
学生の時にスナップ動画に出演してから数年。どんな職種に就き、どのように仕事に取り組んでいるのか。本企画では、READY TO FASHIONのスナップ動画に出演した学生の「その後」に迫り、ファッション業界で歩み始めた若手のリアルなキャリアを紹介します。
今回は、25卒向けアパレル企業合同説明会「READY TO FASHION OFFLINE 008」の来場者でありスナップ出演者の吉村さんに、就活から現在の仕事までのお話を伺いました。
「ファッション」×「好きなこと」で、一歩先の提案へ
──2024年に行われたアパレル企業合同説明会に参加されました。参加のきっかけは?
インスタグラムの広告を見たのがきっかけです。大学3年生で就職活動を始めようと思って、いろいろな求人サイトで情報収集をしていたので、READY TO FASHIONのことは以前から知っていました。周りにファッション業界を目指す友人がいなかったので、まずは説明会に行ってみようと思ったんです。
──READY TO FASHIONのインスタグラムでは、スナップ動画にも出演してくださいましたね。
懐かしいです(笑)。友⼈からも「映ってたね」とよく言われたりしました。
──改めて当時の動画を見てみて、どうですか?
意外と、自分の中で働くことに対する考え方は変わっていないなと驚きました。「その信念を貫いた方がいいよ」と当時の自分に声をかけたいくらいです(笑)。
変わったことといえば、髪色と髪型、それに今働いているブランドに合わせた服装に少しシフトしたことですね。今もボトムにボリュームを出したAラインは意識しているんですが、モード寄りだったスタイルからモードカジュアルに変わりました。少し肩の力を抜いたスタイルになった気がします。
──当時は販売スタッフのアルバイトをしていましたが、その後、どんな仕事に就かれたんですか?
学生時代からアルバイトをしていた大手セレクトショップに、販売スタッフとして新卒で入社しました。ウィメンズ・メンズのカジュアルウェアや雑貨を扱うブランドで、店頭での接客に加えて、オンラインサイトのスタッフコーデの更新なども行っています。
──入社を決めた理由は?
ECにも興味があったので、オンライン発のブランドとしてOMOを強化している点や、老舗ながらもZ世代に向けた新しい取り組みをしている点に惹かれました。変化がないとつまらないと思っていたので、常に新しいことに挑戦している会社の姿勢に共感して入社を決めました。

──入社後、すぐに店舗異動があったそうですね。
そうなんです。新卒ではアルバイト時代と同じ神奈川県の店舗に配属されたのですが、入社して1ヶ月で都内の繁忙店へ異動になりました。
神奈川の店舗は、最寄駅の近隣に主要なファッションビルがあることもあり、来店数が少ないんです。アルバイトで2年間働いていたこともあり、もっと挑戦できる環境に行きたいと思っていたところ、ちょうど新店舗のオープンで人員が必要になったんです。
──繁忙店への異動は大きな転機だったのでは?
そうですね。以前の店舗では、もちろんブランドが好きなお客様も来店してくださっていましたが、商品を一人でじっくり吟味して購入される方が多かったので、接客の機会が限られていました。その点、今の店舗ではブランドを目当てに来てくださるお客様やブランドをすでに知ってくださっているお客様も多く、接客のチャンスも増えましたね。
特にライブや旅行などの予定に合わせて店舗に寄ってくださるお客様も多く、共通の話題から自然と会話が広がることが多いんです。そうしたやり取りの中で、自分の強みを活かした接客ができるのは、この店舗ならではだと思います。お客様とお話しする時間を楽しみながら、日々接客しています。
──楽しみながら接客をする秘訣は?
洋服以外に好きなことがあるといいと思います。最近は推し活コーデのニーズも増えています。例えば、付け焼き刃でアイテムのカラーをお勧めするよりも、好きなアーティストの世界観をもとに提案すると一歩先の接客ができると思うんです。自分らしい切り口で接客できるのは強みになるのではないでしょうか。
──入社して気づいた、販売職の新たな一面はありましたか?
「接客されたくない人って、意外と少ないのかも」と思いました。もちろん一人で商品を吟味したい方もいますし、ブランドの接客スタイルにもよります。ただ話してみると実は相談したかったり、会話の中で欲しいものが見えてきたりすることも多いです。なので、最初から「話しかけない方がいい」と決めつけないようにしています。
そうしてお客様と話すうちに関係性が生まれることもあります。以前、ヘルプで入った時に接客したお客様が、後日「オンラインで買ったアイテムのコーデを相談したい」と名指しでお電話をくださいました。最近もその方と再会し、私のスタイリングを見てくださっていたと知って、本当にうれしかったです。
──他にも現場で意識していることは?
目標や数字ももちろん大切ですが、それ以上に言葉遣いや所作といった印象面が大切だと考えています。相槌の仕方やハンガーを掛ける仕草一つとっても、お客様への印象は変わります。価格帯に関係なく、おもてなしの心は常に意識したいですね。
対面で感じた「リアル」が企業理解につながった
──そもそも、ファッションを好きになったきっかけは?
