大妻女子大学家政学部被服学科では、吉井健教授の指導のもと、3年生・4年生を対象にアパレルの設計・生産の仕組みを学ぶ講義を開講しています。より理解度を高め、現場のリアルな視点を届けるため、全15回の授業のうち数回はアパレル企業の担当者がゲストスピーカーとして登壇し、実践的な内容を講義形式で紹介します。
取材日には、繊維商社のタキヒヨーが登壇。授業の前半では、繊維商社の事業領域やアパレル業界の構造について解説し、後半では「なぜ、ファッション業界や繊維商社がサステナブルな取り組みを行っているのか」をテーマに講義を行いました。
アパレル=小売というイメージをもつ学生も多い中で、生産、物流、商社といった業界の多様な職種や企業の存在に触れることで、業界への理解をさらに深め、学生の卒業後のキャリアや選択肢につなげていくといいます。
また、吉井教授のゼミ(ファッションビジネス研究室)では、2021年から学生が主体となり、ファッションブランド「m_r tokyo(マール トウキョウ)」を運営。産学連携や環境に配慮したサステナブルファッション推進プロジェクトとして発足して以来、三井ショッピングパーク ららぽーと、モスフードサービス、東レ、タキヒヨー、そして全国の縫製工場といった企業とコラボを実現しています。
同ブランドは学生層にとどまらず、40代〜50代の購買層にも支持されています。セシールとコラボした「着圧ハイソックス らく圧®」や東レとコラボした日傘など、ヒット商品も生み出してきました。
吉井教授は、「今後も、学生の関心にできるだけ寄り添いながら、国産商品を活性化させる商品企画や販売企画を行っていきたい」と話します。今後は、異業種との新たな商品開発も予定しています。