採用・労務管理・評価制度・人材育成など、ブランドや企業の成長を「人」の側面から支えるアパレル人事労務職。現場理解と制度運用のバランスが求められる職種だからこそ、職務経歴書では「何を担当していたか」だけでなく、「どのように組織や現場を支え、どんな改善や成果につなげたか」を具体的に伝えることが重要です。

一方で、「バックオフィス業務は成果を数字で書きにくい」「採用や労務は定型業務に見られがち」「制度づくりの関与度をどう表現すればいいかわからない」と悩む人も少なくありません。

本記事では、アパレル人事労務職向けに、採用担当者に伝わる職務経歴書の書き方を、構成のポイントや具体的なサンプルを交えながら解説します。

>応募書類作成の際は、履歴書の書き方もあわせて参考にしてください

アパレル人事労務の職務経歴書(見本・サンプル)

20××年××月〜現在
氏名:
連絡先:メール / 電話番号

【職務要約】
アパレル人事労務経験5年。本社・全国店舗を含む人事業務を担当し、採用から労務管理、制度運用まで幅広く従事。現場理解を強みに、定着率向上と業務効率化を実現。

【職務経歴】
株式会社ABC(アパレルSPA企業 / 人事総務部)
在籍期間:2020年4月〜2025年12月(正社員)
役職:人事労務担当

【担当業務】
・約◯◯◯名規模の勤怠管理、月次給与計算(締め〜支払処理まで担当)
・社会保険手続き(入退社・算定基礎・年度更新など)
・全国直営店舗(約◯店舗)スタッフの労務管理・個別面談対応
・中途採用業務(販売職・本社職):媒体選定、応募者対応、面接調整、内定フォロー・入退社手続き、オンボーディング設計・運用
・評価制度運用サポート(評価回収・集計・昇給データ作成)
・顧問社労士および給与計算ベンダーとの連携・折衝

【実績】
◼︎労務管理
・勤怠ルールの見直しおよび店舗向け管理フローを再設計
→ 月平均残業時間を20%削減
→ 店長からの労務関連問い合わせ件数を削減

◼︎採用業務
・求人媒体の見直しおよび原稿改善、選考フローの標準化を実施
→ 年間30名採用、定着率90%以上を維持
→ 応募から内定までのリードタイムを短縮

◼︎制度運用
・評価シート改訂および運用マニュアル整備
→ 評価回収率向上
→ 人事業務工数を30%削減

【使用ツール】
Excel(勤怠・人事データ管理)、給与計算システム、人事管理システム

【スキルキーワード】
アパレル人事、労務管理、採用、勤怠管理、給与計算、制度運用、現場調整力

【自己PR】
アパレル業界において、店舗現場と本社双方を理解した人事として、労務・採用・制度運用を幅広く担当してきました。日々の勤怠管理や給与計算などの正確なオペレーションを徹底するとともに、現場の声を吸い上げ、ルールやフローの改善につなげる実行力を強みとしています。また、採用では人数充足だけでなく定着率を意識し、選考フローの整理やオンボーディング体制の整備を推進。組織の安定化と業務効率向上に貢献してきました。

職務経歴書の基本構成

以下の項目を順に記載します。

1.基本情報(氏名/連絡先)
2.職務要約
3.職務経歴(会社名・部署・役職・在籍期間)
4.担当業務
5.実績・成果
6.スキル・使用ツール
7.自己PR

テンプレート

職務要約:
アパレル人事労務としてXX年。採用・労務管理を中心に、店舗・本社を横断した人事業務を担当。定着率向上や業務効率化に貢献。

職務経歴:
【会社名/部署名】
在籍期間:
役職:

■主な担当業務

■実績
・(数字+施策)
・(数字+施策)

使用ツール:

スキル:

アパレル人事労務が職務経歴書で評価されるポイント

アパレル人事労務では、採用計画を実行する遂行力や現場を理解した労務・制度運用力が評価されるため、「どのフェーズの人事を、どの規模・どんな体制で担当していたか」「結果として何が改善されたのか」を意識して整理することが、書類通過のポイントです。

