
アパレルデザイナーの転職では、ポートフォリオに比べて職務経歴書の作成が後回しになりがちです。しかし実際には、どんな業務をどこまで担当しどんな成果を出してきたのか、またどんな判断や工夫を重ねてきたのかを伝える重要な資料として、職務経歴書は重視されています。
本記事では、アパレルデザイナーならではの職務経歴書の書き方ポイントを整理し、評価されやすいポイントや実績のまとめ方を解説します。
>応募書類作成の際は、履歴書の書き方もあわせて参考にしてください。
<目次>
アパレルデザイナー担当の職務経歴書(見本・サンプル)
20××年××月〜現在
氏名:
連絡先:メール/電話番号
ポートフォリオ:URL
【職務要約】
国内アパレルメーカーにてレディースウェアのデザイン業務に従事。企画立案〜仕様書作成〜サンプル修正〜量産指示まで一貫して担当。市場ニーズを捉えたデザイン提案を得意とし、ヒットアイテム多数。
【職務経歴】
■株式会社ABC(正社員) 20xx年4月〜現在所属:デザイン部/レディスグループ役職:デザイナー
【担当業務】
担当カテゴリー・価格帯
・トップス(カットソー / ブラウス):¥8,000〜¥18,000
・アウター(ジャケット / コート):¥25,000〜¥60,000
・ボトムス(パンツ / スカート):¥12,000〜¥28,000
業務内容
・各カテゴリーにおけるシーズンコンセプト設計/ムードボード作成
・Illustrator/Photoshopでのデザイン作成
・カテゴリー別の素材選定、仕様書作成
・パタンナー指示、サンプルチェック・修正対応
・生産工場との連携、量産指示・進行管理
・展示会(年4回)向け出展企画・商品構成立案
【実績】
・年間50型の企画〜デザインを担当し、前年対比売上120%達成
・海外工場との仕様調整によりコスト削減率5%
・新規ライン「〇〇」の立ち上げ企画・デザインをリード
【スキル】
デザインツール:Illustrator(上級)、Photoshop(中級)
語学:英語(日常会話レベル)
パタンナー連携・素材知識・OEM調整経験
【自己PR】
商品企画段階から仕様設計、量産指示まで一貫して対応してきました。市場リサーチや展示会動向をもとにトレンドを分析し、MDと連携しながら売れ筋になりやすい型数・仕様に落とし込むことを意識しています。その結果、担当した商品では売上上位10%に入る型を複数創出しました。感覚に頼るのではなく、市場ニーズと量産条件を踏まえた設計判断を行うことで、再現性のある商品企画に貢献できる点が強みです。
職務経歴書の基本構成
以下の項目を順に記載します
1.基本情報(氏名/連絡先/LinkedIn・ポートフォリオURL)
2.職務要約
3.職務経歴(会社名・部署・役職・在籍期間)
4.担当業務
5.実績・成果
6.スキル・使用ツール
7.自己PR
テンプレート
職務要約:
アパレルデザイナーとしてXX年。レディース / メンズ(※該当分野)を中心に、企画立案から仕様書作成、サンプル修正、量産指示まで一貫して担当。トレンド分析をもとにした商品企画を強みとし、主力アイテムの売上拡大に貢献。
職務経歴:
【会社名/部署名】
在籍期間:
役職:
■主な担当業務:
・
・
■実績:
・
・
使用ツール:
・
・
スキル:
・
・
アパレルデザイナーが職務経歴書で評価されるポイント
アパレルデザイナーの職務経歴書では、デザイン力に加えて、企画力・コミュニケーション力・成果を数値で示すことが重要です。採用側は「どんなデザインができるか」だけでなく、市場やブランド意図を理解し、関係者と連携しながら売れる商品を形にできるかを見ています。
ここからは、職務経歴書で評価されやすい具体的なアピールポイントを項目別に解説します。
担当工程と実務範囲
企画立案からどの工程まで関わっていたかは、アパレルデザイナーの実務レベルを判断する重要な指標です。
デザイン提案のみなのか、仕様書作成、サンプルチェック、修正指示、量産前の最終判断まで担っていたのかなど、自身が主体的に関与していた工程と役割の深さを明確にしましょう。特に、量産を見据えた修正指示や工場とのやり取りの経験がある場合は、高く評価されます。
担当アイテム・ブランド特性
これまで担当してきたアイテムやブランド特性を具体的に記載することで、企業側は即戦力としてのマッチ度を判断しやすくなります。
レディース / メンズ、布帛・カットソー・ニットなどのカテゴリに加え、「ブランドのターゲット層、価格帯、テイスト(ベーシック / トレンド / ラグジュアリーなど)」もあわせて整理しましょう。自分の強みが発揮しやすい領域を言語化することが重要です。
実際に求人の必須条件や歓迎条件に、「オールアイテム歓迎」と書かれている場合もあります。具体的な担当アイテムを記載していないと、実際の経験値よりも浅くみられてしまう可能性があるので気をつけましょう。
担当量・規模感
実務経験のボリュームは、数字で示すことで説得力が高まります。1シーズンあたりの担当型数、年間の企画本数、展示会の実施回数などを記載することで、業務スピードやマルチタスク耐性が伝わります。
アシスタント経験の場合でも、「サポートした型数」や「関与したシーズン数」を明記することで、実務理解度をアピールできます。
設計・判断の工夫
デザインの見た目だけでなく、どのような意図や判断軸で設計してきたかも重要な評価ポイントです。
トレンド要素の取り入れ方、原価・納期・量産性を考慮した仕様調整など、実務上の工夫や判断の背景を具体的に記載しましょう。企画意図とビジネス視点の両立ができているかは、即戦力デザイナーとして見られます。
活かせるスキル・ツール
