ファッション業界の転職サービス、「クリーデンス」が25〜39歳を対象にファッション業界の平均年収を公開した。各年齢層でのランキングは以下の通り。

【調査概要】
・調査期間:2016年1月〜2016年12月
・対象:クリーデンス転職支援サービス登録者
・調査方法:登録者の年収データより算出

【25〜29歳部門】

1位は「店舗管理」(394万円)
2位は「OEM営業」(384万円)
3位は「MD・バイヤー」(370万円)

【30〜34歳部門】

1位は「店舗管理」(458万円)
2位は「プレス・販促」(430万)
3位は「VMD」(427万円)

【35〜39歳部門】

1位は「OEM営業」(571万円)
2位は「MD・バイヤー」(520万円)
3位は「プレス・販促」(511万円)

求人ニーズの高まりから、「店舗管理」と「OEM営業」が高年収に

今回の結果では「店舗管理」が20代後半と30代前半で1位。働く環境の改善が求められる中、アパレル業界でも就労環境の見直しが進み、店舗管理職の求人ニーズが更に増えており、高年収につながっていると考えられる。

また、2020年東京オリンピックに向け、大型商業施設の開業が続くことから、店舗系管理職は今後も需要が高まっていくであろう。

30代後半で1位となった「OEM営業」は、多くのアパレル企業が生産業務の外部委託を積極的に進めていることから、求人は年々増加傾向にある。

「OEM営業」には、仕様書や洋服の構造などに関する知識、海外工場との調整のための海外生産経験や語学力といった幅広い能力が必要であるため、即戦力となる人材が求められているのが現状だ。

そのため、アパレル業界で経験を積んだ30代後半での求人ニーズが高まり、年収の底上げにつながったと考えられる。

働き方の見直しと、更なるオムニチャネル化の推進がポイント?

企業の業績予想の下方修正やブランド閉鎖、早期退職者の募集などがあり、ファッション業界では、引き続き苦しい状況が続いていている。

このような状況を打破するために、企業が新たな人材の獲得に力を入れている。同時に、働き方の見直しに着手する企業も多く、各社人事担当からは「生産性向上」「離職率・定着率」というキーワードが頻繁に出ていた。

一方で、求職者からは、これまでの「好みのテイスト」「好きなブランド」以上に、「安定」「環境」「長く働ける」というキーワードが多発していた。

フードの取り扱いやカフェを併設したライフスタイルショップへの転換、またVR(※1)等の新しいテクノロジーを導入した接客方法などが注目された2016年。消費者との接点である“店舗”を大切にする考え方は、2017年以降も変化はないだろう。

そんな中、近年注目されているウェブ接客の導入や、ウェブと店舗の連動など、リアルとネットを繋ぐオムニチャネル(※2)化の推進が求められると考えられる。

※1ヴァーチャルリアリティーの略、また、仮想現実とも言う。専用の機器などを用いてファッションの世界観などを伝える役割があると、多くのブランドで取り入れられている。
※2店舗やイベント、ネットやモバイルなどのチャネルを問わず、あらゆる場所で顧客と接点をもとうとする考え方やその戦略のこと。

さいごに

普段なかなか聞けない“お金事情”。あなたが目指している仕事は平均いくらであっただろうか。今回の結果はあくまで平均値であり、自分次第で給料は良くも悪くも変動するだろう。

将来社会人になった時に、どのくらいのお金をもらって、どんなことをしていきたいのか。具体的に考える材料にしてみてはいかがだろうか。

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