販売の流れを変えたD2Cブランド。海外の成功企業とネクストカミング企業をご紹介 アイキャッチ

様々なアプローチを持って進化し続ける「D2C(Direct to Consumer、ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」ブランドの数々。

海外での成功を受けて、日本でも多くのブランドが生まれています。

今回はそんなD2Cブランドの先駆者である海外ブランドの紹介とネクストカミングな企業をご紹介します。

従来のアパレル産業は、完璧な分業によって成り立ってきました。

しかし、近年では自社で企画・製造した商品を卸や小売店を通さず、ダイレクトに販売を行う「D2C(DtoC)」と呼ばれる事業モデルが注目を集めています。

D2Cとは

「D2C(DtoC)」とは、Direct to Consumer(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)の略で、ブランドが自社で企画・製造した商品を、小売店や卸を仲介することなく自社のECサイトにて販売を行う仕組みのこと。

従来の小売店などを介することによって発生するコストを削減することで、消費者に高品質な商品を低価格で提供することのできるこのビジネスモデルは、ブランド側や工場にとっても大きな利点を与えています。

これまで消費者からの要望は小売店を通していたのに対して、直接フィードバックできるのも大きなメリットです。時代の流れによって、スマートファンやPCからECサイトを利用する消費者が増えたことで、店舗を持つことなくブランドを浸透させることができる様になりました。

実際にD2Cのビジネスモデルで成功した代表的な企業をいくつかご紹介します。

D2Cブランドの先駆者:Warby Parker

今や様々なD2Cブランドが注目を浴びていますが、D2Cを初めて成功させたのが「Warby Parker(ワービー パーカー)」だと言われています。

2010年にペンシルバニア大学に在籍していた4人の学生によって創業したこのメガネメーカーは5年後の2015年には『Fast Company』誌上でAppleやGoogleを抑えながら最もイノベーティブな会社として選ばれるという快挙を達成しました。

Instagram:https://www.instagram.com/p/Bw9yygcnObD/?utm_source=ig_embed

7つの質問で自分に合うメガネが分かる Home Try-on

購入前試着体験として同社が行うサービスが「Home Try-on(ホーム トライオン)」です。

顧客はネット上で7つの質問に回答します。回答後に、顧客に合わせたメガネをいくつか提案したのち、顧客は5つの好みのメガネを選択することができます。

その後配送及び返送無料のメガネボックスが届き、5日間の無料体験ができるという仕組みになっています。

SNS経由のHome Try-onによる2つのサービス

「Home Try-on」では2つのサービスを軸にしています。

1:ミレニアル顧客がSNSにアップすることでの広告。試着した眼鏡を消費者が似合っているかどうかという疑問のもと、投稿することで広告代理店を経由することなく世に広めることができる仕組になっています。

2: #Warby Parker  #Home Try-on とハッシュタグをつけると専属のスタッフからフィードバックコメントが返ってくるサービス。専門家からのコメントを元に家にいてもメガネ選びを行えるという革新的な形を確立しました。

業界タブーの透明性を武器に:Everlane

アパレル業界においてタブーとされる原価率の開示を武器に一躍注目を浴びたD2Cブランドが、2010年創業の「Everlane(エバーレーン)」です。

同社では、原価だけでなく、材料費・労働費・関税・輸送費などの内訳から製造工場の詳細を全てEC上で簡単に見ることができるという従来のアパレル業界とは真逆の路線に進むことでブランドアイデンティティを広く認知させました。

Instagram:https://www.instagram.com/p/BxnECUTFBCk/?utm_source=ig_embed

少量生産と工場の質

Everlaneでは生産量を少ロットに抑え、無駄な在庫を削減する形をとっています。

従来の様に大量に生産した商品の残りはセールで売り切るという形に逆流し、生産量を抑え売り切るということに重きを置く。その代わりに毎月新しいコレクションをリリースすることや、在庫の削減で抑えたコストを消費者への値引きとして提供しています。

さらに、同社では海外の工場ではなくアメリカ国内の工場での生産を行なっています。また、歴史あるラグジュアリーブランドなどと同じ工場で生産を行いながら、同等の質の商品を低価格で販売することで差別化を行いました。

