2017年7月16日(日)、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科ファッションデザインコース天野ゼミ4年生が前期課題の研究発表としてファッションショー「SHAM」を「世田谷ものづくり学校」で開催した。

テーマは「SHAM(装う、見せかけ、偽物)」

皆が良いというものを買う。安く済むからと高級ブランドの模造品のような服を買って纏う。
気づけばみんな同じような「おしゃれ」な格好。

「おしゃれ」を纏うことが本当のファッションなのか?

本当の装うとは何なのか。
こんな想いを抱える学生たちが、自分たちが思う「理想の服」を制作し、ショーを行った。

会場には学生のみならず、ショーを心待ちにした業界人の姿もみえた。

ショーが始まるとランウェイをモデルたちが足早に過ぎ去っていく。同じルックが何回も繰り返しランウェイを歩く。急に立ち止まったり、反対方向に方向展開するなど終始動きの予想がつかない。高級ブランドのショッパーをたくさん握りしめ歩いてくるルックや、ブランドのロゴが前面にプリントされたカットソーなど、ブランド品を露骨に纏って「おしゃれ」をすることへのアンチテーゼが感じられた。

5月に行われた「SICF18」(第 18 回スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)でも出展し、同ゼミの代表をつとめる宮崎靖之氏はテーラードジャケットをベースとし、随所が切りっぱなし加工されたジャケットを発表した。
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発表された服はおしゃれというよりは学生各々の「個性」が前面に出ており、テーマ通り見せかけのファッションではなかった。

今のファッション業界に必要なのはファッションを通して現状を疑うことなのかもしれない。武蔵野美術大学のショーでは学生が日頃感じている「おしゃれ」に対するフラストレーションが形になり、力強く想いの詰まった服は、見る人に新鮮にうつり新たな価値観をもたらしたことだろう。

READY TO FASHION MAG 編集部

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