
右:小出和佳(こいで・わか)株式会社TSI グループ戦略統括部 経営戦略部 事業開発課 所属。2022年に新卒でTSIに入社。コンテンツマーケティング課でのWEBコンテンツの企画制作や READY TO FASHIONでの営業職を経て、2025年より現職。今回のプロジェクトではチームメンバーとともにプロジェクトの全体設計を担当。ジョブローテーションで培った現場視点と人脈を活かし、公募プロジェクト進行を実施している。
ブランド撤退や人員のスリム化を経て、新たな成長を模索するTSIホールディングス。その挑戦として2025年10月1日から始動するのが、正社員からアルバイト、子会社まで全社員が応募できる新規事業公募プロジェクト「Next TS!」です。
立場を問わず誰もがアイデアを事業化できる仕組みは、アパレル業界でも異例の試み。「一人ひとりの挑戦から未来をつくる」というメッセージを掲げ、次のTSIをともに描く文化づくりに挑みます。
今回は、プロジェクト設立を推進した事業開発課の北島さんと小出さんに、その裏側と社員に期待する変化を伺いました。
<目次>
全社員を対象にした、新規事業公募プロジェクトとは
──新規公募プロジェクト「Next TS!(ネクスト ティーエスアイ)」について教えてください。
北島彩香(以下、北島):正社員や契約社員、アルバイト、そして子会社までを含めた全員が応募できる新規事業公募プロジェクトです。弊社がこれまで培ってきたブランド価値を大切にしながら、ファッションの枠を超えて新しい領域へ挑戦する第一歩として立ち上げました。10月1日から募集を開始します。

──プロジェクトの目的は?
小出和佳(以下、小出):端的に言えば、「TSIの未来をつくる事業の種」を⾒つけることです。既存事業はTSIの基盤として今後も大きな役割を果たし続けますが、持続的で安定的な成長には、新しい市場やそこに蒔く価値の芽を育てる必要があります。
事業会社が集まってできた会社ということもあり、事業会社ごとに独立しがちな側面もありましたが、このプロジェクトを機に横軸を強化し、新しいものを生み出す動きが生まれることも期待しています。
北島:そうですね、自分の担当ブランドのことだけを考えるのではなく、グループ全体の視点でアイデアを共有できる機会はこれまで少なかったので、ブランドの垣根を越えた相乗効果が生まれる場になれば理想です。

──プロジェクトを立ち上げた背景は?
北島:2024年に中期経営計画で事業の見直しを行い、ブランド撤退なども進めました。そのフェーズが一段落したところで、次の挑戦として新たな領域に踏み出したいと考えたのがきっかけです。
小出:NBB事業部(NATURAL BEAUTY BASIC事業部)からスタートした新ブランド「ネイビーネイビー(NAVYNAVY)」を2025年秋にローンチした後、次のステージを模索していた段階でもあり、全社員を対象にした新規事業公募をやろう、という流れになりました。
北島:ブランド撤退や人員のスリム化といったネガティブなニュースが多いタイミングだったので、最初は実施に戸惑いがありました。
弊社のパーパスには「ファションエンターテインメント創造企業」という言葉があります。社長の下地もデザイナー出身で、「クリエイティブな発想を持った会社でありたい」という思いが強く、その後押しを受けて今回のプロジェクトが形になりました。
──これまでも新規事業のアイデアを募っていたとか。
北島:はい。特定部署への検討依頼や個人単発での提案から、新規事業の構想プロジェクトが発足され立ち上げを検討したこともあったのですが、実行まで至らかなかったケースもありました。
今回のプロジェクトでは、事業の精緻化に向けた最初の段階でKPIや事業計画を明確にした上で進め、審査プロセスも課長から社長まで経営陣を巻き込む仕組みを用意しました。
小出:ネイビーネイビーで得た成功要因と、過去にうまくいかなかった企画から学んだ点を組み合わせ、公募プロジェクトとしてブラッシュアップしています。実行力を高める体制が整ったのは大きな違いですね。
スマホからも応募可能な仕組みで現場社員の声まで拾い上げる
──対象者は社員だけでなく、契約社員やアルバイト、子会社の従業員まで含めているのが特徴です。
北島:第一ステップは、とにかく幅広くアイデアを集めること。特に販売スタッフですと、アルバイトの比率が高いので、現場のリアルな声を拾う意味でも全員に門戸を開きました。
──応募後の具体的なフローを教えてください。
北島:募集期間は10月1日から11月中旬まで。一次選考で独自性や革新性の観点から10案が選ばれ、最終的に5案が社長や外部から招いたゲスト審査員にプレゼンされます。そこで実現性や市場性を踏まえて3案をアワードとして表彰します。
──外部審査員を起用した理由は?
北島:今回はアパレルに限らないテーマでざっくばらんに募集をかけています。他業界の専門的な知識を持つ方の視点も取り入れたいと考えています。
──会社として、応募者に対してのバックアップはどのように行う予定ですか?
小出:二次審査に通過すると、社内のスペシャルサポーターが入ります。審査が進むごとに、フィードバックする役職も変わり、課長やセクション長からもアドバイスを受けられる。結果を通知するだけでなく、今後につながる学びを持ち帰ってもらうことを重視しています。
企画書のフォーマット提供や、質問を受け付ける事務局も設置予定なので安心して取り組めると思います。

