ITの普及により、膨大の量の情報が溢れる現代。ライフスタイルにも劇的な変化が起き続け、多様化が進んでいます。それに伴い働き方も多様化が進む今、一人一人が自分にあった仕事(会社)の選び方・キャリアデザインの必要性が高まっています。

この連載では、主に皆さんからの質問や相談にお答えしていきます。

「どう選択していくか」をそれぞれが自分で考える。そんなきっかけになれば嬉しいです。

周りはメーカーや金融、大手企業を志望している人が多く、ファッション業界に進むべきかどうか迷っています。 好きなことを仕事にしない方が良いのでしょうか。

連載第一弾の質問は、自分の好きなファッション業界に進むべきか、或いはファッションは趣味にして他の業界に進む方が良いのかというご相談です。この質問、ファッション業界に興味のある方から良く受ける質問です。が、いくつかの要素が絡まりあっていて、実は結構深いんです。質問者や世の中のイメージが無意識的に刷り込まれてしまっている要素が多いので、少し分解してお答えしていきたいと思います。

「好きなことを仕事にする」のリスクって?

まず、「好きなことを仕事にする」ことのどの部分に不安を感じられているかによっても答えは変わってきます。これまで相談を受けてきたパターンで行くと下記2つの意味合いがほとんんどです。

①ファッション業界って給料が安いイメージやシフト勤務で不安定なイメージ。他の事を犠牲にしてでも好きな事を優先すべきかどうか悩む。

②好きなことが仕事になると、自由に楽しめなくなってしまって好きでいられなくなってしまいそう…。

質問者がどちらの要素によって悩んでいるかによって回答が変わってきますのでそれぞれについてお答えします。

①については、もし入りたい会社が本当に給料が低い(上がらない)、シフト勤務という事実がある場合、入社を決めるには相応の覚悟が必要です。それらを犠牲にするだけの覚悟があるのかどうかを慎重に判断する必要があります。ただし、ここで重要なのは「何に対する覚悟か」という事です。ファッション業界の場合、最初から自分の好きな仕事を任せてもらえるというケースは稀有です。なので、将来どういう力を身に着けたいのか、どういう職種(仕事内容)に携わっていたいのか、という所をざっくりでも構わないので考えてみる事から始め、そこに対してどれだけ近づける可能性がある会社なのかという点で比較検討をすることが大切です。その可能性を得るために給料が上がりにくい状態やシフト勤務の期間を乗り越えられる覚悟があるか。そこを慎重に判断してみてください。

一方、ファッションは業界は本当に給料が低い業界なのかという点については、会社や仕事内容次第で、他の業界と同等或いはそれ以上に給料を得ることができる会社や仕事もあります。(給料が低い会社が多いのも事実ですが…) なので、イメージだけで「ファッション業界」を一括りで捉えず、自分の足を使って仕入れた情報を元に判断することが大切です。

②については自身の経験も含めてお応えすると、好きなことを仕事にしてしまったから好きではなくなってしまった…というケースはあまりないですね。むしろ積極的に「好きなことを仕事にすること」を推奨したいぐらいです。というのも、やっぱり好きなことの方が色々とアイデアが浮かんできますし、夢中になりやすいんですよね。つまりその分活躍にもつながりやすい。ただ、「ファッションが好き」なのと「ファッション業界の仕事が好き」というのは別の話なので、ファッション業界での仕事というのをもっと具体的に情報収集した上で、それでも尚ワクワクするのであれば、間違いなくその道にチャレンジした方が良いです。

真剣に考え、気軽に決断する

自分自身の就職活動を振り返ってみると、恥ずかしいぐらいに受身な活動をしていたな…と思っています。先輩や友人から聞いた情報をそのまま鵜呑みにしてしまったり、強く明確な意思を持たずに「なんとなく興味があるかな」ぐらいのトーンで活動してました。ただし、その後色々な会社、キャリアに触れることで「自分の足を使って仕入れた1次情報」と「(その時点における)自分なりの意思を持つこと」の重要性をとても感じます。選択肢の多さが、より良い決断に繋がる。もっともっと色々な世界や色々な人の話に触れて、自分にフィットした道に進むことを決断してもらえたらなと思います。

そして、新卒で入る会社選びは大切ですが、その先にチャレンジする道を変える事ができるもの事実です。むしろどんどん変化することが求められて行きます。最初の決断が一生を決めてしまうという事は無いですし、(真剣に考え抜いたのであれば)最後は少し気持ちを楽にして決断するぐらいが丁度良い。また何かあれば相談お待ちしてます!

