことで、次第に私も惹かれて行き、ファッションのビジネスとかファッションの会社を見始めたっていうのがスタートです。

就活に対して、もちろんやる気はありましたが、3社しか受けてないんですよ。
大学も理系なのでゼミの教授には「お前がやってるのは就活じゃない」とか「メーカー行け」とか「大学院行け」とか勧められたんですけど、「うるせえ」と思いながら、やっぱ人に認められるじゃないけど、好きなことをやるのって今の世の中難しいな、その中でも成長しなくてはいけないなと思って、3社を選択し、運良く2社から内定を頂きました。
中でも株式会社デイトナ・インターナショナルには、すごく強烈な社長がいて「なんでもやらせてあげるよ」と言うものですから、じゃあ入らせていただこうかなと、入社を決めさせていただきました。

──実際に手を上げて新しいことをやられているんですか?

菅野:
やりたいことがあれば、まずは手を挙げろという風潮があるんですね。
それに対して自分がひたむきに努力できたのか、あるいは運が良かったのか、好きなことは実現してきたかなと思います。

新卒採用市場の現状とこれから

──いよいよ本題に入らせていただきたいのですが、まずは新卒採用市場の現状とこれからについてのお話を進めたいと思います。

菅野:
通年採用、売り手市場、人手不足、人口減少、少子高齢化、働き方改革、高齢者雇用。
これらの言葉って聞いた事ありますよね。
私がお話させていただきたいのは、新卒採用の現状と未来、これから、みたいなお話です。
働くということが大きく変わってきているなというのは実感していて、それは何故起きてるのか、だからこうしなくちゃいけないみたいなお話をさせていただけたらと思います。

採用担当者に聞く新卒採用

これ、日本の人口の推移なんですけど、西暦800年の人口って誰が計測したのって話なんですけど(笑)、終戦後の1950年辺りからがおそらくよりリアルな数値で、みなさんの生まれた1998年〜2001年は絶賛人口増加中ですが、2014年12月をピークに下降の一途をたどっているっていうのが現状で、今後も人口は減り続けるんじゃないかと思います。

平成のおよそ30年間、入口と出口で人口が変わっていないのは日本だけなんです。
その間、アメリカなんかは30%くらい増えていて、インドと中国は60%くらい増えていて、世界の人口はどんどん増え続けているのに、日本の人工は変わってないらしいです。

採用担当者に聞く新卒採用

次は、人口の割合を高齢人口、生産年齢人口、若年人口という3つに分けているグラフなんですけど、何が言いたいかというと、簡単に言うと働くところはたくさんありますということです。
8,235社が倒産(画像右下 倒8235)し128,610社(画像右下 倒128610)が新規企業が設立されているんですけど、単純計算で12万社くらい増えている中、働く人は減っているので、そのまま捉えると選び放題ですよね。
でも逆に、選び放題って非常に大変だと考えていて、大学の時に周りの人たちが留学とかしていて海外の友達にどんなふうに教育されたの?と聞いてみると「1番になれ」とか、「我先に」という風に育てられたと言っていて、自己中心的なんですよね。
日本だと、お兄ちゃんでしょ、お姉ちゃんでしょ、と制御することを覚えさせられ、自己主張の機会を削がれていき、たくさんの中からこっちがいいというのを選び辛くなっています。父がこう言うから、というような人の意見に耳を傾けるというのが、日本における就職活動のよくあるフローですが、多くの会社をまず受ける、ではなく、自分が合うと考えている所のみを受けるようになるんじゃないかなと思うんです。

仕事を”探す”時代から”選ぶ”時代に

某求人サイトのCMを見てびっくりしたんですけど、そのCMでは仕事は”探す”時代から”選ぶ”時代にといったようなフレーズがあったんですね。
まさにそうだと思っていて、探しに行くのではなく「自分が何をしたいか」という軸を持って選ばなきゃいけなくなってきたんで…選ぶって結構大変ですよね。その意思決定をするためには、自分のことを知らなくてはいけなくて、誰が言うとかじゃなくて、自分の軸を持って決めるというのをすごく大切にして欲しいです。
働くという考えをアップデート、あるいはOSから変えなきゃいけないかもしれないですが、そんな感じがしています。

私は就活に関して、両親に何か言われるというようなことは無かったんです。皆様のご両親の年齢って、高度経済成長を経験されているかと思うのですが、以前は、企業が安定とか、そういうものを提供してましたけど、今って真逆で、上に上がっていってた時代ではなく下に下がっていく時代なので、当然ですが、ご両親が経験したことないような時代に入ってきています。そういう方々の意見を聞くのは大切にしつつ、最後の意思決定はやはり自分で決断するべきかと思います。