ここからは、職務経歴書で評価されやすい具体的なアピールポイントを項目別に解説します。

採用・定着への貢献度

単に「採用担当」と書くだけでは不十分です。どのような課題があり、どう改善し、どんな成果につながったかまで記載しましょう。

・年間採用人数(例:販売職30名、本社職5名など内訳まで記載)
・応募数や選考通過率の改善
・離職率の改善(例:半年以内離職率25%→12%へ改善)
・定着率向上のために実施した施策(面談制度導入、研修設計など)

特にアパレル業界では店舗スタッフの定着が経営課題になりやすいため、「採用数」だけでなく「定着まで見ているか」が重要な評価ポイントになります。

組織規模・担当範囲

人事労務は、担当範囲の広さ=経験値と判断されやすい職種です。自分がどのスコープを担っていたのかを明確にしましょう。

・従業員規模(例:全社150名/うち店舗スタッフ120名)
・本社のみか、全国店舗含む全社対応か
・正社員・契約社員・アルバイトまで対応していたか
・新卒/中途のどちらを担当していたか
・国内のみか、海外拠点対応があったか

「約〇名規模を担当」「全国〇店舗を管轄」など、数字を入れることで実務レベルが伝わります。

制度運用・改善経験

人事労務は「運用しているだけ」なのか、「改善しているのか」で評価が大きく変わります。

・評価制度の改定や評価フローの再設計
・勤怠ルールの見直し、残業削減施策の実施
・給与計算フローの効率化、チェック体制の構築
・人事データの一元管理、管理表の整備
・社労士や外部ベンダーとの連携体制構築

そのうえで、 「工数〇%削減」「残業時間〇%改善」「評価回収率向上」など、
ビフォーアフターが分かる成果を添えると、即戦力として評価されやすくなります。

アパレル人事労務ならではの書き方

ここからは、アパレル人事労務の職務経歴書をより評価される内容にするために、各項目を記載する際の具体的なポイントを解説します。

【職務経歴】では、会社・ブランド・組織規模を明確にする

人事労務職では、「どの会社で働いていたか」だけでなく、どんな組織規模・業態・人員構成を担当していたかが評価の前提になります。

以下の要素が分かるように記載しましょう。
・会社名・ブランド名
・業態(メーカー / SPA / 商社 / 小売 など)
・従業員規模(本社 / 店舗、正社員 / アルバイト)
・担当範囲(本社人事のみ / 店舗含む全社対応 新卒担当 / 中途担当など)

▼記載例
株式会社〇〇(アパレルSPA企業)
人事総務部 / 人事労務担当
※本社約30名・全国直営店舗約200名を担当

この時点で、採用担当者は「どの規模・難易度の人事労務を経験しているか」を把握できます。

【担当業務】では、役割と成果をセットで記載する

アパレル人事労務では、「担当業務」と「成果」を切り分けず、役割と結果をセットで書くことが重要です。

・どこまで主担当だったのか
・運用だけか、改善・企画にも関与したのか
・結果として何がどう変わったのか

を具体的に示しましょう。

▼記載例
◼︎労務管理(2021/04〜現在)
・勤怠管理、給与計算、社会保険手続き
・店舗スタッフのシフト・残業時間管理
・労務トラブル一次対応、顧問社労士との連携
→ 月平均残業時間を20%削減、労務相談件数を半減

◼︎採用業務
・店舗販売職・本社職の中途採用対応
・求人媒体選定、原稿作成、面接調整
・入社手続き、オンボーディング対応
→ 年間30名採用、定着率90%以上を維持

◼︎制度・運用改善
・評価シート改訂、等級制度の運用サポート
・人事データ管理フローの見直し
→ 評価運用工数を30%削減

キャリアアドバイザーN
キャリアアドバイザーN

繁忙期の長時間労働改善や、新店舗出店に伴うオープニングスタッフの確保など、アパレル業界ならではの採用課題に対応した経験があると、より評価につながりやすいです。待遇でギャップが生まれやすい業界でもあるため、その課題を踏まえて福利厚生の拡充などに取り組んだ経験も、アピール材料になります。

