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JAFIC(一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会)の懇親会で、産地×デザイナー×学生によるファッションショーが開催された。

※JAFICとは?
日本のアパレル産業の健全な発展を図るためにつくられた、日本のアパレルメーカー350企業が所属する団体。 日本のアパレル産業の発展のために、クリエーター支援や、将来を担う人材の育成などを行っている。

企業のトップや役員、産地の方やデザイナー、ファッション業界の将来を担う学生が一同に集まり、交流を図る中、READY TO FASHIONでは、同懇親会にて、【directalk】という企業のトップと学生が直接対話できる企画しました。株式会社三越伊勢丹ホールディングスの大西社長や株式会社パルコの泉水執行役員、株式会社アーモンド・アイの白浜社長にお時間を頂き学生とお話しして頂きました。対談の様子をレポートしますので是非ご覧ください!

三越伊勢丹ホールディングス代表取締役社長執行役員/大西 洋 × 東京家政大学2/小野

『インターンシップに代わる、企業と学生の関わり方』

学生 「私は現在大学2年生でファッションを専門的に学んでいます。繊維学からパターン設計まで様々な授業を受けており、将来は『アパレル業界』に就職しようと考えています。しかし、他の学生も口を揃えて言っていることですが、実際にどんな職種があってどんな人が何の仕事をしているか分からないので、アパレル業界で働くということに対して実感が湧きません。そこで、私が企業に求めたいことは、大学が高校生に向けて『OPEN CAMPAS』を行うように、アパレル業界を身近に感じられるような機会、『OPEN COMPANY』というものを行って欲しいということです」

大西社長 「なるほど、例えば今、インターンシップがありますが、これとは違うのですか?」

学生 「はい、確かにインターンシップというカタチはあると思うのですが、これは就活の時期に用意されたもののため、1年生や2年生が業界と接点を持つためのものではないと思っています。さらに、最近の若者にとっては、インターンシップや企業説明会など、『お堅い』ものへの参加は大きなハードルだと感じてしまうため、気軽に参加できるものが必要ではないかと考えています」

大西社長 「なるほど、それは出来ないことではないと思いますよ。実は当社グループでも、一部で高校生向けに似たような取り組みを行っており、お店を見て回って頂いたり、店頭に立ちたいということであれば簡単な教育などもさせて頂いているんです」

学生 「とても素敵な取り組みですね!」

大西社長 「ありがとうございます。ただ、三越伊勢丹グループの場合、アパレルではなくて百貨店という立ち位置なので、少し違うのかもしれませんね」

学生 「アパレル業界では、そのような取り組みは少ないのでしょうか?」

大西社長 「現在はあまり行われていないのかもしれませんね。外部からの意見にはなってしまいますが、不可能なことではないと思いますよ。ただ、アパレル業界の中でもどの部分まで経験させるのかが重要になってくると思います。アパレルの機能は、素材やデザイナー、パタンナーなどサプライチェーンが多くあるので、すべてを見るということ難しいですが、それが実現したときには良い経験になるかもしれませんね。ですが、いまはアパレル業界全体の業績が厳しいので、なかなか余裕がないのかもしれません」

学生 「そうなのですね」

大西社長「今日も、大手アパレル企業の社長さんたちがいらしているので、話を聞いてみてもよいかもしれませんね」

『百貨店のビジネスモデルの転換』

学生 「いま、百貨店としてはどのような課題がありますか?」

大西社長 「百貨店自体の、ビジネスモデルが厳しくなっているということです。アパレル企業さんに商品作ってもらい、それを仕入れ、販売し、売れなくなったら返しますというのは、もう成り立たなくなっています。今後は、アパレルとしての機能と、百貨店の機能が一緒になって、価値の高いものを作っていかないとお客さまにご満足いただけないので、当社グループでは数年前からSPA的なサプライチェーン改革の取り組みを行っています」

※SPAとは
「speciality store retailer of private label apparel」の略称。日本語訳は製造小売業。1社の中にメーカーと小売りの機能を持つビジネスモデルを指す。ユニクロやニトリが代表例。繊研新聞の記者が米国のGAP社の経営者を取材した時に、「GAPはSPAになった」という発言が紙上に紹介され、そこから日本のアパレル業界に定着した。

学生「百貨店がSPA化しているんですね」

大西社長 「完全にSPA化ということではありませんが、現在、18%くらいは自分達でモノ作りをしています。そして今後は、この数字を2割、3割にしたいと考えています」

学生 「最近、三越伊勢丹グループでは、ラグジュアリーに特化したECサイトを始められましたよね?これには、何か狙いがあったのでしょうか?」

※ECとは
「Electronic Commerce」の略称。インターネットやコンピュータなど電子的な手段を介して行う商取引の総称。Eコマースやオンラインショップ、ネット通販と呼ばれることもある。ゾゾタウンやメルカリなどが代表例。

大西社長 「百貨店はECへの対応が非常に遅れています。小売業全体のEC比率が15%くらいあるなか、百貨店のEC比率は2%程に留まっています。だからといって後追いで、ヤフーさんや楽天さんみたいなことは出来ないので、百貨店の強みを活かした、ハイエンドなECを始めてみようということで今回のECサイトをスタートしました。」

学生 「いまは、SPAやECというこれまで手を出していなかったところに、果敢に挑戦している時なのですね。ご質問にお答えいただき、ありがとうございました」

【括り】
ファッション業界で働くことに対して、消極的になっている現在の若者に対しては、すでにこの業界で働くことを志向している人向けのインターンシップとは異なる形で、業界から学生にアプローチする必要があるのではないかと、インタビューを通じて感じました。「ファッションに興味があるが、仕事にはしたくない」そんな今の学生の声は、ファッション業界は厳しいという世間の声を反映しています。しかし、三越伊勢丹ホールディングスが取り組んでいるような、SPAやECというものを積極的に学生に伝え、経験してもらうことで、「いや、ファッション業界、遅れているって言われているけどこれからすごく伸びるかも」と学生に憧れる業界に返り咲くかもしれません。学生の提案に対しての大西社長の「不可能ではない。」という言葉は、学生にとっても業界にとっても、今後背中を押してくれる言葉になることに違いない。

最後に、本企画に快くご協力頂いた、大西社長や、サポートして頂いた業界の各関係者に、この場を借りて御礼を申し上げます。

【directalk.002】ファッション業界のTOPに学生がモノ申す!#株式会社パルコ常務執行役/泉水隆 株式会社アーモンド・アイ社長/白浜匡城
https://www.readytofashion.jp/mag/news/directalk_002/


執筆者:READY TO FASHION

READY TO FASHIONは、ファッション業界において「学生と産業を繋げる」というコンセプトのもと、オープンスクールというプロからの講義やファッションショー、トークセッション等のイベントを継続的に企画、運営を行っています。運営事務局は、ファッション業界を志す学生とそこで働く諸先輩によって構成されています。

READY TO FASHION MAG 編集部

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