※5月15日繊研新聞転載 人が育つ企業特集より

東京・南町田グランベリーパークの「デサントストア」で「マンシングウェア」の担当を経て、現在は銀座にある路面店「デサントゴルフコンプレックス銀座」の副店長を務める。社会人から始めたゴルフの経験を、接客や店舗イベントの企画などに生かしている。

未経験から挑戦

20年4月に入社し、それまでやったことがないゴルフブランドの担当となった。1年目は販売スキルを磨くことに専念したが、2年目を前にゴルフを始めようと一念発起。ゴルフ練習場に行き始めるとその面白さにのめり込んだ。ゴルフ関連の動画を見たり、女子プロの大会を観戦したりしながら、同じタイミングでゴルフを始めた父と一緒に腕を磨いた。今では月に3、4回はコースに出る。平均スコアはレディスティーで80。

ゴルフを始めたことで仕事に良い影響が出た。一つは商品の伝え方にリアリティーが増したこと。例えば「ユーティリティーカバー」なら以前はクラブを保護するアイテムという認識だったが、ゴルフをやるようになって、番手が限定されることを知った。服も同様。「店とゴルフ場では着た時の感じ方が異なる」と分かり、汗や雨にぬれたときの乾き具合、汚れの落とし方などについて体験を交えて話せるようになった。

もう一つの利点はお客との会話の深まり。彦根さんがゴルフ愛好者だと分かると、「どれくらい行くの?」などと聞かれるようになり、お客との距離が縮んだ。自分から名乗らずとも名札を見て名前で呼んでもらえるようにもなった。「『この人なら安心』と信頼を得られるのが販売員の醍醐{{だいご}}味」と強調する。

「主力店の店長が目標」という彦根未来さん

そんな彦根さんの強みが最も生きるのは店舗イベントの企画。来店促進やセット率向上のため、銀座店では毎月1、2本の販促イベントを組んでいる。企画立案を担当する彦根さんがこだわっているのはゴルファー視点だ。アプリを使って省スペースでもできるシミュレーションゴルフや、スポンジボールを使った的当てゲーム…。お盆の時期には夏祭りのように店内にビニールプールを入れてボールすくいをやったこともある。一定金額を購入した客に記念品をプレゼントする定番イベントであっても、ゴルフにちなんだ体験型企画とすることで、ゴルファーの心をくすぐり、「記憶に残るように」している。

来店促進のため、毎月販促イベントを企画する(デサントゴルフコンプレックス銀座)

共感で終わらない

25年12月に副店長となり求められることが変わった。これまではスタッフから相談を受けても共感して終わっていたことが多かったが、今は聞いたうえで原因の特定や解決策の提示をしなければならない。

スタッフから話しかけてもらえるような雰囲気作りも大事だ。自ら積極的に話しかけ、気配りと心遣い、感謝の気持ちで接するようにしている。そのためスタッフの行動は「目を皿のようにして」見て、良いところを褒める。「自分のことを気に掛けてくれるのは誰もがうれしいはずですから」

夢は主力店の店長となり会社の成長に貢献すること。ただ店長になるとマネジメント業務が増えるため接客時間が減ってしまう。だからこそ「スタッフの鏡になるよう売り上げもとれる店長でいたい」と考えている。目指すはプレイングマネジャーだ。

《ポイント》ここがすごい!
ゴルフ愛が強く、プレー経験やこだわりを接客や販売にフル活用し、自発的にゴルファー視点のイベントも企画実行しています。常にポジティブ思考であることも強みです。豊富なゴルフの知識を店舗や会社全体に共有し、次世代の人材育成にも生かしてもらい、ゴルフとデサントを愛する人々に、店舗が「聖地」となるようリードしてくれることを期待しています。
(ブランドマーケティング第1部門販売2部セールスプロフェッショナル山田洋介さん)

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