買い物の苦痛を減らしたい:Bonobos

2007年創業の「Bonobos(ボノボス)」も、 D2Cの基礎を築いたブランドと言えます。

「男性にもデニム以外のパンツの選択肢が欲しい」という思いのもと作られ、チノパンツなどのメンズパンツのみの取り扱いでブランドをスタート。

創業後10年で合計約147億円の投資を受けるほどにまで成長し、2017年には小売大手のWalmartに約340億円で買収されたことでも話題になりました。

Instagram:https://www.instagram.com/p/ByGEBKNp0v0/?utm_source=ig_embed

ガイドショップと”ninja”

Bonobosの理念は「買い物の苦痛を減らしたい」ということでした。

店舗に在庫を置くことなく、EC上で試着をしたい商品を予約することで店舗にて試着を行えるという仕組みを作り、実店舗を「ガイドショップ」と題し、ブランドを体験する場所として提供しました。

商品の購入は、試着後でもEC上で行い、試着をしたら買わなければならないというプレッシャーを消費者に感じさせなようにと考えられたものでした。

また、売り上げの増加に合わせてタブレットを利用したモバイルPOSなどのテクノロジーを利用し、お客様情報・購入履歴・サイズ・WEB訪問履歴・来店履歴などを一括で表示できるシステムを導入し、ネット上での接客を可能にしました。

注目の国内ベンチャーD2C企業 イノベーターのワードローブに:objects.io

土屋鞄製造所出身のブランドマネージャーと元鞄職人のデザイナーの2人が作り上げた「obejcts.io(オブジェクツアイオー)」 。

「自分たちが欲しいと思うバックを作る」というシンプルな欲求から始まり、現在はイノベーターに寄り添う形での商品を提供しています。

愛用のMacBookのミニマルなデザインが、objcts.ioの欲す世界感と合っていると考えていたことから、objcts.ioのアイテムも機能的で上質な素材が創り出す洗練されたデザインが特徴的です。

Instagram:https://www.instagram.com/p/BvlwRPkjK4o/?utm_source=ig_embed

モダンラグジュアリー objects.ioが作るバックパック

追求したのは、高い機能性にドレッシーな雰囲気を漂わせる、ラグジュアリーな大人のバックパックは、試作を15回以上重ね、かなりの労力を費やし完成。

エフォートレスなデザインに加え、本革でありながら、半永久的な完全防水、 約1,080gという軽量さ、計6つの収納ポケットという高機能で、まさにイノベーター好みの仕上がりになっています。

忙しい女性にファッションの楽しみを:SOEJU Personal

仕事や家事に追われ、なかなかファッションにまで気が回らないという30、40代の女性をメインターゲットにした自社製品とファッションサービスを提供する「SOEJU Personal(ソージュ パーソナル)」。

プロのスタイリストが、体型にあったスタイリングだけでなく、ライフスタイルに合わせた着まわしまで、お客一人一人にあった提案をしてくれるのが特徴です。

Instagram:https://www.instagram.com/p/BxjAEDsjKtS/?utm_source=ig_embed

ベーシックアイテムの追求

「素材やシルエットで印象が決まるベーシックなアイテムこそ質を重視するべき」という思いのもと、市価の6割から7割の価格で、トレンドに流されることなく長く楽しんでもらえる服を提供するブランドSOEJUを立ち上げました。

・トラベルフレンドリー:旅行や出張の際にもシワになりにくくかさばらない
・シーズンレス:一年中着用可能
・DAY&NIGHT:一日中着ていてもラク
・ラグジュアリー:上質な生地選び、Made in JAPANの縫製

上記の4つの条件を満たす、上質で機能性の高い洋服を作り上げています。

スタイリングサービスの流れ

同社が提供するスタイリングサービスではオンライン、または代官山のサロンにてプロのスタイリストによるカウンセリングを受けます(1時間5000円)。

この場で、自分の体型からライフスタイルごとの着まわしまで、細かなアドバイスを受けることも可能。

その後、毎月または3ヶ月に1度のどちらかで、スタイリストの選んだオススメのスタイリング提案が届きます。事前に手持ちの洋服の画像を登録しておくと、手持ちの服に合わせた提案が届くのも嬉しいポイントです。

1回の提案につき、3000円のサブスクリプション型で、オススメの商品は、同社 ECサイトにて購入ができます。また、スタイリストの提案では、同社の商品だけでなくUNIQLOやZARAなどの低価格なアイテムでの提案を受けることも可能です。

D2Cで働くためには

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READY TO FASHION MAG 編集部

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