最後に、ビジョンが明確化しないことに自信を無くさないっていうのはすごく大切で、経験していないのに明確にこれがしたいと決めるのは難しいと思います。
やらないとわからないですからね。明確化するのはやってみてからで良くて、ビジョンが曖昧な自分に劣等感とかを覚えないで欲しいし、さらに言えば、曖昧でもいいので言葉にしてみることが大切だと思います、
言葉を話せるのは人間だけなので。言葉を発すると人間の脳は勘違いして、そうすると行動が変わっていって人生変わっちゃうっていうのはよくある話だと思うのですが、明確でなくてもいいので「はっきりしてないけど、どうですか?」ぐらいのスタンスで株式会社デイトナ・インターナショナルの面接には臨んで欲しいなと思っています。

採用担当者に聞く新卒採用

新卒採用において大事にしているのは本気と欲求

和田:
これからする話は、市場の話というよりベイクルーズの考えていることになるのですが、新卒採用において大事にしていること、皆様に大事にして欲しいことは、本気と欲求です。
本気でファッションしたくてたまらない学生を採用したい、というのが我々の考えです。
本気って見えないですよね。行動すれば見えることもありますが、なかなか人に伝えるのって難しいと思っていて、私たちが本気でファッションしたい人に求めることって欲求なんです。
何かができなくてもいいし、特別じゃなくても良いんです。ただ本気でこれがやりたい、それをやるためにどうしようという考えとか欲を持つことは誰でもできると思っています。
その欲をファッションが好きっていう気持ちだけじゃなくて、好きなファッションを通して何かをクリエーションする、挑戦する、こういう自分になる、とか、なんでも良いんですけど、熱量を好きだけで終わらせず、何か自分のやりたいことやなりたいものにつなげたいというモチベーションをすごく大切にしたいなと思っています。
現状としては、本気か欲求をどれだけ持っているのかというのを大事にしながら採用活動を進めています。

──ファッションを熱狂的に取り組んでいて、こういう挑戦があったとかそういう事例ってありますか?

和田:
そうですね。挑戦でいうと、ちょうど「ORIENS」っていう新しいブランドが立ち上がったんですけど、知ってる方いらっしゃいますか?
結構知っていただいているんですね。ありがとうございます。
ジャーナルスタンダードの姉妹ブランドとして「ORIENS JOURNAL STANDARD (オリエンス ジャーナルスタンダード)」が立ち上がったんですが、若手抜擢でその子達が挑戦したっていう良い事例だと思っています。
皆様のちょっと上、23歳〜26歳の4人が抜擢されて、ブランドのコンセプトから考え商品計画やバイイング、実際の店舗を作るまでをやっています。
その源泉にあるのは、自分達が好きなファッションを伝えたいとか、ファッションでこういうことを動かしたいとか、そんな強い欲求みたいなものを感じました。
ファッションアドバイザーからスタートした人達なのですが、現場ではお客様と熱量を持ちながら向き合っただろうし、先輩には熱量をぶつけたり意思表示をしてきたと思います。
結局挑戦するかしないかは自分じゃないですか。
入社してすぐコンセプターに抜擢というのは、すごくびびってしまうと思うんです。その中で自らの意思で挑戦することを選んで、形にして、みなさんの世代に影響を与えてるっていうのは弊社のあり方をうまく体現している事例なのかなと思います。

──ありがとうございます。言葉にすることで、実現していく良い事例なのかなと感じます。
そう言ったキャリアに関してなんですが、少子高齢化の中と言われる中でベイクルーズの考えるキャリアって何ですか?

和田:
理想と現実、違和感とずれというスライドを出させていただいてるんですが、
自分の人生そのものがキャリアだと思うし、自分の人生をどうやって生きていくか、何をしていくか、それが全部キャリアだと思います。
理想って皆さんあると思うんですけど、そこに対する今の自分に若干ギャップを感じているんじゃないかなと。
ただ、今は手が届かないからそこを目指すと思うんです。
何かをやり続けることで、理想と現実のギャップを埋め続けること、全部含めてキャリアだと思うんです。小さな積み重ねでキャリアが叶っていくんじゃないかと思います。

自分のキャリアを自分で決める為にできること

──ありがとうございます。
続いて、デイトナインターナショナルとしてのキャリア事例をお教えいただけますか?

