新進気鋭のクリエーターと共に制作しているファッションフリーマガジン「Uni-Share」が2017年10月22日(日)にUni-Share Vol.15「身震い」をリリース。本紙でしか見ることができない内容を、READY TO FASHION MAG内にて特別に公開。

インタビュー企画テーマ:「Leave Behind」Re:qual≡ 土居 賢哲

Re:qual≡  土居 賢哲:少年期に聴いたあるロックバンドに感銘を受け、その歌声、様相に憧れ熱狂的な信者となる。その後、彼らに少しでも近づきたいという夢を追いかけファッションを学ぶ為東京へ上京。東京モード学園を卒業後BFGU(文化ファッション大学院大学)に進学しダブルスクールでcoconogaccoに通い自身のブランド「Re:qual≡」(リコール)にて活動を開始。

変化しゆく社会の中で多様性を持った時代の革新と、共に着る楽しさや面白さ そして感動を表現し、届け続けて行くこと。

「正解のない世界にはたくさんの美しさが眠っている」

時代、性別、国境、あらゆる垣根を越え既成概念にとらわれない新しい服を世に送り出し続ける土居。そんな彼が自身の生み出す衣服に影響を与えたアーティストの存在、服作りの流儀についてを語る。アンコンベンショナルな表現方法で他と一線を置く彼の目指すRe:pual≡とは。

ーブランド名であるRe:qual≡の由来についてお聞かせください。

土居:Re:qual≡の由来はご興味を持ってくださる皆様のご想像にお任せしたいのですがこれといって深い意味合いなどはないのかもしれません。未だ言葉になっていない事や物を表現したいと思ううちに自然とこの言葉に辿り着きました。

ー人生の中で「身震い」した経験はありますか。

土居:幾度となくありますがその多くはJanne Da Arc yasuさんというヴィジュアル系ロックバンドのvo.からです。アニメ「ブラックジャック」のOPでJanne Da Arcの「月光花」が流れた瞬間。その時の事を思い出すと今でも鳥肌が立つし、ちょっとうるっとくる。私もまだうまく言葉にできないのですが、客観的に振り返ればどこかであったことのあるような、でも全く新しい音楽でした。

ーJanne Da Arcのvo. yasuさんがRe:qual≡に与えている影響はありますか。

土居:彼の全てに影響を受けました。風貌だったり、彼の持っている鋭い瞳孔だったり、もちろんスタイリングにも。彼の着ているジャケットはどこのだろうとか、彼のような髪型になるにはどうしたらいいんだろうみたいな(笑) そして彼の内面からもとても影響を受けました。そしていつしか、そうなりたいと思う自分がいました。

ーデザイナーになられたきっかけはなんですか。

土居:yasuさんのようなカッコいい人になりたかったんです。その後、「色々な人の数だけ色々な考え方や様々な色の衣服、衣服への気持ちがあっていい」と思う機会が幾度となくありました。正解のない世界にはたくさんの美しさが眠っていると思います。時に酷いモノやこの世界に溢れているモノ、必要性を感じてもらえなく今にも捨てられてグチャグチャにされてしまいそうなモノなどには特に素敵な要素が沢山詰まっているのではないかと考えます。まだ発見されたことのない本当の美しさを奏でることが出来るのではないか、そのような思想を持つ私達にファッションデザイン以外の道はありませんでした。時代に対する違和感と、共に言葉にできない他者とズレた不の感情と失敗が作る不美を兼ね備えた中間性。それを作っていく事がデザインと向き合いたいと思ったきっかけです。

ー影響を受けたデザイナーさんはいらっしゃいますか。

土居:ファッションの楽しさや面白さを実感させて頂いたRYOTA MURAKAMI-村上亮太さん、ファッションの広大な世界を教えて下さったwrittenafterwards-山縣良和さん。ファッションの普遍的な美しさを教えて下さったMIKIO SAKABE-坂部三樹郎さん。COMME des GARCONS-川久保玲さん。幼い時から通っていた故郷の美容室ANTICHICのRikaさんとAkiちゃんがギャルソンのコレクションルックを着て髪を切っていたのを幼少期から見ていたのでその影響は計り知れませんでした。
TAKASHI NISHIYAMA-西山高士さん。とてつもなくデッカくてカッコいい作品を作られていてゴジラに影響を受けた西山さんにも、とてつもないデッカい影響を受けました。感謝と尊敬でいっぱいの魅力的な方々です。

ーRe:qual≡の服は男性向けですか、それとも女性向けですか。

土居:男性向けだとか女性向けだとかそういう区別は私達のクリエイションの中にはありません。男であるとか女であるとかの意識がない最終型を目標としています。ユニセックス、ジェンダーレスなどファッション業界ではよく耳にする言葉ですが、いわゆるそういうことではなくて男性と女性のセクシャリティが混在してる服。この世にそういう服がスタイルとして確立しているか、一つの美として確立されているかと言われるとしっかりはされていないと思うのです。今後はそうった部分も作っていきたいと思っています。本当の美しさというものは男女の境界線をも超過してしまうのではないでしょうか。Re:qual≡が届けたい衣服は、男女はもちろんのこと女性美を兼ね備えた男性に、男性美を兼ね備えた女性に、その何方でもない性別の方に、様々な趣味、性格、個性、国境を越えて袖を通して頂きたいと思っています。

ー今後の展開を教えてください。

土居:国際コンペティションへの参加や来シーズンのコレクションに先駆けてDEEDFASH-IONというファッションメディアと協業でECサイトとショップでのコレクション展開及び販売を予定しています。展示会や今後の動きに関しましてもRe:qual≡のInstagramやDEEDFASHIONのofficial等で随時発表させて頂く予定です。

ーありがとうございました。では最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。

土居:最後までご一読ありがとうございました。この記事を読んで頂いた皆様といつかまた何処かでお会いできる日を楽しみにして励んで参ります。社会を衣着ると共に未来を明るくする事を大切に。

Uni-Shareとは

首都圏の大学生で構成されたファッションフリーペーパーを発行している学生団体。

10月22日に最新号vol.15をリリースし、同日に開催された写真展『残響』も多くの動員数を誇り成功に収めた。今号ではVETEMENTSのランウェイにアジア人で初めて抜擢された木下マナミをメインビジュアルに起用、モトーラ世理奈が主演を務める映画『少女邂逅』とのタイアップも果たした。

webサイト:http://www.uni-share7.com

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twitter:https://twitter.com/uni_share

最新号vol.15の購入はこちら:https://unishare15.thebase.in


READY TO FASHION MAG 編集部

1000社・25万人/月間が利用するファッション・アパレル業界の求人WEBサービス「READY TO FASHION」を運営する株式会社READY TO FASHIONが、業界での就職・転職活動に役立つ情報を発信するメディア『READY TO FASHION MAG』。業界の最新情報をお届けするコラムや業界で活躍する人へのインタビュー、その他ファッション・アパレル業界の採用情報に関するコンテンツを多数用意。

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