2017年3月5日(日)、ESMOD JAPAN京都校の卒業コレクションが開催された。

ESMODは1841年の創立以来、フランスのパリを拠点に、「創造性」「技術力」「独創性」という3つの軸に基づいた教育をもとに、独自の感性、コンセプトを豊かに表現する多くのプロフェッショナルを世に送り出している。2016年に関西の同校は、大阪から歴史や伝統が培われてきた都市である京都に移した。

そんな同校の今年のコレクションのテーマは、“I have something to tell”-「私には伝えることがある」。

このテーマには“生徒一人一人が異なるメッセージを持ち、個性と経験を通して、声としてではなく、形やボリューム、色で伝える”という意味があるそうだ。ショーでは、まず1、2年生の作品が披露され、その後3年生の卒業コレクションが披露された。以下では京都校の卒業生による8つのコレクションを紹介する。

作品一覧:
FURUI NARUMI / KAKUNO SHIO(古井 成美 / 角野 至和)
FURUI NARUMI /WATANABE CHIHIRO(古井 成美 / 渡邉 千尋)
KABATA MARI(蒲田 麻里)
KUBO SHOHEI(久保 翔平)
MIZOBATA RIE(溝端 理恵)
YOSHIMI MAI / NISHIMOTO SAKI(吉見 麻衣 / 西本 早希)
SEO KYUMIN(徐 キュミン)
YAMADA NOZOMI(山田 希美)

FURUI NARUMI / KAKUNO SHIO(古井 成美 / 角野 至和)

Theme:コミュニティ

日常のさりげない発見や目に見えないものを服に。

現代社会でのコミュニケーションであるデジタルの要素と、自分の中の静かなコミュニティを色彩やモチーフで服に落とし込んだ。

FURUI NARUMI /WATANABE CHIHIRO(古井 成美 / 渡邉 千尋)

Theme:KISS AND CRY

抑えきれずに溢れ出した、高揚と憂鬱の入り混ざった感情を、シルエット・色・柄で表現し、一瞬一瞬に感じた気持ちを恐れのないエネルギーで醸し出している。

KABATA MARI(蒲田 麻里)

Theme:Matthew Stone

洗練されたしなやかで美しい花のように。

流れ・考えつくされた偶然などをキーワードに、流動的でダイナミックな色・素材使いで立体感のある服に落とし込んだ。

KUBO SHOHEI(久保 翔平)

Theme:Give Flowers to the World

今の重たい雰囲気の世の中を過ごす人々へ明るくポジティブな気分を届けたいという思いが込められている。手描きのプリントと遊び心のあるディテールをミックスしながら、ハッピーなコレクションを展開する。

MIZOBATA RIE(溝端 理恵)

Theme:Great Journey

好奇心の赴くままにあらゆる時代・場所・カルチャーを旅し、そこで得た感覚から好きな素材・色・柄を製作し、組み合わせて服に落とし込んだ。

YOSHIMI MAI / NISHIMOTO SAKI(吉見 麻衣 / 西本 早希)

Theme:クチュレットのバーレスク

バーレスクで働く可愛い仕立て見習いの女の子の物語。友達は愉快なお針子道具たち。そんな夢見る女の子の1日を、オリジナルデザインの刺繍・レース・ツイードで服に表現している。

SEO KYUMIN(徐 キュミン)

Theme:REMAIN(残るもの)

辛い、悲しい記憶は心の中の傷跡となり、私たちはそういう暗い過去を乗り越え強くなり成長していく。傷跡を、静かであるがコーディネートを変えることで強い印象を残すデザインやプリントで表現している。

YAMADA NOZOMI(山田 希美)

Theme:Naturals Wear

自然の心地よさと美しさを表現。プリーツ加工で植物などの繊細さと、単色に見えても混色でできた色の美しさを描いた。パール素材をアクセントとして加え、自然界の予想外の美しさを表現した。

それぞれのコレクションによって世界観も全く違い、考えられたコンセプトとハイクオリティな作品が次々に披露され、見る人を魅了していた。見たことのないシルエット、デザイン、素材。それらを追及し、新しい方法で取り入れ、それぞれの世界観で創り上げられたコレクションたちは、プロフェッショナルそのものだった。

昨年大阪から京都に移ってきたESMOD。新たな場所で、また一歩ずつ確実に進化していくESMOD KYOTOに、今後も目が離せない。

ESMOD KYOTO公式HP:https://www.esmodjapon.co.jp/#section01
Text: Yukari.FREADY TO FASHION MAG編集部)

READY TO FASHION MAG 編集部

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