この連載は皆さんからの質問にお答えする形で進めていきます。是非お気軽にご質問ください。

質問はこちらから:https://naoyayoshida.sarahah.com/

【注意事項】質問頂いた内容は、連載内でご紹介させていただく場合もございます。 また、全てのお問い合わせに関しまして、お答えできかねますのでご了承ください。

関連記事

他の業界と比べてファッション業界の成長環境って?|ヘッドハンターの答え Vol.2

あっ… …という間に2月。早すぎません?一説によると、人生を80年として考えたときに体感速度としては19歳で人生の折り返しらしいです。思い立った時にすぐに行動しないと、どんどん時間が過ぎて行ってしまうんですね。気を付けます。さて、皆様からの質問にお答えするこの連載。今回はこちらの質問にお答えしたいと思います。 なるほど。今回は他の業界(スタートアップベンチャー)と比較した時のファッション業界についての質問ですね。「ファッション業界」といっても様々な企業がありますので、全てを一括りにして答える事はできませんが、一般的な傾向としてお答えしていきたいと思います。また、スタートアップも業界によって異な…

ファッション業界の自己PRって何を伝えれば良いの?|ヘッドハンターの答え Vol.3

世の中の花粉症持ち就活生の皆さん、こんにちは!この季節は花粉症によりマスクを手放せない吉田です。この苦しみは花粉症の人としか分かち合えないと思いますが、集中力も切れがちで本当につらい…。が、就職活動は待ってくれません。まさに皆さん活動の真っただ中ですね。先日、某大学の学生団体より依頼を受け、就活アドバイスのセミナーに参加してきました。参加した学生の皆さんがとても熱心に話を聞いていたので、何とか力になってあげたいな…と思ったわけですが、その中で一番多かった相談内容は「自己PR」についてでした。連載の第3弾は、今回は「自己PR」についてお答えしていきたいと思います。自己PRにおける勘違い自己PRに…

ファッション業界の会社選びのポイントは?|ヘッドハンターの答え Vol.4

GWも終了し、世の中も春から夏へ装いが変わりつつありますね。皆さんの中でも、就職活動も終盤を迎えつつある方が出てきている頃でしょうか?早く就職活動から解放されたいという気持ちが大きいと思いますが、最後の決断が最も重要です。最後まで気を抜かず最良の選択ができるようしっかりと立ち止まって考えてください。そこで、連載の第4弾は、「失敗しない会社の選び方(入社企業の選び方)」についてお話したいと思います。働くイメージが持てるかどうか、で決断する順調に就職活動が進んでいる方の中には、複数社から内定をもらっている方もいるかと思います。そして、その中でどの会社を選んだらよいか私宛に個別に相談をいただく方も何…

新卒でアパレルPR職の募集が見つかりません|ヘッドハンターの答え Vol.5

梅雨入りしましたね。仕事柄、外出機会が多いので梅雨の時期はどうしても苦手です。PCを持ち歩きつつも傘を携帯して…。なんとな~く、気持ちもモヤモヤしがちな季節ですよね。が、志向はいつもクリアに!今日は先日相談を受けたモヤモヤに対してお答えしていきたいと思います。現役PRマネージャーに聞くPR職になる方法ファッション業界の中でも最も人気が高いと言っても過言ではないPR職。ブランドの顔として、時にはメディア露出もあり、その華やかなイメージに憧れを持つ方も多いのではないでしょうか?実際、転職相談を受ける中でもPR職への転職について相談を受けることも非常に多いです。先日も就職活動中の学生さんからPR職へ…

ファッション業界に入る前に今のうちにしておいた方が良い事ってありますか?|ヘッドハンターの答え Vol.6

先月開催した、トークイベント「ファッション業界のキャリアデザイン」には、なんと高校生の参加もありました。世の中にはそんな早い段階からキャリアを考えている人がいるなんて凄い…高校時代の自分に見せてやりたいですよ、ほんと。一方で「そういう時代になってきているだなぁ」と実感しました。その中で最も関心が高く、質問が多かったのが「将来に向けて今準備すべきこと」に関する内容。今回はこれをテーマにまとめてみたいと思います。知識は体験には勝てない。徹底的に体験せよ。「今のうちに勉強しておいた方が良い事はありますか?」誤解を恐れずに言うならば、机の上のみでの学びはほとんど意味を成しません。頭で覚えたことってどん…


Recruitment

吉田直哉

ファッション業界への就職を目指し、新卒でバーニーズジャパンに入社。 その後リクルートエージェント(現リクルートキャリア)にて様々な業界における転職支援、採用支援を経て、現在はファッション業界のヘッドハンターとして活動しつつ、ファッション業界におけるキャリア教育、コンサルティング業務、コミュニティー企画・運営など幅広く活動中。

この記事をシェア