中高一貫の進学校に通っていたのですが、勉強が特別得意というわけではなくて、一番になれるものがなかったんです。
そんな時、好きなアーティストのスタイルに憧れて服に興味を持ち、服なら自信を持てるかもしれないと思ったのがきっかけでした。調べていくうちに洋服やデザイナーの背景を知るのが楽しくて、どんどんのめり込みました。
服飾の専門学校に行く選択肢もありましたが、当時は服だけではなく、将来の幅広い選択肢を見据えたい気持ちもあって。ECやマーケティングといった分野にも興味があったので、職種の可能性も広げられる四年制大学の商学部に進みました。最終的に、その中でアパレル業界の道を選びました。
──就職活動はどのように進めていきましたか?
両親が旅行・交通業界で働いていたので、最初はその業界も考えていましたが、コロナ禍で採用がストップしてしまって。高校生の時から服への知識や興味には自信があったので、大学2年の頃にはアパレル業界に絞りました。両親も「好きなことをやればいい」と応援してくれました。
──職種は最初から販売職志望だったんですか?
最初はECや商品企画など本社系の仕事に興味がありましたが、新卒採用では販売職スタートが多くて。
そんな時に参加したREADY TO FASHIONの合同説明会で、実際に現場で働く方からキャリアプランを直接聞けて印象が変わったんです。販売を極める人、本社にキャリアアップする人など、さまざまな道があると知って、将来像が少しずつ見えてきました。結果的に販売職からキャリアを築いていくことを選びました。

──学生時代には、アパレルでのアルバイト経験もあったんですね。
大学2年生の時に始めました。ちょうどコロナ禍で、SNSやネットで服好きのコミュニティと関わる機会が増えた頃だったので、アルバイトをするならアパレルで販売をやってみようと。
最初に働いたブランドは途中で社長が変わり、接客スタイルが合わず退職したのですが、その後、同じ館に自分の好きなテイストのカジュアルブランドがオープンすることになって。オンライン発のブランドという点にも惹かれて、そこでアルバイトを始めました。
──ECに興味があったのはなぜ?
ちょうどファッション系のインフルエンサーによるブランドが増えた時期で、オンライン販売の可能性を感じていました。入社したブランドは、オンライン発で、しかも運営が老舗セレクトショップというギャップが面白く「ここで働いてみたい」と思ったんです。
──順調そうに見えますが、就活で苦労したことはありましたか?
当時のアルバイト先が兼業NGだったので、他ブランドで長期インターンができなかったことです。販売職のインターン経由で面接につながるケースも多かったので、スタートダッシュがうまく切れなかったのは少し不安要素でしたね。
──逆にやっておいてよかったことは?
対面で話を聞くようにしたことです。オンラインでは空気感が分かりづらいので、インターンシップに参加できない分、興味のある企業の説明会はできる限り対面で参加していました。
説明会終わりには、実際に店舗に足を運んで接客を受けてみることもしていましたね。そのブランドの接客スタイルが分かりますし、現場のリアルな雰囲気がつかめてよかったです。大学でクイズ研究会に入っていたこともあり、情報をとことん調べたり集めたりするのが好きなんです(笑)。
──そのリサーチ力は就職活動でも活きましたか?
はい。やはり企業を深く知ることができると思います。ネットの採用情報だけでなく、IR情報や社長のインタビューなどもチェックしていました。会社の方針を知ることで、自分の価値観と合っているかを見極められたと思います。
洋服好きが集まる世界で、どう差別化できるか
──話は戻りますが、ファッション業界で働き続けるモチベーションはどんなところにありますか?
服の話をできることですね。お客様とも店舗のメンバーとも、好きなブランドやコーデの話ができるのが純粋に楽しいです。
また、立地的に本部の方が来られることも多いので、商品やお客様の動向について詳しく話せたり、顔を覚えてくださったりするのも励みになっています。
──直近の⽬標は?
オンラインサイトのスタッフスタイリングに力を入れ、ブランド内でECサイトの売り上げ1位を目指して日々奮闘しています。
この取り組みが評価されて、公式サイトに掲載されるスナップ企画にも参加させていただきました。入社時からの目標だったので、入社後最速で選ばれたのはとてもうれしかったです。販売スタッフを続けるにしても、EC職に進むにしても、文章作成や撮影スキルは強みになるので、引き続き磨きをかけていきたいです。
──最後に、アパレル業界を目指す方にメッセージをお願いします。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますが、本当にその通りだと思います。洋服が好きな人が多い業界だからこそ、どう差別化していくかは重要です。だからこそ、自分の好きなことと、どう掛け合わせるかが大切になってきます。
ファッション以外のことでも、色やスタイリングのこだわりでもいい。自分らしい視点を持って唯一無二の存在になってほしいです。信念を持って行動すれば、結果はきっとついてくると思います。
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