
アパレルMD(マーチャンダイザー)は、商品計画の立案から販売計画、予算管理、売上分析、在庫コントロールまでを担う、ブランド経営の中核となるポジションです。
一方で職務経歴書では、「売上はチームの数字だけど書いていい?」 「商品企画や生産との連携はどう表現すればいい?」「MD設計をどう実績として見せればいい?」と悩む方も少なくありません。
本記事では、アパレルMD向けに、採用担当者が評価しやすい職務経歴書の書き方を、構成のポイントや具体例を交えながら解説します。
>>応募書類作成の際は、履歴書の書き方もあわせて参考にしてください
<目次>
アパレルMDの職務経歴書(見本・サンプル)
20××年××月〜現在
氏名:
連絡先:メール / 電話番号
【職務要約】
アパレルMDとして6年。レディースブランドにて商品企画、MD計画立案、予算管理、売上分析を担当。市場動向と販売データをもとにシーズン戦略を構築し、担当カテゴリ売上前年比118%、粗利率4%改善を達成。
【職務経歴】
株式会社ABC
在籍期間:2019年4月〜2025年12月(正社員)
役職:MD(マーチャンダイザー)
【担当業務】
◼︎担当領域
・レディースアパレル(布帛/カットソー/ニット)
・年間担当型数:約150〜200型
・年間売上規模:約5〜8億円
・年間仕入れ予算:約3〜5億円
◼︎価格帯
コンテンポラリーブランド
・トップス:¥8,000〜¥18,000
・ボトムス:¥12,000〜¥25,000
・アウター:¥20,000〜¥60,000
◼︎業務内容
・シーズンMD計画立案
・販売計画および予算策定
・商品構成比設計(アイテム・価格帯・SKU設計)
・売上/粗利/消化率分析
・商品企画担当との商品開発連携
・生産計画立案および発注数量決定
・週次売上分析および追加生産判断
・値引き施策立案
・店舗/EC販売戦略立案
・経営層向け予算進捗レポート作成
【実績】
◼︎売上向上
・過去3年間の販売データを分析し、売上構成比が高いニットカテゴリのSKU数を増加。低消化率カテゴリの型数を削減
→ 担当カテゴリ売上前年比118%達成
→ 消化率75%から82%へ改善
・店舗/EC別の購買データを分析し、ECで需要の高い商品を拡充
→ EC売上前年比130%達成
→ EC構成比18%から25%へ向上
◼︎粗利改善
・価格帯ごとの販売実績を分析し、粗利率の高いゾーンの商品構成比を強化
・値引き開始時期を見直し、プロパー販売を強化
→粗利率4%改善
→プロパー消化率前年比+10%改善
◼︎在庫最適化
・SKU別消化率を可視化し、生産数量決定ルールを再設計
・販売初動データをもとに追加生産判断を実施
→ シーズン末在庫残高20%削減
→ 在庫回転率1.4倍改善
【使用ツール】
・Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)
・Power BI
・POS分析ツール
・Google Looker Studio
【スキルキーワード】
アパレルMD、マーチャンダイジング、商品企画、販売計画、売上分析、予算管理、在庫管理、SKU設計、粗利改善
【自己PR】
データ分析と市場トレンドの両面から商品戦略を構築することを強みとしています。売上・粗利・在庫のバランスを意識しながら、商品構成や価格帯設計を行い、収益最大化に向けたMD運営を実践してきました。特に販売データをもとにした仮説立案と検証を得意としており、売れ筋商品の追加生産や商品構成の見直しを通じて、担当カテゴリ売上前年比118%を達成。また企画、生産、営業、店舗運営など多部署と連携しながらプロジェクトを推進できることも強みです。
職務経歴書の基本構成
以下の項目を順に記載します。
1.基本情報(氏名 / 連絡先)
2.職務要約
3.職務経歴(会社名・部署・役職・在籍期間)
4.担当業務
5.実績・成果
6.スキル・使用ツール
7.自己PR
テンプレート
【職務要約】
アパレルMDとしてXX年。〇〇カテゴリの商品計画、販売計画、予算管理を担当。売上向上と在庫最適化に貢献。
