繊研新聞が発表した、今注目すべき「最もクリエイティブなデザイナーランキング」(1月16日付)。これは、日本の有力セレクトショップのバイヤーや百貨店のディレクターが選ぶもので、まさに今のファッション業界を牽引してくれているブランドということだ。今年はどんなブランドが選出されたのか、本企画では4部門に分けてお届けしていく。

vol.4の今回は国内/メンズ部門のランキングを発表。インスタグラムのアカウントも合わせて掲載しているので、フォローして今後の動向にも注目してもらいたい!

 国内メンズ部門

第10位 SUNSEA(サンシー)

デザイナーは米山忠義・米山周子夫妻。定番アイテムはセットアップ。おしゃれ芸能人に人気ということもあり、モデルであり最近では俳優業もこなす坂口健太郎やおしゃれお笑い芸人のピースの又吉直樹などが着用し話題を呼んでいる。

デザイナー米山周子Instagram

 

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第9位 yoshiokubo(ヨシオクボ)

デザイナーの久保嘉男は2000年にフィラデルフィア・スクール・オブ・テキスタイル&サイエンスを卒業。もともと映像を学びに行っていたのだが、ファッションが好きだったことや、フィラデルフィアに留学中にオートクチュールデザイナー ロバート・デインズと出会ったことにより、ファッション業界への道が拓けていった。2009年春夏で東京コレクションデビューを果たす。

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Puma by yoshiokubo is coming soon #yoshiokubo x #puma

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第8位 UNDERCOVER(アンダーカバー)

デザイナーの高橋盾は、1989年に文化服装学院アパレルデザイン科に入学し、在学中に一之瀬弘法とともにアンダーカバーを立ち上げた。在学中には、バンドを組み、ボーカルを担当していたことなども有名。昨年は、新メンズラインのザ・シェパード アンダーカバーを立ち上げたり、インテリアデザイナーの佐々木一也と共に家具ブランドを手がけていくことなども発表し、マルチな才能を発揮し続けている。

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第5位 SOPHNET.(ソフネット)

1998年の創業以来、常に様々な取り組みを行ってきた同ブランド。創業翌年に、デザイナーの清永浩文は「思わず着たくなるおしゃれなユニフォームを作ろう」と思いつき、“架空のサッカーチームのユニフォーム”というコンセプトで、F.C.Real Bristol を立ち上げた。立ち上げた当時は、街でユニフォーム姿のファッションを見ることが少なかったが、それが瞬く間に若者に広がっていった。また、昨年はコカコーラともコラボするなど、常に新しいことに挑戦し続けている。

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NEW RELEASE on FEBRUARY 18 SOPHNET. STAR TRAINING BLOUSON www.soph.net/blog/ #sophnet #uniformexperiment

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第5位 SUN/kakke(サンカッケー)

デザイナーの尾崎雄飛は19歳でテーラードを学ぶために渡英。しかし、当時は学校に通うわけでも、テーラーで働くわけでもなく、ひたすら古着屋で買ってきた服をアパートに持ち帰ってはバラし、服の構造を学んでいたという自称”ファッションオタク”のエピソードを持つ。

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第5位 イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)

デザイナーの高橋悠介は抜擢された当時は、27歳という若さ、かつ入社してまだ3年目の時であった。しかし、彼の才能は底知れない。自分自身で”まだ経験が浅い”と謙遜しつつも、その若さからくる発想力をものづくりの強みとして活かしている。また、イッセイミヤケというブランドの伝統だけではなく、日本の染めものの伝統にも真摯に向き合い、新しいもの作り出そうとするチャレンジ精神が人を惹きつけてやまないのかもしれない。

#イッセイ ミヤケ メン(こちらは公式Instagramではありません)

 

躍動感w。 🌬👻🌬👻🌬👻🌬👻🌬👻🌬👻🌬👻🌬👻🌬👻 #isseymiyake #isseymiyakemen

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第4位 visvim(ビスビム)

2001年にビスビムをスタート。フットウェアを中心にしたコレクションは海外からも高い評価を得ている。”中身からデザインしていかなければいけない。内側から出てくるものが一番カッコ良い”とデザイナーの中村ヒロキは語る。服作りへの情熱は熱く、世界中の工場に自ら足を運んでいる。

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visvim – Lookbook SS17 #visvim #visvimtv #wmv #indigocampingtrailer

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第3位 kolor(カラー)

ブランド名の由来は、”特別な意味がなく、外来語として耳に入ったときに、「ホワイト」や「グリーン」など短い単語で耳なじみのいいもの。イメージが大きすぎて、逆にイメージしづらいものにしたかった”と語るデザイナーの阿部潤一。彼はブランドを立ち上げる時、”もう一度ゼロにもどって、自分の居場所を探していこうと思った”そうだ。

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第2位 FACETASM(ファセッタズム)

昨年はパリコレにも初参戦し、勢いが止まらない同ブランド。LVMHヤングファッションデザイナープライズ*(LVMHプライズ)のファイナリストに日本人として初めて選ばれるなど、世界から一目置かれる存在だ。そんな有名になった今でも彼は、インタビュー取材などでいつも”僕ら”という言葉や”チーム”という発言をし、仲間というものを大事にしていることがうかがえる。

*LVMHヤングファッションデザイナープライズとは?

 LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループによる若手クリエイターの育成・支援を目的にしたファッションコンテスト。

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#justinbieber #purposetourmexico #facetasm #facetasmtokyo #ss2017

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そして栄えある第1位は…

第1位 sacai(サカイ)

国内のメンズ/レディースを制したのはサカイであった。レディース編でもお伝えしたが、デザイナーの阿部千登勢は結婚出産を機に一度業界を離れている。しかし、業界への復帰を勧めたのは、他でもない、メンズ部門で第3位に輝いたカラーのデザイナーでもあり、プライベートでは夫でもある阿部潤一だったそう。立ち上げた当初は、子育てや家事との両立で5型しか作り上げることが出来なかったが、夫 阿部潤一は「それでもいいじゃないか」と背中を押してくれたそうだ。お互いを尊敬し合い、支え合っているからこそ、良い仕事ができるのかもしれない。

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sacai 2017 Spring Summer Men’s collection Backstage shot by @renehabermacher. #sacai #sacaiofficial

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今回で、2016年度版「最もクリエイティブなデザイナーランキング」(繊研新聞社)を全てお届けしたが、いかがだっただろうか。今回の国内/メンズ部門では、ランキングにノミネートされたデザイナーたちが多彩かつストイックで、そしていかに熱量を持って仕事に向き合っているのか、というところが垣間見えたと思う。国内ではファッション業界は暗い話題が多いが、世界ではまだまだ成長産業という研究結果*も出ている。是非とも今回のデザイナー陣たちの背中を見つつ、READY TO FASHIONの読者の皆さまに活躍していって欲しい。


Text:Reiko.SREADY TO FASHION編集部)


READY TO FASHION MAG 編集部

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