菅野:
ここからお話するのは一つの例ですが、自分のキャリアを自分で決めるっていうのは、既存の社員であろうが、新卒採用で入社しようが中途採用で入社しようがすごく大切です。
フリークスストアのフリークスって狂ったように熱狂的にという意味なんですけど、そのレベルでバイヤーになりたいと志望していた子のお話ですが、その子はブランドの知識とか、学生時代にやってきたアルバイトでの経験など、服に対する執念みたいなのがもの凄くあって、最初からバイヤーにさせてくれという感じの方でした。
入社後、1年は販売スタッフをしてもらっていたのですが、店舗企画の企画書を内定をもらった月から毎月メールしてくるほど熱狂的で、実際にその方の企画でインディアンジュエリーのフェアをしたりとか、その後渋谷の店舗で副店長になり、1年半くらいでアシスタントバイヤーにという経歴の方もいます。

2人目の例は、2019年卒で入社したプレス希望の方なんですけど、店舗にいるときもイベントを企画したり、社内のイベントに参加したりして、結局今プレスアシスタントになっています。

3人目の例は、ファッションではなくホテル事業に参加したいという方です。オリエンタルランドでの経験あったので、やらせて欲しいと提案、実現し、今でもやってもらっている子もいます。

今は売り手市場なので、多くのところで働く機会を持てると思っていて、それはつまり、「自分はこんな人間ですよ」「こんなことしたいです」というのを会社に提案して、それを、会社が、「あ、いいね」と言って採用していく時代になっていくのではないかと思います。

業務委託、フリーランス、っていう言葉を耳にしますけど、社内に属さなくても、自分の好きなことを企業と提携してやるっていうのを色々な企業とやっていくっていうのは今主流なので、軸をもってやりたいことを提案し続けること、発信し続けること、やってみること、やらないと明確化しないので、こんなことやりたいんです、というのを周りの人に伝え続けることが大切です。

バイヤーになりたいと伝え続けても、会社の都合上プレスに配属されることも無くはないんですよね。
自分が思ってもいないキャリアがあるんです。あくまで人それぞれかと思いますが、その時にあまり縛られず、一度受け入れることも大切なのかと思います。それが近道になることもあるのかなと。

最後に、学び続けることなんですが、当たり前のことが当たり前じゃなくなっている時代なので、学び続けるっていうのは大切なことだと思います。

採用担当者に聞く新卒採用

──最後に就活で気をつけるポイント、アドバイスをいただければと思います。

菅野:
自分らしくやることっていうのがすごく大切です。
私、へーってなっちゃうことが多いんですよ。
なぜかというと、自己アピールしてみて、と言うと、「これを立ち上げて、こういう経験をして、これで1位になって、以上。」っていう人が多いんですよ。へーじゃないですか。
それだけだとわからないんですよ。
私が面接で何を見ているかっていうと、成功の再現性の有無を将来的に見ていて、経歴のみでは判断できないので1つのストーリーとして語ってもらえると、そういう人なんだね、というのを掴みやすいですよね。
華々しい経歴を伝えられても、すごいねーとなるだけなので、1つに絞ってストーリーで伝えることが大切だと思います。

それと話をぼかさないこと。
これは実際にあった話なんですが、某外資系コーヒーショップで、すごく忙しいお店で、朝から晩まで少ない人数で働いてます、って言われたことがあるんです。
これを掘っていくとなんなのかっていうと、朝7時からオープンする東京駅のコーヒーショップで、アルバイト3人で、一日1000人来るところを回してます、ってことだったんです。
「えっすご!」ってなるじゃないですか。でも最初の言い方だとよく伝わらないですよね。
これも一緒で、気を使って企業の名前を伏せたりしてくださってるんだと思うんですけど、デイトナ・インターナショナルとしては、ぼかさず、あなたのことをたくさん教えてもらえればなと思います。

また、正解のない世界で正解を探さないということも大切です。
この方が良いんですかね?と聞かれてもわからないじゃないですか。皆様のことですので。
我々も統計で話すことはできるんですけど、それは皆様にとってリアルではないと思うので、これでいいんだなと自分を信じてやってもらえればと思います。

──では、最後に和田さんお願いします。

和田:
これは、決断ですね。
アドバイスできることってあんまり多くなくて、視点を共有することはできるけれども、自分を決定づけるものって自分でしかなくて、私たち人事が決めることじゃないと思うんです。自分で自分らしさを決めていいし、それを以って自分の働きたいお店を決めていいし、あくまで、フェアにありたいと思います。
突き放すわけじゃないですけれど、どこを受ける、どこに行く、何をするのかというのは、皆さん自身の、決断の連続です。
第1歩として、皆様が一生懸命向き合って考えたことであれば、それが間違いだなんて誰も思わないし、それを決められる人はいないので、考えて決断して行動してほしいなと思います。

──ありがとうございました。


text / photo:READY TO FASHION MAG編集部


READY TO FASHION MAG 編集部

1000社・25万人/月間が利用するファッション・アパレル業界の求人WEBサービス「READY TO FASHION」を運営する株式会社READY TO FASHIONが、業界での就職・転職活動に役立つ情報を発信するメディア『READY TO FASHION MAG』。業界の最新情報をお届けするコラムや業界で活躍する人へのインタビュー、その他ファッション・アパレル業界の採用情報に関するコンテンツを多数用意。