【職務経歴】
2020年1月〜2025年3月(在籍期間) 会社名(雇用形態)
役職:
【担当業務】
◼︎
◼︎
◼︎
【実績】
◼︎(数字+施策)
◼︎(数字+施策)
【使用ツール】
・
・
・
【スキルワード】
【自己PR】
アパレルMDが職務経歴書で評価されるポイント
アパレルMDは、商品を企画するだけでなく、売上・粗利・在庫を設計する役割です。
そのため採用担当者は、「どの規模の数字を担当していたか」「どのような判断を行っていたか」「どんな成果を生み出したか」を重視しています。ここからは、評価されやすい具体的なアピールポイントを解説します。
担当ブランド・カテゴリ・事業規模
MDは、担当するブランドやカテゴリーの規模によって求められる役割が大きく異なります。採用担当者は「どのくらいの売上規模や商品数を任されていたのか」を重視するため、担当カテゴリだけでなく、売上規模や型数、予算規模なども具体的に記載しましょう。
▼記載例
・レディースブランドのニット・カットソーカテゴリを担当
・年間売上規模:約8億円
・年間担当型数:180型
・年間予算規模:約4億円
・全国25店舗+自社ECを展開するブランドのMDを担当
・EC売上比率30%の事業において商品計画を立案
商品戦略・MD計画の立案力
MDは売上目標を達成するために、「何を、いつ、どれだけ販売するか」を設計する職種です。商品構成や価格帯、販売時期など、どのような戦略を立てていたのかを具体的に記載することで、MDとしての思考力や企画力をアピールできます。
▼記載例
・販売実績をもとにニットカテゴリーの構成比を25%から35%へ拡大
・主力価格帯を12,000円〜15,000円から15,000円〜18,000円へ見直し、客単価向上を図る
・春夏シーズンの立ち上がり需要を見込み、人気カテゴリーの投入時期を前倒し
・年間180型の商品計画および販売計画を策定
・シーズントレンドと顧客ニーズを踏まえた商品構成を設計
・気温変化による消化不良商品に対し、売場変更や販促強化、SKU間の投入バランス調整を行い、在庫消化を促進
納期トラブルや気候に起因する在庫の消化不良など、イレギュラーに対しての対応力が問われる場合もあります。そういった経験があれば、課題に対してどんな判断・調整を行ったのかまで含めて実績として書いていただいても問題ありません。
売上・粗利・在庫の改善実績
MD職では、商品戦略の結果としてどのような成果を生み出したかが重要です。売上や粗利だけでなく、消化率や在庫回転率など、MDならではの指標も活用しながら実績を具体的な数字で示しましょう。
▼記載例
・商品構成比の見直しにより担当カテゴリ売上前年比118%を達成
・価格戦略の再設計により粗利率を52%から56%へ改善
・販売初動をもとに追加生産を実施し、消化率を74%から83%へ向上
・SKUごとの発注数量を見直し、在庫回転率を1.2倍から1.5倍へ改善
・値引き施策を最適化し、プロパー消化率を前年比10ポイント向上
・デザイナーと協議のうえ、販売価格とターゲットに合わせて仕様を調整し、コストと商品価値のバランスを最適化
生産管理やデザイナーと連携しながら、コストや品質のバランスを踏まえて仕様や進行を調整した経験があれば、実績として記載するといいでしょう。
データ分析と仮説検証力
MDは感覚だけで商品を企画する仕事ではありません。販売データや顧客動向を分析し、仮説を立てながら商品計画や生産計画に反映していく力が求められます。どのような分析を行い、施策につなげたのかを具体的に記載しましょう。
▼記載例
・過去3シーズンの販売実績を分析し、販売効率の低いSKUを20%削減
・価格帯別の売上構成を分析し、中価格帯商品の構成比を強化
・会員データを活用し、主力顧客層の購買傾向を分析
・週次で販売実績と在庫推移をモニタリングし、追加生産の判断を実施
・ヒット商品の販売要因を分析し、次シーズンの商品企画へ反映
アパレルMDならではの書き方
ここからは、アパレルMDの職務経歴書をより評価される内容にするために、各項目を記載する際の具体的なポイントを解説します。