【実績】では、「事務作業のみ」に見せない書き方を意識する

人事労務職は、業務内容だけを見ると「定型事務」に見られやすい職種です。

そのため、
・なぜその運用にしたのか
・どんな課題を解決しようとしたのか
・結果として何が改善されたのか

を意識して書くことで、「考えて動ける人事」「現場を理解した人事」として評価されやすくなります。

職務経歴書で避けたいNG例と注意点

ここでは、NG例とOK例を比較しながら、アパレルデザイナーの職務経歴書で評価されやすい書き方のポイントを解説します。

① 成果や改善点を明確にする
×「中途採用業務を担当し、面接調整や入社手続きを行った」
◎「採用フローを見直し、選考スピードを改善→ 中途採用の内定承諾率を70%から85%に向上」

→採用人数、定着率、内定承諾率など、可能な範囲で数値や変化を示しましょう。数字が難しい場合は、「改善」「削減」「向上」などのビフォー / アフターが伝わる表現を意識します。

② 担当範囲を具体化
×「人事担当として採用業務を担当」
◎「本社および全国直営店舗を対象に、販売職・本社職の中途採用を年間30名担当」

→具体的に明記することで、採用側が「自社でも活躍できるか」を判断しやすくなります。

③ 企画・改善視点を書く
×「オンボーディング対応を行った」
◎「入社後1ヶ月のフォロー面談を制度化し、定着課題を早期に把握 → 入社半年以内の離職率を15%改善」

→運用業務だけでなく、「課題をどう捉えたか」「なぜその施策を行ったのか」「どんな工夫をしたのか」といった思考・判断のプロセスを書くことで、再現性のある人事として評価されやすくなります。

よくある質問とその解決方法

Q:人事アシスタント経験でも評価されますか?

キャリアアドバイザーN
キャリアアドバイザーN

バックオフィス系の職種は、実務経験の内容や年数が重視される傾向があるため、アシスタント経験のみだと評価が難しいケースもあります。

キャリアアドバイザーK
キャリアアドバイザーK

そうですね。アシスタントであっても、人事担当者と同等レベルの実務を経験していれば可能性はあります。ただ、その場合「なぜアシスタントという立場なのか」という疑問を持たれることもあるため、できるだけ人事として主体的に実務経験を積んでいくことが重要です。

Q:採用と労務、両方書いても問題ありませんか?

キャリアアドバイザーN
キャリアアドバイザーN

問題ありません。ただし、業務の割合もあわせて記載すると採用担当者に伝わりやすくなります。(例:採用3割、労務7割など)どちらをメインに業務を担当していたのか、またどんな資格や実務経験があるのかを明確にすることが重要です。

キャリアアドバイザーK
キャリアアドバイザーK

採用と労務は必ず項目を分けて記載しましょう。同じカテゴリーにまとめてしまうと読みづらくなり、結果的として「何をメインに担当していたか」が伝わりにくくなります。内容が整理されていないと、書類選考の通過率にも影響する可能性があるため気をつけましょう。

Q:制度設計の経験がなくても大丈夫ですか?

キャリアアドバイザーN
キャリアアドバイザーN

ミドル層の場合は、制度設計の経験が求められるケースも多く、経験がないと難しい場合があります。一方、ジュニア層であれば、給与計算や就業規則の運用などの実務経験があれば、大きな問題はないケースが多いでしょう。

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三谷温紀(READY TO FASHION MAG 編集部)

2000年、埼玉県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、インターンとして活動していた「READY TO FASHION」に新卒で入社。記事執筆やインタビュー取材などを行っている。ジェンダーやメンタルヘルスなどの社会問題にも興味関心があり、他媒体でも執筆活動中。韓国カルチャーをこよなく愛している。