—巻く×リサイクル

続いて、電子的な音楽と共に現れたのは電気コードやエナメルをあしらったラップワンピース、段ボールや発泡スチロール、CDなどを使用したドレスだ。その名の通り、要らなくなりゴミとされるものを服として再利用し、近年注目されている日本のリサイクル技術を、ファッションで表現している。

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—履く×花

ゆったりとした音楽に乗せて、儚げな花たちが歩く。シフォンの繊細さとモデルたちの柔らかな微笑みは、先程の空気を一新させた。中でも薔薇を象った造形的な衣装は、これまでのリアルクローズとは異なり、多くの客を驚かせた。

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—冠る×冠婚葬祭

冠る、は祝い事をサブテーマに、古くからある日本の伝統的な被り物にフォーカスしたセクションだ。市女笠や角隠し等の伝統的なものからひょっとこのお面まで、モデルたちは着脱の動作を艶やかにやってみせた。

三味線の音が鳴り、ゆっくりと登場したのは赤い市女笠が特徴の衣装。


このセクションの最後に登場したのは和装の花嫁をイメージさせる衣装。登場の際照明の光が一斉に集まり、その衣装の豪華さと細やかさを露わにし、会場は感嘆の息か、感心の息か、どよめきに包まれた。

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—終幕

全てのセクションが終わり、先ほどの雰囲気とは打って変わって、モデルたちがにこやかにランウェイを歩く。羽織を翻しながら、リボンを揺らしながら、マフラーを弛ませながら、花を震わせながら、垂れ衣を返しながら…EVE2016は幕を閉じた。

|最後に

纏うということは、服だけに言えることではなく、ヘアメイクや着る人を取り囲む空気、その背景にある文化も共に纏うということだと感じました。

なぜ人は服を着るのか、という多くの人が抱く大きな疑問の答えに近づけるようなショーになったのでは、と思います。

また私自身ショーを鑑賞し、女性の強さや日本文化の温故知新を感じました。「日本の女性は美しい」と、どこかで聞いた様なキャッチフレーズが当てはまる神々しさと共に、古き良き日本文化、近年変化し海外から注目されつつある日本文化と、ふたつの極端なものを融合させたショーは、315名の学生の熱誠を大いに感じさせるものでした。

13年の伝統と共に、これから益々パワーアップしていくだろうEVEに今後も注目です。

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READY TO FASHION MAG 編集部

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