──特に、アルバイトの方や本社に来る機会の少ない人は、応募に対して不安を感じることもあると思います。そうした心理的な負担はどう解消しますか?
小出:一般的には、最初から事業化を目指して、ターゲットや市場、事業計画などを提出する場合もあります。ですが、最低限の項目を網羅した応募フォームに回答するだけで、販売スタッフなど普段PCを使わない方でもスマホから簡単に入力できるようにしています。
もちろん応募するにあたって必須条件もないので、経歴や役職に関係なく応募できますよ。
──応募者に期待する姿勢は?
小出:新規事業というと、たいそうなアイデアや企画でなければと構えてしまうかもしれませんが、会社につぶやくくらいの気持ちで気軽に応募してほしいです。
北島:審査の初期段階では、エンタメ性を評価しています。ワクワクしながら考えたアイデアこそ、人を動かす力がある。熱量や楽しさをそのまま応募に込めてもらえたらと思います。
新陳代謝のある企業文化を目指して
──社員にとって、このプロジェクトに挑戦するメリットはなんでしょうか。
小出:一番は、日々の業務の中で思いついていても、なかなか形にできなかった⾃分のアイデアを実際に形にできることですね。
北島:普段は直接関わる機会のない経営層に、自分の考えを届けられるのも大きなポイントです。そして、もしサービスとしてお客さんに届けられる日が来たらそれは本当にうれしいことですよね。そこまで実現できるように私たちもサポートしていきたいです。
小出:これから入社する方にとっても、自分のアイデアが事業の一環として会社を支える柱になる可能性があるのも魅力と考えています。「次世代のリーダー候補生」という新卒採用のメッセージともつながりますし、プロジェクトの存在自体が会社のポジティブな印象につながるのではないでしょうか。

──プロジェクトを通して、社内にどんな変化をもたらしたいですか?
小出:かっこいい⾔葉で⾔うと、新陳代謝のある企業⽂化を作りたいです。その上で、応募した本人の変化とその周りのチームの変化、ひいては事業部間の変化。この三つが連鎖的に起きれば理想です。
自分のアイデアを人に伝え、実現に向けて動く経験は、課題を発見して解決に導く力を養えます。そうすることで、自然と既存業務の中でも活かされるはずです。そして、応募者を応援する雰囲気が醸成されれば、「みんなで会社をつくる」意識も高まると考えています。
──「新陳代謝のある企業」とは具体的にどんなイメージですか?
小出:考えていることを自然と外に発せられる環境ですね。
私自身、新卒2年目で経験が浅い頃に、配属されたチームの先輩に「率直にどう思う?」と意見を求められ、エッセンスを吸い上げてくださった経験がありました。それが新人ながらにとても励みになった。ポジティブな体験は長期的な原動力になるので、そういった経験が皆さんにもあってほしいです。
北島:今回のプロジェクトは、誰もが主役になれる場です。新しい挑戦を通じて日々の業務のマンネリを打破するきっかけにもなると思います。

──現段階での課題や、今後の展望は?
北島:やってみないと分からない部分もありますが、課題は「参加のしやすさ」と「アイデアの質」をどう担保するか。今回の公募で見つけた種を、長期的に育て、花を咲かせることが私たちの使命です。
小出:これまでTSIが築いてきた強みやブランドを大切にしつつ、新しい領域へ挑戦する第一歩がこのプロジェクト。「NEXT TS!」には、次のTSIをみんなで作っていくという思いが込められています。合言葉のように未来を示す存在になればうれしいです。皆さんのご参加、お待ちしております!
株式会社TSIの求人一覧
株式会社TSIでは、「NANO universe」や「AVIREX」などのブランドで販売職を募集しております。興味のある方はぜひ一度求人をご覧ください。
CTA:求人一覧
求人一覧ファッション・アパレル業界の求人一覧
READY TO FASHIONでは、5,500件以上の求人情報の中から新卒や中途、アルバイト、副業などの雇用形態のほか、多種多様な職種・業種軸で自分にあった仕事をお探しいただけます。
気になる企業があれば企業とチャットで直接話せるので業界に興味ある方は、ぜひREADY TO FASHIONをご活用ください。
その他の求人はこちら