【職務経歴】では、ブランド規模と担当範囲を明確にする
MDはブランド規模や事業フェーズによって役割が異なります。「SPAブランド」「セレクトショップオリジナルブランド」「百貨店ブランド」「D2Cブランド」など、業態を明記しましょう。
▼記載例
株式会社〇〇
業態:レディースSPAブランド
所属:MD部
年間売上規模7億円の主力カテゴリを担当商品企画から販売計画、発注数量設計、在庫管理まで一貫して担当
【担当業務】では、商品戦略の設計内容まで書く
MDの仕事は単なる売上管理ではありません。「誰に、何を、いつ、どれだけ販売するか」を設計する役割です。業務内容を記載する際は、分析業務だけでなく、どのような商品戦略を立案していたのかまで記載すると評価されやすくなります。
▼記載例
・シーズンMD計画の策定(カテゴリー構成比、価格帯設計、販売計画立案)
・年間180型の商品ラインナップ設計および投入時期の決定
・販売実績および顧客動向分析をもとにSKU数を最適化
・販売初動データをもとに追加生産・追加投入を判断
・企画、生産、EC、店舗と連携し商品戦略を推進
【実績】では「なぜその戦略を取ったか」を書く
MDは売上結果だけでなく、その結果を生み出した意思決定が評価される職種です。単に「売上前年比120%」と記載するのではなく、どのような仮説を立て、商品計画や生産計画に反映したのかまで記載することで、再現性のあるMDとして評価されやすくなります。
▼記載例
・過去3年間の販売データを分析した結果、主力顧客層においてニットカテゴリーの購買率が上昇していることを確認。秋冬シーズンのニット構成比を25%から35%へ拡大
→ 売上前年比122%達成
→ 消化率8ポイント改善
・価格帯別販売実績を分析し、競争が激しい低価格帯SKUを削減。利益率の高い中価格帯商品の構成比を強化
→ 粗利率4%改善
→ 値引き率を前年比15%削減
職務経歴書で避けたいNG例と注意点
① 数字がない
×「商品計画を担当」
◎「年間売上5億円規模のカテゴリMDを担当」
→ MDは数字を扱う職種です。規模感を必ず示しましょう。
② 業務列挙だけで終わる
×「売上分析を担当」
◎「売上分析をもとに価格帯構成を見直し、粗利率を改善」
→ 行動と成果をセットで書きましょう。
③ 結果だけを書く
×「売上前年比120%達成」
◎「ニット構成比を拡大し、売上前年比120%達成」
→ 採用担当者が知りたいのは「なぜ成果が出たのか」です。
よくある質問とその解決方法
Q:チームで管理していた売上でも実績として書けますか?
問題ありません。チーム実績として記載した上で、自分がどの領域を担当し、どんな役割を担っていたのか、またどんな分析や改善施策を行い、成果につなげたのかまで合わせて書けると、より伝わりやすくなります。
Q:会社の機密情報になるため、売上規模や粗利率を詳しく書けません。どうすればよいで
すか?
課題に対して、どんな分析や施策を行い、結果につながったのかを記載できれば問題ありません。必要に応じて、具体的な数値は伏せた上で、「前年比改善」「消化率改善」など、大まかな表現に置き換えてもよいでしょう。
Q:MDと商品企画の業務が重なっていました。どのように書き分ければよいですか?
担当していた業務範囲を整理し、それぞれの比重が分かるように記載するといいでしょう。実績は分けて整理すると、読みやすいです。
例)
【担当業務】
MD:業務全体の60%
企画:業務全体の40%
【実績】
◼︎MD
・
・
◼︎企画
・
・
Q:ブランド立ち上げフェーズに携わっていた場合、何をアピールすればよいですか?
担当した業務はすべて記載したうえで、メインで担当していた領域はより詳しく書くのがベストです。ブランド立ち上げ経験がある方は、多くありません。他の候補者との差別化を図るためにも、その業務の中での自分の強みをアピールできるといいと思います。
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