使用してきたツールは、どの業務でどのレベルまで使っていたかと紐づけて記載するのがポイントです。
IllustratorやPhotoshopを用いた仕様書作成、指示書作成、修正作業など、実務との関連性を示すことで、入社後の再現性が伝わります。加えて、Excelでの原価管理やスケジュール管理など、周辺スキルも記載すると評価につながります。
アパレルデザイナーならではの書き方
ここからは、アパレルデザイナーの職務経歴書をより評価される内容にするために、各項目を記載する際の具体的なポイントを解説します。
【担当業務】では、担当工程を明確にする
デザイナー業務は、企画・デザイン作成・仕様書作成・サンプル修正・量産指示など工程が多岐にわたります。そのため、「デザインを担当」ではなく、どの工程まで関わっていたのかを明示することが重要です。担当範囲を明確にすることで、実務レベルや裁量の大きさが伝わります。
▼記載例
・企画立案〜仕様書作成、量産指示までを一貫して担当
・デザイン作成とサンプル修正を中心に、量産工程は生産管理と連携
担当範囲を明確にすることで、実務レベルや裁量の大きさが伝わります。
【担当業務】では、「担当量」や「規模感」を数字で表す
アパレルデザイナーの実績は、売上以外にも数値化できます。担当型数、シーズン数、展示会回数などを記載することで、経験のボリュームを具体的に示しましょう。
▼記載例
・1シーズンあたり約40型の企画・デザインを担当
・年4回の展示会に向けた商品企画を担当
どれくらいの量を継続的に担当してきたかは、即戦力かどうかを判断する重要な指標になります。
【実績】では、設計・判断の工夫を明記する
デザイナー職では、デザイン上の判断や工夫そのものが実績になります。なぜその仕様にしたのか、どんな課題をどう解決したのかを簡潔に添えましょう。
▼記載例
・量産を見据えた仕様設計により、サンプル修正回数を削減
・素材選定を見直し、コストとデザイン性の両立を実現
結果だけでなく、判断の背景を書くことで再現性のあるスキルとして評価されます。
【実績】では、売上がなくても評価される成果を示す
売上数字を直接把握していない場合でも問題ありません。
アパレルデザイナーの場合、原価削減、納期遵守、トラブル削減なども十分な成果として評価されます。
▼記載例
・原価を前年度比3%削減
・納期遵守率98%を維持
・量産トラブル件数を前年比30%削減
現場視点での改善実績は、企業側から高く評価されます。
【スキル】では、使用スキル・ツールは「業務との紐づけ」で書く
IllustratorやPhotoshopなどのツールは、何の業務で使っていたかまで記載すると、即戦力としてのイメージが明確になります。
▼記載例
・Illustrator(デザイン作成、仕様書作成)
・Photoshop(素材加工、ビジュアル調整)
・Excel(進行管理、原価管理)
単なるスキル一覧ではなく、実務との関連性を意識しましょう。
職務経歴書で避けたいNG例と注意点
ここでは、NG例とOK例を比較しながら、アパレルデザイナーの職務経歴書で評価されやすい書き方のポイントを解説します。
①業務内容は「成果・影響」まで書く
×「サンプルチェック、仕様書作成」
◎「仕様書作成から量産まで担当し、納期遵守率98%で量産を完了」
→デザイナー業務は作業内容だけ書くと、アシスタント的な印象になりがちです。それぞれの業務が、量産・納期・品質とどう結びついたかを示すことで、即戦力として評価されやすくなります。
②企画意図や評価結果まで含めて書く
×「展示会企画を担当」
◎「展示会企画を担当し、シーズンコンセプト設計から商品構成まで関与。主要取引先バイヤーから高評価を獲得」
→展示会や企画業務では、関与している範囲と周りからの評価や結果が重要です。単に「担当した」ではなく、企画意図や反応(評価・受注・継続取引など)を補足することで、ビジネス視点を持つデザイナーとして伝わります。
③ヒット商品は「根拠・数字」まで書く
×「ヒット商品を手がけました」
◎「市場分析をもとにデザインした商品が、初回生産1,200枚を完売。販売計画比130%を達成し、追加生産につながりました」
職務経歴書内の要約・実績・自己PRに、ヒット商品について言及する場合は、具体的な数字もしくは根拠(理由)を必ず入れたほうが再現性をアピールできます。
よくある質問とその解決方法
Q:実績に成果の数値が出せない場合はどう書けばいいですか?
「シーズンビジュアルのアイテムとして起用され、発売日当日に即日完売に至る」「リースでの利用が多い」「芸能人の着用で売上に貢献等」など、社内外での評価や影響度が分かる事実を記載することで、成果として十分にアピールできます。
Q:アシスタントデザイナーでも職務経歴書はしっかり書く必要がありますか?
アシスタントでもあっても、即戦力のアピールをするためにも「やっていた業務範囲」「どんなことを能動的に行動していたか」をしっかりと記載していた方が良いです。
アシスタントとして「どんな役割を担ってきたのか」「他部署との関わり方で工夫していたこと」「それによってどう貢献できたのか」などを記載しているとgoodです。
Q:ブランド名や取引先名はどこまで書いていいのでしょうか?
差し支えない範囲の記載で問題ないですが、可能な限り具体的な情報を記載した方が、応募求人との親和性を図ってもらいやすい場合もあります。
Q:未経験分野(例:メンズ→レディース)への転職でも通用しますか?
正直に言うと、難しい可能性が高いです。ただ、提案書などで熱意を示すことは可能です。
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